時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

ワクチン担当大臣

2021年01月19日 | 時のつれづれ・睦月 

多摩爺の「時のつれづれ(睦月の11)」
ワクチン担当大臣

1月18日、待ちに待ったというか、待ちくたびれた通常国会がやっと開かれた。
総理は、2月下旬から始めるとする、
新型コロナウイルスワクチンの接種を円滑に行うため、
規制改革担当大臣を兼務させて、厚生労働省や総務省に各自治体を交えて、
調整に当たらせると発表した。

「それって・・・ 厚生労働省の本来業務じゃないの?」って、思いもしたが、
よくよく考えてみれば、厚生労働大臣に調整する能力がないんじゃなくて、
現下の緊急事態を踏まえれば、厚生労働大臣に求められている業務量と、
待ったなしの判断はハンパなく、新たな業務の調整を担う、
時間も余力も残ってないということがよく分かる。

緊急事態ゆえに、全集中の総力戦で臨むのは・・・ 当然だろう。
分業制も、朝令暮改もなんでもありで、
結果が全てだと捉えると、有事においては極めて真っ当な判断だと思う。


おそらく今日以降のワイドショーでは、国難に対応するために、
主管でもない大臣が、兼務して対応すれば、

現場は混乱を招くだけだと・・・ 批判と非難の集中砲火を浴びせてくるだろう。

それが仕事と言えばそれまでだが、なんでもイチャモン付ければ良いというものではない。
省庁内で多くのルーチンワークを持ち、線や面の組織で仕事をする主管大臣ではなく、
所掌範囲が限定され、ピンポイントで特命事項を担当する大臣だからこそ、
こういった業務を任せられるのであって、

これにイチャモン付けてたら・・・ 時間はいくらあっても足りない。

昨春の、特別定額給付金を思い出してほしい。
それぞれの自治体に任せたことから、10万円を要るか要らないかの確認して、
振り込みまでに約3カ月もかかっている。


今度は、そこに医師や看護師が絡んでくるし、
接種する大規模な場所も、ある程度の日数で確保せねばならないし、

接種をするかしないかの確認に加えて、接種後の副反応対策も必要になってくる。

総理は、2月下旬からワクチン接種を始めたいと言ってるのに、
各自治体に任せて、特別定額給付金の二の舞にでもなったら・・・ 接種の開始が夏になってしまう。
だから・・・ 特命事項を担当する大臣の、突破力に期待したのではなかろうか?

あくまでも、個人的な推測で恐縮だが、総理は自ら総選挙に打って出る可能性は少ないと思っている。
2月下旬から始めようとするワクチン接種に、コロナ対策の全てを賭け、
それが無事に終わったら、コロナ対策で混乱を招いた責任を取って辞任を表明し、
後進に道を譲ると思っており、
その後任一番手が、
今回、ワクチン担当を指名された、規制改革担当大臣なんじゃかろうか?


叩き上げから、一国の宰相まで上り詰めた苦労人が・・・ 名を捨てて、実を取る。
総理をあまり持ちあげ過ぎていると、お叱りを受けるかもしれないが、
苦労人宰相の頭の中には、そんな壮大なドラマが描かれていると思うが・・・ どうだろうか?

もはや、いつまでも「緊急事態宣言が遅すぎた。」などと、世論調査で執拗に問いかけ続け、
死んだ子の年を数える暇など・・・ ないはずである。
ましてや、野党第一党の幹部のように、国会が開かれる前から、総理の演説原稿をSNSにアップし、
「思いを込めた話し方ができるのか?」などと揶揄する暇など・・・ あろうはずがない。

いま求められてることを、確実にやり抜くこと・・・ 簡単にみえるが、実はそれが難しい。
そこには、お国の組織の縦割りも有れば、地方には地方のやり方もあって、
タテにもヨコにも同床異夢が生じており、

なにかをやろうとすると、必要以上に時間が掛かってしまう。
大変に残念だが・・・ これが、この国の現下の統治機構である。

ワクチン担当大臣
肩書から受けるイメージは、ちょっとばかり軽いような気がしないでもないが、
コロナ対策に向けての・・・ 真打登場だと期待したい。


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