人生という科目の教科書

多摩爺の「スポーツ観戦（その２２）」
人生という科目の教科書　（東京２０２０・パラリンピック）

勝者と敗者が、はっきりと分かれてしまうスポーツは、
ある意味では残酷な一面がある。
ましてや、努力したからといっても、皆がみな報われるわけではない。
とはいえ、努力した者たちの姿には、鬼気せまる迫力とともに、神々しく輝く美しさがあった。

自分が望んだわけでもないのに、体のどこかに不自由を持って生まれ、
自分が望んだわけでもないのに、体のどこかに不自由を抱えてしまったアスリートたちが、
自らの宿命と向き合いながら・・・　心と体を強く鍛え、
２０２１年夏の盛り、この国（東京）に集ってきた。

東京２０２０「パラリンピック大会」
それは・・・　学校などではけっして教えてくれることのない、
人としての生き方を学ぶ、学びの場でもあった。

パラアスリートたちの、体の不自由を感じさせない迫力と、自己の限界に取り組む姿勢は、
その結果がどうであれ・・・　「アッパレ！」に尽きる。

デルタ株の猛威をうけ、緊急事態宣言下で行われた東京２０２０「パラリンピック大会」
小学生の学びの場として、見学させることには賛否があって、
自治体によってその対応は分かれとしまったが、
できることなら・・・　一生忘れることのない感動の記憶として、
子供たちの心に刻んでおきたかった。

オリンピックと比較する必要はないが、
民放の扱い（放映時間）には、いささか不満が残る。

それでも東京開催でなければ、ほとんど見ることもなかったのだから、
とっても素晴らしいスポーツを・・・　観戦できる機会に恵まれたことを嬉しく思う。

戦いを終え、インタビューを受けたパラアスリートたちが、
ゆっくりと、本当にゆっくりと時間をかけて、
絞り出すように・・・　言葉の一つひとつを紡ぎながら語ってくれた。

この場に立つまでの、長くて厳しかった振り返りが、
健常者の私には、思いも付かない名言の数々で・・・　心に刺さった。

メダルの有無に関わらず、自己ベストの更新に挑み、
直向きに前を向き・・・　ひたすら頑張って堪える姿に触れるたび、
障がい者のスポーツ大会にあった、人の頭のなかに住み続けて久しい、
目に見えない垣根は低くなり続け、
分け隔てなくスポーツを楽しむ・・・　ごく普通の大会へ変化していくだろう。

「失われたものを数えるな、残されたものを最大限に生かせ！」
これは、パラリンピックの父と呼ばれる、
ドイツ人医師ルートヴィヒ・グットマン博士が残した言葉だが、
その意図するものを、ひと言で云うなら・・・　それは「気づき」ではなかろうか？

東京２０２０パラリンピック大会
それは家族とともに、テレビの前に座って、人生という科目の教科書を捲りながら、
「多様性と調和」を学び、「未来への継承」を誓う
オンラインライブの・・・　家庭学習の場であったと思う。

数々の感動を心に刻み、
新型コロナウイルスという、見えない敵と闘いながら、
５７年ぶりに、この国で開催されたスポーツの祭典が閉幕した。

やって良かった。
本当に、やって良かった。

献身的に運営の隅々にまで目を配り、そして気を配り、誰かが見ていようと見てなかろうと、
日本人らしく・・・　サポートし続けていただいた方々にも感謝したい。
陰の人に徹し、惜しむことなく汗を流してくれた、
おもてなしのメダリストが、数多いたことを・・・　けっして忘れることはないだろう。

ありがとう。
そして、お疲れ様でした。

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東京パラリンピック　（８月２５日～９月５日）

［　金メダル　］　１３個

　１．８月２６日　競泳　男子平泳ぎ１００メートル（運動機能障がいＳ４）　　　　　鈴木孝幸
　２．８月２７日　陸上　男子４００メートル（車いすＴ５２）　　　　　　　　　　　佐藤友祈
　３．８月２９日　競泳　男子平泳ぎ１００メートル（知的障がい）　　　　　　　　　山口尚秀
　４．　　〃　　　陸上　男子１５００メートル（車いすＴ５２）　　　　　　　　　　佐藤友祈
　５．８月３１日　自転車　女子ロードタイムトライアル（運動機能障がいＣ１～３）　杉浦佳子
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　６．９月　１日　ボッチャ　個人（脳性まひＢＣ２）　　　　　　　　　　　　　　　杉村英孝
　７．９月　３日　自転車　女子ロードレース（運動機能障がいＣ１～３）　　　　　　杉浦佳子
　８．　　〃　　　競泳　男子バタフライ１００メートル（視覚障がいＳ１１）　　　　木村敬一
　９．９月　４日　バドミントン　女子シングルス（車いすＷＨ１）　　　　　　　　　里見紗李奈
１０．　　〃　　　車いすテニス　男子シングルス　　　　　　　　　　　　　　　　　国枝慎吾
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１１．９月　５日　バドミントン　男子シングルス（車いすＷＨ２）　　　　　　　　　梶原大暉
１２．　　〃　　　陸上　女子マラソン（視覚障がいＴ１２）　　　　　　　　　　　　道下美里
１３．　　〃　　　バドミントン　女子ダブルス（車いすＷＨ）　　　　　　　　　　　山崎悠麻、里見紗李奈

