時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

不戦の誓いに政治的主張は不要

2024年06月24日 | 時のつれづれ・水無月

多摩爺の「時のつれづれ(水無月の38)」
不戦の誓いに政治的主張は不要

昨日(23日)は、沖縄で組織的な戦闘が終結したとされる「沖縄慰霊の日」だった。
原爆が広島、長崎に落とされた8月6日と9日、そして終戦の日の8月15日は、
メディアがトップニュースで扱っているが、「沖縄慰霊の日」については、
悲惨な地上戦があったというのに、驚くほどに扱いが小さく・・・ なんともはや腹立たしい。

話題性だけにフォーカスすれば、79年前の出来事よりも、
告示されたばかりで、立候補者数やポスター問題など、なんやかんやと話題に事欠かない、
東京都知事選挙の方に注目が集まるのは、分からんでもないが、
総理が出席して行われた慰霊の式典が・・・ そんな扱いで良いのだろうか?

まっ、メディアに向けての苛立ちと皮肉は、これぐらいにしておくが、
「沖縄慰霊の日」に不戦を誓う平和宣言を発表した、
県知事の言葉に・・・ ちょっと違和感を感じたことがあったので記しておきたい。

「自衛隊の急激な配備拡張が進み、県民は強い不安を抱いてる。」と、防衛力の強化に言及すると、
「抑止力の強化が、地域の緊張を高めている。」と政府に対して注文を付けたのである。
これだけではない、先月15日の「沖縄復帰記念日」においても、
沖縄県としては「独自の地域外交の取り組みを強化、推進していく。」との言葉を残していた。

知事個人の政治的な主張や信条に、イチャモン付けるつもりはサラサラないが、
ただ・・・ 戦没者を弔い、不戦を誓う「沖縄復帰記念日」や「沖縄慰霊の日」に、
知事という立場を利用した、政治的な主張は必要だったんだろうか?

不戦を誓い、平和を求めることは、
沖縄県民のみならず、この国に暮らす国民にとっても共通する思いであり、大きな願いでもあるが、
一方で政治は、それを実現する手段であって、
現実主義でないと・・・ 拙いんじゃなかろうか?

そう捉えれば「沖縄復帰記念日」や「沖縄慰霊の日」は、思いや願いを共有する場であって、
為政者が発するコメントは、高いレベルで価値観を認め合い、共有できるものでなければ、
いつまで経っても、手段を巡る対立が延々と続き、負のスパイラルから抜け出せないだろう。

沖縄県知事は、私の思考の対極に居るような方だが、
県民から選ばれた知事であり、政治的な主張と政治スタンスは尊重せねばならないと思うものの、
それはあくまでも・・・ 議会や選挙などの政治活動の場であって、
毎年のように戦没者を悼み、不戦の誓いを確認する場に、それを主張する必要はないだろう。

念押ししておくと、県民の投票によって選ばれた知事の、
政治的な主張や、政治スタンスに・・・ イチャモン付けてるのではない。
慰霊の場は、不戦を誓う目的の場であって、
手段を実行するような、政治の場ではないと思うが・・・ 間違っているだろうか?

話せば分かる国が相手なら、誰しもが知事の発言に同意するだろうが、
対峙する相手は・・・ 話せば分かる国なんだろうか?
プランAが崩れたとき、プランBやプランCを、それから考えるのであれば、
交渉のテーブルに就く前から・・・ 外交での勝ち目はなくなっている。 

知事は、地域の緊張を高めると批判して、抑止力の強化に真っ向から反対し、
独自の地域外交を展開すると、主張されているようだが、
いままでに、どのような独自外交を展開して、どのような成果を出してきたのだろうか?
残念ながら・・・ それを見つけることができない。

沖縄のことは、沖縄が決めれば良いと思うので、
ぐだぐだ言うのは、もう止めておくが、
独自に行う地域外交が、朝貢外交でないことを願ってやまない。

老婆心ながら、ちょっと気になったもんで・・・ 講釈を垂れたが、
本文はあくまでも個人的な思いであって、
コメントを頂戴しても、議論するつもりはないので、ご理解いただければありがたい。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
« 5日遅れの父の日 | トップ | 京都の土産 こたべ(おたべ) »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
同感 (手賀沼日記)
2024-06-24 10:25:01
沖縄知事発言に対するご意見、同感です。私もそのように思います。
返信する
Unknown (多摩爺)
2024-06-24 12:49:48
手賀沼日記さん、こんにちは

共感していただき、ありがとうございました。
難しい問題がありますが、政治はどこまで行っても手段であり、現実主義でなければならないと思っています。
返信する

コメントを投稿

時のつれづれ・水無月」カテゴリの最新記事