時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

派閥がなくなると、どうなる?

2024年01月21日 | 時のつれづれ・睦月 

多摩爺の「時のつれづれ(睦月の47)」
派閥がなくなると、どうなる?

昨年末からのパーティー券のキックバック問題に端を発した・・・ 政治とお金の問題は、
議員3名、会計責任者6名が、先週末までに逮捕及び、在宅起訴、略式起訴されたことにより、
どうやら・・・ 一段落したようである。

この先は、政治資金の透明化を図る法律改正と、諸悪の根源とされた派閥のあり方に移っており、
野党は今週末からの国会が始まったら、さらなる追求をすると鼻息が荒いが、
いつまでも、司法のまね事をやるより・・・ 震災対応を最優先に、
政治資金規正法の改正に、与野党で知恵を絞っていただきたいと思うが・・・ 如何なものだろうか?

先週末、総理が記者会見において、自らが所属していた宏池会(岸田派)の解散を発表すると

翌日には志帥会(二階派)、清和会(安倍派)が追随したことから、
志公会(麻生派)、平成研究会(茂木派)、近未来政治研究会(森山派)の出方が注目されている。

実質的には事務所を閉鎖し、派閥が持ってる政治資金をなんらかの形で精算することになるだけで、
当たり前のことだが・・・ 議員が数名で集まって、話し合うことがなくなるわけではない。

気になるのは、発言力の強い志公会(麻生派)のトップが、
そもそも政治とお金の問題だったことを踏まえ、自派閥ではお金の流れでやましいことがないので、
派閥の解消に同調するつもりはないと言ってるらしく、
どこまでホントか分からないが、総理にそのことを伝えたとの報道がでていることだろう。

ただ、それはそれで、けっこうなことだと思うし、
それで政治資金規制法が、厳しく改正されることになれば、
個人的には派閥の解消よりも、そちらの方が重い決断だと思っているので、
むしろ・・・ 「しっかり、ガンバレ!」と、応援したい気持ちにすらなっている。

とはいえ、派閥=悪みたいになったことから、国民からの風当たりは強くなる一方である。
派閥とお金の関係や、派閥推薦人事については、この際にキッチリと整理すべきと思うものの、
政治とお金の問題と切り離して・・・ 個人的な視点で捉えれば、
派閥を解消すると、いったいどんなことになるのか、少しだけ思いの丈を述べてみたい。

自民党という政党は、少し左寄りの人から、大きく右に寄った人まで、
ウイングが広いなかに、衆参合わせて過半数を超えた議員が同居する大所帯であり、
派閥は、グループ会社(子会社)であって、
政党は、ホールディングス会社(親会社)だと捉えれば分かり易い。

そこで派閥が解消されると・・・ いったい、どうなるんだろうか?
党内での議論は、派閥の親分の視線が気にならなくなり、しがらみもなくなることから、
集約に時間はかかるかもしれないが、格段に活性化することは間違いないだろう。


ホールディングス会社(親会社)の下にあったはずの、グループ会社(子会社)が、
いきなり個人商店となり、大人数の議員が党内で議論するんだから、
嫌みと悪口が常態化している与野党の論戦よりも、こちらの方が内容的には遙かに濃いと思うが、
党内での議論は表舞台には出ないので・・・ これはちょっと、残念かもしれない。

最も影響が出るとしたら・・・ 総裁(総理)を選ぶ、党内の選挙ではなかろうか?
そもそも派閥とは、自派閥から総理総裁を輩出することに、力の源泉があったはずだが、
派閥が解消されると、縛りがなくなることから、議員の投票は全くフリーとなり、
世論や地元有権者の声が無視できなくなって、想定外のハプニングが起こる可能性もあるだろう。

なにが言いたいかというと・・・ 世論調査では常に上位にランクインしているものの、
キングメーカーを目論む派閥のトップからは、目の敵にされている候補者が思い浮かぶと思う。
かつての総裁選で、一般党員による投票ではトップに立ちながら、
亡くなった元総理に、議員投票で逆転をくらった元幹事長に、総理の目が出てきたのである。

防衛通で話しが長く、強面で小難しい方だが・・・ 人気だけは高く、
いま目の前にあるピンチを打開するために、派閥を解消した議員たちがその気になれば、
かつて政権交代があったときに・・・ 「一度やらせてみよう。」の声が後押ししたたように、
まんざらじゃないような気がしないでもない。

ただ一つ・・・ 困ったことがあるとすれば、
いままでは属していた派閥や、どの議員の近くに居るのかを見ることによって、
議員の思考が、少し左から大きく右のどこら辺りにあるのかが、ある程度見えていたが、
それが見えづらくなるのは・・・ ちょっと痛いかもしれない。

個人的な思いとしては、派閥の解消よりも、政治資金規正法の改正の方が重いと思うが、
一部の派閥だけではあるが、解消されることが現実になると、
行き着く先は見えないものの・・・ 不思議なことに、なんらかのパワーを感じてしまう。

生意気を言うような歳は、とうの昔に過ぎているのに・・・ カバチをたれてしまったが、
改革への一歩踏み出したのであれば、期待しても良いと思うが、
さて、どうなることやら・・・ しばらくは注視するしかないだろう。

追伸
「カバチをたれる。」とは・・・ 山口県の方言で、生意気に屁理屈をこねることである。


コメント (5)    この記事についてブログを書く
« モヤッとする自国第一主義 | トップ | 政権交代には期待ができない。 »

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (wada67miho)
2024-01-21 06:11:47
多摩爺さま

派閥のせいで自民党の有力政治家は年寄りだらけでした。これで欧米みたいに若くて優秀な30代くらいの政治家や女性にチャンスが出るかも知れませんね。活気が出て良くなるんじゃないですか。
僕は悪いことじゃあないと思いますね。
でも、今回の派閥解消劇、政治とカネの問題を誤魔化す偽装解散の気もして、信じられない気もしますけどね。
返信する
Unknown (wada67miho)
2024-01-21 06:29:47
追伸
アメリカはトランプとバイデンの超老人の争いでした。この国もおかしくなってますね😃
返信する
Unknown (多摩爺)
2024-01-21 06:39:18
和田さん、おはようございます。

仰るとおりで、世代交代が進むことに期待したいですね。
これは野党も一緒で、政権交代したときの幹部が、いまだに幅を効かせていては、
もう一度、政権交代と言われても、任せる気持ちにならないでしょう。
特に80代の戦中生まれの方々は、後進に道を譲り勇退すべきだと思います。
返信する
Unknown (U1)
2024-01-21 06:45:08
おはようございます。
「派閥の解消よりも、政治資金規正法の改正」
全くその通りだと思います。
政治資金収支報告書への不記載、虚偽記入に対する処罰の対象に会計責任者だけでなく議員本人も加えるべきですよね。このような改正がなされるのかどうか、今後の成り行きに注目です。
派閥は表向き解散となっても裏で続くでしょう。政治家に限らずヒトには群れる習性があると思いますから。
返信する
Unknown (多摩爺)
2024-01-21 07:04:07
U1さん、おはようございます。

人間には相性や共感があるので、3人集まればグループができるというのは、ある意味で仕方がないことだと思います。
それにイチャモン付けるのもまた、イチャモンだと捉えるべきですね。
やるべきこと(お金の流れの透明化と罰則強化)ができていれば、それ以上求めても無理というものだと思います。
返信する

コメントを投稿

時のつれづれ・睦月 」カテゴリの最新記事