時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

悪魔の証明

2021年08月01日 | 時のつれづれ・葉月 

多摩爺の「時のつれづれ(葉月の16)」
悪魔の証明 (東京2020)

「オリンピックをやめて、命をまもれ。」
「オリンピックを中止して、コロナ感染防止対策に全力をつくせ!」と、主張する政党があり、
「もうカンベン、オリンピックむり!」と、窓から外に向けて、貼り紙を使って訴える病院がある。

さまざまな意見があることは否定しないし、昨今の感染拡大を鑑みれば、
いかにも正論のような気がしないでもないが、
じゃぁ・・・ 感染防止対策に対して、全力は尽くされてないのだろうか?
また、オリンピックを開催したことが原因で、本当に感染拡大したのだろうか?

けっして、そんなことはないと思う。
さまざまな意見があることは否定しないが、オリンピックの開催と、コロナ対策を結びつけて、
ネガティブな主張を展開するのなら、科学的に、論理的にそれを証明しないと、
反対のための、反対になってしまうと思うが・・・ いかがなものだろう?

とはいえ・・・ 感染拡大は、オリンピックのせいだとする因果関係を、
科学的に、論理的に、人々が納得できるように説明することは、極めて困難なことだと思う。
なぜなら・・・ それは、悪魔の証明だから。

中世ヨーロッパのローマ法で、土地や物品等の所有権を、だれに帰属させれば良いのか、
過去にまで遡って、それを証明することが困難なことから、
こういった事例を捉えて・・・ 比喩的に、悪魔の証明と表現することになった。

平たく云えば・・・ 悪魔は居るのか、居ないかといった疑問に対して、
居ないことが証明できないから・・・ 居るという論法である。

つまり・・・ オリンピックの開催が、感染拡大に影響していると主張するなら、
言い出しっぺが、そのことを科学的に、論理的に証明しない限り、
影響はないという論法が成立してしまう。
これが・・・ 悪魔の証明である。

ここで勘違いしないでもらいたいのは、
私はオリンピックの中止発言について「異議あり!」と言ってるのではなく、
感染拡大と結びつけていることに・・・ 「異議あり!」と言ってるだけである。

さらに、野党やオリンピックに反対する人たちは、
なにかにつけてデータを示せ、根拠を示せと言ってるが、
そのデータや、根拠とは・・・ いったいなにを指すのだろうか?

医療現場の声や実態を踏まえた、医学的なデータや根拠のことなのか?
人々の心の中にある精神的な思いから導き出された、心理学的なデータや根拠のことなのか?
それとも、過去の実績や他国の実績を元に数学で計算された、統計学的なデータや根拠のことなのか?

なにをベースにするかで、答えは微妙に異なるだろうし、
その総てが、サンプル調査であることを踏まえれば、データに偏りがある場合もあることから、
それぞれの相関係数の確度などから・・・ 「これが根拠だ!」と公に示すことは難しい。

メディアによく登場する医療関係者は、
今日の感染者は10日から2週間前に感染した結果であるとも言っており、
この説が正しいのであれば・・・ 感染者の殆どは、オリンピック前に感染していたことになり、
オリンピックの開催を原因とすることは、医学的な根拠からみて正当性はなく、
現時点の感染拡大や医療逼迫を、オリンピックが原因だとすることは暴論だと言わざる得ない。

くれぐれも、さまざまな意見があることを否定するものではないが、
普通に考えれば、感染拡大の主たる要因は・・・ ただ一つで、
この国に暮らす国民の多くが、為政者が発したメッセージ(要請)よりも、
個人の自由(我が儘)を上に置いて、気ままに行動していることに他ならないのではなかろうか?

そして、そのサポートをしたのは・・・ メディアが躍起になって街中から拾い集めた、
「もう、我慢の限界」という人々の声に、
「それなら、仕方がない。」という、免罪符を与えてしまったことだろう。

「オリンピックをやると決めたことから、世の中が緩み始めた。」という人もいるが、
そういった考えは、思い込みが、頭のなかを支配してしまった観念論であって、
ワンチームを拒む野党と、一部のメディアを中心に、
国民の意識のなかから、自責という視点を消してしまい、
為政者にその責任を転嫁したことに起因していると思うが・・・ 間違っているだろうか?

