時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

雨なのに晴天の霹靂

2021年09月04日 | 時のつれづれ・長月 

多摩爺の「時のつれづれ(長月の14)」
雨なのに晴天の霹靂 (菅総理が退陣を表明)

9月3日、お昼のちょっと前だった。
東京は雨が降っていたので、青天の霹靂という例えが当てはまるかどうかは分らないが激震が走った。
現職の総理が、今月末に行われる予定の、自民党総裁選挙に出馬しないと表明したのだ。

議院内閣制を取っているこの国では、
衆議院及び参議院の議員ひとり一人が、それぞれの院で1票を投じて、
国会議員として議席を持つ、第一党のトップを総理大臣に指名し、この国の実権を託している。
その現職総理が・・・ 第一党のトップを決める総裁選挙に出ないと表明したのだから、
総理大臣を辞するということであって・・・ まさに政局と云って良いだろう。

話は変わるが、この国でオリンピックが開催された年には、総理大臣が代わるというジンクスがあり、
メディアに露出して、まことしやかにそのことを吹聴するコメンテーターがいたが、
そのジンクスどおりになったのだから・・・ ちょっと、驚きを隠せない。

・1964年10月、アジアで初のオリンピック・東京大会が行われた翌月、
 予てより病気療養のため、辞任を示唆していた池田勇人総理は、
 佐藤栄作内閣の発足を受けて退陣している。

・1972年、アジアで初の冬季オリンピック・札幌大会が行われた年の夏、
 後に日本人唯一のノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作総理は、沖縄返還を花道に退陣
し、
 田中角栄内閣が発足している。

・1998年2月、この国で2度目の開催となった、冬季オリンピック長野大会が開催された年の夏、
 参院選挙で大敗を喫してしまった橋本龍太郎総理は、その責任を取って退陣し、
 小渕恵三内閣が発足している。

そして・・・ 今回、3度あった例にならって、東京オリンピックが行われる予定だった昨年、
持病の悪化により、安倍晋三総理が退陣し、菅義偉内閣が発足した。

ジンクスは、ここまでかと思っていたら、
コロナ禍によって、オリンピックが1年先送りとなった今年、
まさか、まさか・・・ 現職の菅総理までもが退陣を表明するとは、
もはやジンクスの域を超えて、オカルト的なものがあるのではと思ってしまう。

たまたま、このタイミングで、総理の椅子に座った菅総理にしたら、
迷惑なジンクスだったかもしれないが、
自民党に人材がいないわけでもなく、既に手を上げてる次の総裁候補者も数名いて、
代わりはいくらでもいるといったら、菅総理には申し訳ないが、
メディアが菅総理ネタに浸っているのも数日だろう。

よって、来週からは・・・ メディアでは、総裁選の話題が大きなウェイトを占めるようになり、
コロナ禍で引っ張りだこだった、医療関係者の先生方の出番も少なくなり、
本業に精を出すことができると思えば、それはそれで極めてけっこうなことであり、
口座に振り込まれる出演料は、幾らか減るかもしれないが、この国にとって悪い話ではないだろう。

オリンピックと、総理の椅子に関わるジンクスには、
興味深いものがあったが、
もう一つ・・・ 総裁選に立つであろう候補予定者のなかにも、
ちょっと気になるジンクスを抱えている候補者が、一人いることにも触れておきたい。

それは、おそらく出馬表明すれば・・・ 人気ナンバーワンになるだろうと思われる候補者で、
親子三代に渡って、国権の要職に就いている、河野太郎コロナワクチン担当大臣である。

父・河野洋平氏は、衆議院議長と副総理を務めたが総理大臣の椅子に座ることはなく、
祖父・河野一郎氏は、池田勇人総理の後任が有力視されていたものの、
党内の力学によって佐藤栄作氏に破れており、

先代、先々代ともに、もう一歩のところで、総理の椅子には縁がなかった。

河野大臣は、前評判では人気ナンバーワンだが、
こればっかりは、ありがたくないジンクスではなかろうか?


