人生いろいろ・・・ 七十歳

多摩爺の「時のつれづれ（葉月の４８）」
人生いろいろ・・・　七十歳

「九十歳。何がめでたい。」という、すでに１００歳になられた作家の佐藤愛子さんの、
１０年ぐらい前のできごとを振り返って描いた映画が・・・　いま、好評らしい。

私は映画を見てないので・・・　詳細は知らないし、感想もないが、
女房はマンション内で仲良くさせてもらってる、古希前後のオバチャンたちと一緒に観に行っている。

生活環境は違うけど「お母さん（現在９４歳の私の母）」みたいに元気な人の話しで、
とっても面白かったんだけど・・・　自伝と小説の世界が混同されてるみたいで、
普通に考えたら、作家には独特な感性があるとして、そうだったら面白いなと思うものの、
現実的には、コミカルな映画にするため、けっこうデフォルメされてるような気がすると言っていた。

まっ、映画は受けてなんぼの興行だから、
現実は・・・　「いったい、どうなんだろうか？」だなんて、
わざわざ斜に構えて、裏読みする必要はないんだろうが、
女房の感想は、けっこう的を射ていて、当たらずも遠からずだと思う。

それはそれとして、本日めでたく古希（７０歳）を迎えた。
昭和２９年８月３日、午前８時３０分頃、
盆地でクソ暑いなか、まだ冷房の「れ」の字もなかった山口市内の病院で生まれたらしい。

私は佐藤愛子さんのように「七十歳。何がめでたい。」だなんて、
開き直れるほどの大ものじゃないので、
「おめでとう。」と言われたら・・・　素直に嬉しいし、
明日になるが、息子夫婦と孫がお祝いをしてくれるというので、お言葉に甘えようと思っている。

生まれて７０年、結婚して４７年、上京して３９年、終の棲家を構えて２３年、
年金生活に入って５年・・・　いろんなことがあったが、
まずは健康に産んでくれた母に、後ほど電話して感謝を伝えようと思う。

嬉しいことに２週間前には、現役時代に私が受け持った組織で、
スタッフとして支えてくれた、後輩の課長や部長が声をかけてくれ前祝いをやってくれ、
昨日は、さらに駆け出しの管理職だったころの女性スタッフ２名から電話があり、
こんど呑みましょうとのお誘いがあった。

覚えていてくれるだけでも嬉しいのに、お酒の誘いだから・・・　ホントに幸せ者である。
さっそくＬＩＮＥの連絡先を交換すると、
即座にグループを作ってくれるんだから、もう涙が出そうだった。

当時２０代の彼女たちも、５０代に突入し、子育てしながら、
夫の海外勤務や、単身赴任を支えた、素晴らしい女性たちが私を支えていてくれたことに、
いまさらで大変申し訳ないが・・・　感謝、感謝である。

５０歳を過ぎてからの人生設計は、５年単位で立てていて、
５５歳で第一線を退いてグループ会社に移り、６５歳で年金生活に入るのを節目にして、
最大の難関は・・・　６０歳で住宅ローンの繰り上げ弁済だった。

それも・・・　苦しいなか、女房がやりくりしてくれ、
なんとか計画通りに完済出来たことが、
いまとなっては、精神的な余裕につながってると思っている。

また、辛かったのは・・・　コロナ禍にコロナ感染ではなかったが、
父、義母、義父が、老衰で相次いで亡くなったことと、
いまは完治したが、２年間に渡って心の病と闘った、女房のコロナ鬱だった。

それがいまじゃ、掃除、洗濯、食後の後片付けなども、出来るようになったんだから、
まさに・・・　「雨降って地固まる。」であり、
人生は何が切っ掛けになって、事態が好転するのか不思議なものだと思っている。

人生１００年時代に入ったというが、口で言うほど簡単なことではないだろう。
欲を掻くことなく、毎朝女房と元気に「おはよう。」の挨拶が交わせるよう、
体の健康もさることながら、脳や心の健康も気にかけつつ、下り坂の先にある終着点まで、
必要以上に頑張らないことに、頑張ることができればとハナマルだと思って・・・　頑張りたい。

それにつけても・・・　七十歳、
人生いろいろだが、よく頑張ったんじゃなかろうか？