観念論で、オリンピックに反対する気持ちは、ある意味で分らんことではないが、
それをいうなら・・・ まず、悪魔の証明を論理的に説明せねばならないし、
人々を納得させねばならない。

国民の思いが51対49で二分されたなかでも、
多数決をベースに政治的な決断をするのが民主主義である。

にも拘わらず、いつまでも持論を主張し続けていては、
いつかどこかで、衝突することが避けられなくなってしまう。
そうやって衝突し、武力で問題を解決し、革命と云う名の下で自由を捨てた国がお隣の大陸である。

自由を捨てる覚悟があるなら・・・ それもまた自由だから、行き着くとこまで行けば良いと思うが、
人々の良識に問いかけることなく、武力で解決
したのが大陸であり、
国民へ要請し、国民の良識に任せようとしたのが、この国であることを忘れてはならない。

国民の大半は、為政者からの要請を守り、不要不急の外出を避け、自宅のテレビで声援を送っている。
為政者の要請を無視して、酒を提供する者たちや、
路上飲みや禁止区域でのバーベキューなどで騒ぐ者たちに、
罰則を与えることに、反対はしないが、
不要不急の外出を避け、自宅で静かにしている私のような小市民や、
この日のために、人生を賭けて挑むアスリートまで引き摺り込んで、一蓮托生を求めるのは筋が違う。


「アスリートや大会関係者からも、毎日のように感染者が出ているじゃないか。」と言った声もある。
目指しているのは、ゼロコロナではなく・・・ ウイズコロナである。
陽性者がでれば、濃厚接触者を含めて隔離しており、
そこからクラスターに発展したという情報は、いまのところない。

また、「隔離されたホテルから、抜け出してる者がいるじゃないか。」という批判もある。
これには正直言って、腹立たしく思うし・・・ 頭にくる。
とはいえ、刑務所に入れてる訳じゃないんだから、四六時中見張ってることはできないのが現実だ。

じゃぁ「それで良いのか?」っていうことで、
隔離した部屋の総てに監視カメラをつけたら、どうなるだろうか?
行き着く先は、だれにでも分るとおり、人権問題の指摘を受けるだろうし、
外交問題に発展する可能性だって否定できない。

クレームをつけるのが国是のような、面倒くさい半島や大陸から、
そんなことでイチャモンつけられるのは・・・ 申し訳ないが、まっぴらゴメンである。

常識的に判断するなら、そういった監視は出来ず、
個人の良識に委ねるしかなく、それでダメなら・・・ 大会失格者として国名を明確にして、
大使館等を通して、直ちに追放(国外へ退去)するしかない。

7月23日から始まり、連日のように列島に歓喜と感動をもたらした東京2020も、
既に折り返しを迎えた。
野党とワイドショーは、ここにきてオリンピックの中止とアスリートの活躍は別物だと、
意味不明なことを言い出した。
お得意のダブルスタンダードだが・・・ これには、もう笑うしかなかった。

論点を整理すれば、悪魔の証明を解決させないまま、一方的に喧伝し続けることは、
風説の流布に当たると思うが・・・ いかがなものだろうか?

口を開けば、為政者から強いメッセージを求める医療関係者がいまだに多い。
そういったコメントを否定するつもりはないが、そんなもの(メッセージ)は、とうの昔にでていて、
今回のメッセージが強かろうが弱かろうが、
為政者の声に聞く耳を持つことが出来るか否かでしかない。

メディアに露出したり、SNSなどで「政治は、いったいなにをしてる!」と、
痛烈な批判をしている医師も居るが、
私から言わせて貰えれば、この1年半の間・・・ 医師会は、いったいなにをしてきたのか?

重症患者を診る病院と、中等症、軽症、さらには自宅やホテルなどの訪問診療や、
回復後のリハビリなどを担当をする病院を、キッチリ切り分けるといってたが、
それは、いまどうなっているのか?

オールジャパンで、オールドクターで対応するんじゃなかったのか?
政治を批判するのは、分らんでもないが・・・ まずは自らの足下を見てからもの申してほしい。

医療現場の第一線で、献身的に頑張ってくれている医療従事者の方々には、
大変申し訳ないと思うが、国民生活に近い地域の医師会は、
いまだに医院等を含めた支援体制を確立することが出来ていないにも拘わらず、
政治だけに責任を転嫁するようなコメントを繰り返すのは、
国民からの厳しい視線を回避し、責任転嫁を目論んだ、都合のよい逃げ口上であり、
狡すぎると言わざる得ない。

とはいうものの・・・ 昨日、東京の新規感染者数が初めて4,000人を超え、
拡大に歯止めが掛からない。

そりゃそうだろう、緊急事態宣言が出ると決まって約2週間が立つというのに、
ふざけたコメントを繰り返す若者を叱責することもなく、政策の批判を垂れ流すテレビを横目に、
多くの国民が、夏休みが始まったばかりの4連休を、しっかり楽しんだんだから、
そのツケは必ずやってくる。

表現が適切でないことは勘弁してもらいたいが、
警鐘を鳴らす意味も込めて、あえて言わせてもらうなら、
とっても恥ずかしいことだが・・・ 若者を含んだ多くの大人たちは、
好んで感染するような場所にでかけ、求めて感染しているような気がしてならない。
自爆して、人に迷惑をかけて・・・ いったい、なにが楽しいのだろうか?