当たり前のことだが、三代目となる河野太郎大臣が・・・ 仮に自民党総裁になったとしても、
巷では議席を減らすことが必至と云われている来る総選挙で、
与党で過半数を取り、勝つことが必須条件となり、
はたして、人気は本物だったのか否か・・・ その結果が分るのは、そんなに先のことではない。

さて、二度あることは三度あるのか・・・ それとも、三度目の正直か?
これもまた、ちょっと気になるジンクスではなかろうか。

そして、もう一つ・・・ こじつけ的なジンクスになるが、
初代・伊藤博文総理から第99代・菅義偉総理までの間に、

連続して首班指名を受けた総理を除き、選挙区が同県の総理が続けて指名された例は、
山口県選出の第9代・山縣有朋から第10代の伊藤博文へ繋いだ例と、
東京都選出の第39代・近衛文麿から第40代・東条英機へ繋いだ2例しかないことにも注目したい。

神奈川県選出の議員から、総理大臣が2代続くのか?
正式な出馬表明すらしてないのに、取らぬ狸の皮算用をしても、あまり意味がないが、
そういったジンクスがあることも覚えておきたい。

それにしても、現職総理の退陣表明を受けての、一部の野党トップのコメントときたら、
相も変わらずの非難と批判だから・・・ 器が小さいというか、度量がないというか、
感心できるものではなかった。


「辞めろ! 責任を取れ!」と云ってたのに、辞めたら「投げ出した。責任放棄だ。」である。

この方々には、コロナ対策に向けてワンチームで取り組もうという意志が、
欠片もないことがハッキリわかった。


コロナ対策という未曾有の国難に挑み、心労が続くなか、
休むことなく取り組んできた総理に対して、
思想信条の違いがあったとしても、労いの言葉をかけることもなく、

お隣の半島でよく使われている「川に落ちた犬は叩け!」の諺を、そのまま地で行くのだから、
彼らが、この国に半島の思想を根付かせたいことが、あからさまに露呈してしまった。

世界の先進国は、国難に立ち向かうためリーダーの下に集い、
数々の賛否があるなか、纏まって一つ一つ片付けながら前に進んだが、
この国は、リーダーの声に耳を傾けるのを止め、
メディアと野党が先頭に立って、批判と非難を繰り返し、

事態が混乱するのを見て、ほくそ笑んでいる。

私は野党という存在が・・・ 嫌いなわけではない。
ただ、天下国家の一大事に、木を見て森を見ず、
批判と非難を繰り返して、足を引っ張るだけだから・・・ 腹を立ててるだけである。

先進国のなかには・・・ 選挙のタイミングによって、リーダーが代わった国はあったが、
大失敗したわけでもないのに、メディアと野党が批判と非難の集中砲火を浴びせ続けて、
リーダーを辞職に追い込んだ国は見当たらない。

管総理の政策が、国益に反していたのなら批判すべきだし、非難も当然のことだろう。
ただ単に・・・ 能弁でなく、プレゼンテーション能力にかけていただけであり、
サポートしてくれる人材に恵まれてなかっただけのことである。

まさに、陰で支える仕事を得意とした人物が、表舞台にでてトップ立ったものの、
自らを支えてくれる人物に恵まれず、メディアと野党の集中砲火を浴び続けることになってしまった。
人には、それぞれの持ち場で受け持つ役割があるといえば・・・ それまでのことだが、
管総理は、陰で支えるタイプの人だったのかもしれない。

つらつら思うに・・・ 高いと思っていた、この国の民度は、
胸を張って、自慢するほどのレベルじゃなかったことが良く分ったのかもしれない。

小雨交じりの東京都永田町に・・・ 突然吹いた、想定外の突風
まさに、これこそが、青天の霹靂なのかもしれないが、
この国の未来が、明るい方向に向かって進んでいることだけは願ってやまない。


追伸
いまとなっては、もうどうでも良いことだが、
こうなることは、今年1月にコロナ担当大臣を任命したときから想定していたので、
世間的には青天の霹靂だったかもしれないが、
私的には・・・ 「あぁ、やっぱり。」ということで、たいして驚くようなことではなかった。

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 また、総選挙を控えて、喫緊の課題がコロナ対策だということに異論はないが、
脱コロナ後を見据えて・・・ 地方の権限のあり方(地方分権や道州制)や、
社会保障のあるべき姿(ベーシックインカム)などについても、
与野党で議論を始めてもらいたいと思っている。

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