［　銀メダル　］　１５個

　１．８月２５日　競泳　女子背泳ぎ１００メートル（運動機能障がいＳ２）　　　　　山田美幸
　２．８月２６日　競泳　男子自由形４００メートル（視覚障がいＳ１１）　　　　　　富田宇宙
　３．８月２７日　陸上　男子５０００メートル（視覚障がいＴ１１）　　　　　　　　唐沢剣也
　４．８月２８日　トライアスロン　男子（運動機能障がいＰＴＳ４）　　　　　　　　宇田秀生
　５．８月３０日　競泳　男子自由形２００メートル（運動機能障がいＳ４）　　　　　鈴木孝幸
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　６．８月３１日　陸上　男子１５００メートル（視覚障がいＴ１１）　　　　　　　　和田伸也
　７．９月　１日　競泳　男子平泳ぎ１００メートル（視覚障がいＳ１１）　　　　　　木村敬一
　８．９月　２日　競泳　女子背泳ぎ５０メートル（運動機能障がいＳ２）　　　　　　山田美幸
　９．　　〃　　　競泳　男子自由形５０メートル（運動機能障がいＳ４）　　　　　　鈴木孝幸
１０．９月　３日　陸上　男子１００メートル（車いすＴ５２）　　　　　　　　　　　大矢勇気
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１１．　　〃　　　競泳　男子バタフライ１００メートル（視覚障がいＳ１１）　　　　富田宇宙
１２．　　〃　　　車いすテニス　女子シングルス　　　　　　　　　　　　　　　　　上地結衣
１３．９月　４日　バドミントン　女子シングルス（上肢障がいＳＵ５）　　　　　　　鈴木亜弥子
１４．　　〃　　　ボッチャ　男女共通ペア（脳性まひ・運動機能障がいＢＣ３）　　　日本代表チーム
１５．９月　５日　車いすバスケットボール　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　日本代表チーム

［　銅メダル　］　２３個

　１．８月２５日　競泳　男子平泳ぎ５０メートル（運動機能障がいＳＢ３）　　　　　鈴木孝幸
　２．８月２７日　陸上　男子５０００メートル（視覚障がいＴ１１）　　　　　　　　和田伸也
　３．　　〃　　　柔道　男子６６キロ（視覚障がい）　　　　　　　　　　　　　　　瀬戸勇次郎
　４．　　〃　　　陸上　男子４００メートル（車いすＴ５２）　　　　　　　　　　　上与那原寛和
　５．８月２８日　トライアスロン　男子（視覚障がい）　　　　　　　　　　　　　　米岡聡
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　６．　　〃　　　卓球　女子（知的障がい）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　伊藤慎紀
　７．　　〃　　　競泳　男子１５０メートル個人メドレー（運動機能障がいＳＭ４）　鈴木孝幸
　８．８月２９日　車いすラグビー　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　日本代表チーム
　９．　　〃　　　柔道　女子７０キロ（視覚障がい）　　　　　　　　　　　　　　　小川和沙
１０．　　〃　　　陸上　男子１５００メートル（車いすＴ５２）　　　　　　　　　　上与那原寛和
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１１．８月３０日　競泳　男子２００メートル（個人メドレー視覚障がいＳ１１）　　　富田宇宙
１２．９月　１日　車いすテニス　男女共通ダブルス（上下肢障がい）　　　　　　　　諸石光照、菅野浩二
１３．９月　３日　ゴールボール　女子　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　日本代表チーム
１４．　　〃　　　陸上　混合４００メートルリレー　　　　　　　　　　　　　　　　日本代表チーム
１５．９月　４日　ボッチャ　団体（脳性まひＢＣ１・２）　　　　　　　　　　　　　日本代表チーム
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１６．　　〃　　　車いすテニス　女子ダブルス　　　　　　　　　　　　　　　　　　上地結衣、大谷桃子
１７．　　〃　　　バドミントン　女子シングルス（上肢障がいＳＵ５）　　　　　　　杉野明子
１８．　　〃　　　バドミントン　女子シングルス（車いすＷＨ２）　　　　　　　　　山崎悠麻
１９．　　〃　　　バドミントン　女子ダブルス（下肢障がいＳＬ・上肢障がいＳＵ）　伊藤則子、鈴木亜弥子
２０．９月　５日　陸上　男子マラソン（視覚障がいＴ１１・１２）　　　　　　　　　堀越信司
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２１．　　〃　　　陸上　男子マラソン（上肢障がいＴ４６）　　　　　　　　　　　　永田務
２２．　　〃　　　バドミントン　男子ダブルス（車いすＷＨ）　　　　　　　　　　　梶原大暉、村山浩
２３．　　〃　　　バドミントン　混合ダブルス（下肢障がいＳＬ・上肢障がいＳＵ）　藤原大輔、杉野明子