ひょっとしたら・・・ 私たちの世代は、子供の育て方を間違っていたのかもしれない。
人の痛みや苦しみに同苦し、
適切な対応を自ら考え、行動することを教えてこなかったのかもしれない。

40代に入ったばかりの、私の子供たちが、どうのこうのと・・・ いうつもりはないが、
この国で暮らす年金生活者の一人として、子育てを経験した人の親としていま痛感するのは、
こういった事態に陥りながらも、
事態を客観視することができず、行動変容できない子供たちを社会に送り出したことだろう。

とっても残念で、悔しいと思うが、
悪魔の証明(オリンピックの是非)なんて、もうどうでも良くて、
いま最も大事なことは、親子で向き合って・・・ 話し合うことなのかもしれない。


追伸
総理は、頑なに否定するものの、ロックダウンなどの強権発動(法律改正)を、
議論するタイミングにあるとの声が、政府の「基本的対処方針分科会」からも相次いで出てきている。

分科会のお墨付きがあれば・・・ 政府のみならず、野党やメディアも反論できなくなると思うし、
総選挙前の短期間で、論点を絞って法律の改正が出来れば、
いままで無策だと、政権を批判してきた野党は、論点を失い・・・ 痛し痒しだろう。

さて、どうなる?
いまのままの、自由を保つのか?
法律改正して、強制策を取るのか?
それとも、法律は改正するが、時限立法という落としどころを探るのか?

憲法の問題も含めて・・・ きれい事では片付けられない、有事の対策について、
もうそろそろ、野党も真摯に向き合い、議論をするタイミングにきているのではなかろうか?


東京オリンピック (7月23日~31日)

[ 金メダル ] 17個
 ・7月24日 柔道 男子60キロ           高藤直寿
 ・7月25日 競泳 女子400メートル個人メドレー  大橋悠依
    〃   スケートボード 男子ストリート     堀米雄斗
    〃   柔道 女子52キロ           阿部詩
    〃   柔道 男子66キロ           阿部一二三
 ・7月26日 スケートボード 女子ストリート     西矢椛
    〃   柔道 男子73キロ           大野将平
    〃   卓球 混合ダブルス           水谷隼、伊藤美誠
 ・7月27日 柔道 男子81キロ           永瀬貴規
    〃   ソフトボール              日本代表チーム(ソフトジャパン)
 ・7月28日 競泳 女子200メートル個人メドレー  大橋悠依
    〃   柔道 女子70キロ           新井千鶴
    〃   体操 個人総合             橋本大輝
 ・7月29日 柔道 女子78キロ           濵田尚里
    〃   柔道 男子100キロ          ウルフアロン
 ・7月30日 柔道 女子78キロ超          素根輝
    〃   フェンシング 男子エペ団体       見延和靖、加納虹輝、山田優、宇山賢
 
[ 銀メダル ]  5個
 ・7月24日 柔道 女子48キロ           渡名喜風南
  7月26日 体操 男子団体             北園丈琉、橋本大輝、谷川航、萱和磨
 ・7月27日 サーフィン 男子            五十嵐カノア
 ・7月28日 競泳 男子200バタフライ       本多灯
 ・7月31日 柔道 混合団体             日本代表チーム(ゴジラジャパン?)
 
[ 銅メダル ]  8個
 ・7月26日 スケートボード 女子ストリート     中山楓奈
    〃   アーチェリー 男子団体         古川高晴、河田悠希、武藤弘樹
    〃   柔道 女子57キロ           芳田司
 ・7月27日 重量挙げ 女子59キロ         安藤美希子
    〃   サーフィン 女子            都築有夢路
 ・7月29日 卓球 女子シングルス          伊藤美誠
 ・7月30日 バドミントン 混合ダブルス       渡辺勇大、東野有紗
 ・7月31日 アーチェリー 男子個人         古川高晴


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2 コメント

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ロックダウン、ありかもと思ってしまいます (cobamix)
2021-08-01 22:25:04
こんばんは
全くもってtamajiiさんの言う通りですね。
繁華街で平然とインタビューに応えている人々を見ていると、この国民は「恥ずかしい」という感覚が無くなってしまったのではないかと思ってしまうほどです。
新型コロナに対するワンチームを拒否し、この機に乗じて政局を自分たちの都合の良いように向けようとする野党第一党などなど。
ロックダウン、現状では仕方ないのかも…。
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Unknown (多摩爺)
2021-08-02 07:56:53
cobamixさん
コメントを頂戴しありがとうございました。
自責の念がなく、総てを他責にしてしまう人のなんと多いことでしょうか。
震災や災害の時に、あれほど国民性が素晴らしいと称えたメディアが、いまは逆の方向へ導こうと煽っています。
法律改正してロックダウンすることは、私は反対ですが、
その方向に行くことを、分科会や知事会が求めるのであれば、急展開するのではないでしょうか?
メディアも野党も、自分で自分のクビを締めようとしていることに気がついているのでしょうか。
私には、人の失敗を、ニヒルにほくそ笑んでるようにしか見えません。
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