時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
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ROCって、なんなんだ?

2022年02月12日 | スポーツ観戦

多摩爺の「スポーツ観戦(その29)」
ROCって、なんなんだ?(北京2022)

「東京2020」のときから、なんとなく違和感があったんだが、
ROCって・・・ いったい、なんなんだ?

2014年のソチ五輪で、ロシアに組織的なドーピングがあったことを踏まえ、
ロシアは2022年12月まで、オリンピックや世界選手権等の主要国際大会から除外されるという、
極めて重たい制裁を受けていることまでは・・・ 私でも知っている。

とはいうものの・・・ 不正に関与していないことなど潔白が証明できれば、
個人の資格であれば、ユニフォームや表彰式で、ロシア国旗・国歌を使用しないとの制約で、
ロシア・オリンピック委員会(ROC)の選手として出場できるというから・・・ ややこしい。
さらに個人資格なのに、団体競技にも出場できるというから、もっとややこしい。

個人がなん人か集まって団体となり、チームとなり・・・ そして、組織となって国家になる。
そこに国旗や国歌がなかったとしても、出場するアスリートにはなんら不都合はない。

ないのは国旗や国歌という、国家に関わるメンツだけだが、
ロシアはメダルを取った選手には、トップ自らが平然と報奨金を出すというのだから、
この程度の制裁で、ドーピングに歯止めがかかるとは思えない。

さらに冬季オリンピック大会では、寒さ対策もあってメダルの授与は、
日を改め、場所を改めて行われ、そのほとんどは世界に向けて配信されないのだから、
なんの影響もないし・・・ 制裁が機能しているとも思えない。
むしろロシア連邦は、オリンピックのときだけRUSじゃなくROCなんだと
勘違いしてる人がいたって、不思議ではなくなっているぐらいだ。

百歩譲って、個人の資格までは認めたとしても、
団体戦やチーム戦は、明らかにROC(ロシア・オリンピック委員会)の代表ということであり、
RUS(ロシア連邦)代表ではないものの、実質的にはロシア代表なんだから、
これを個人資格と言っちゃダメだと思うが、OKなんだから・・・ もう、わけが分らない。

さらに国家として出場できないはずなのに、中国に招待されたかどうかしらないが、
国家元首である大統領が、開会式に堂々と駆けつけるんだから、
わけが分らないどころか・・・ もう、めちゃくちゃである。

そして・・・ ここにきて、フィギュアスケート女子選手が、
団体優勝を決めた翌日に、ドーピング疑惑が発生し、数日後にはそうだと認定されてしまった。

だれ一人として、彼女にたちうちできない選手だということから、
絶望とのニックネームを持つ選手が、ドーピングなどするはずがないと思いもするが、
ドーピングだと、一度認定された判定は・・・ 残念ながら覆ることはない。

ロシアサイドは、12月に行われた国内大会で採取された検体が、
約2ヶ月経って明らかにされることに疑念があるとし、オリンピックの期間とは無関係であり、
団体で取ったメダルの正当性と、個人競技への出場は可能だと声明を発表した。

これに対して、IOCは・・・ 本件を国際スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴するとして、
論理的にロシアを追い詰めるが、約2ヶ月前のことを盾にして、ロシアが開き直るのは必至であり、
落としどころを見つけるのに・・・ 相当、難儀するのではなかろうか?

15歳の少女が、こういった事態に巻き込まれてしまったことは、
とっても残念なことだと思うし、気の毒だと思う。

もっと突っ込んで言えば・・・ 彼女が積極的に関与していたとも思えないし、
確たる証拠があるわけではないが、彼女の周辺で、彼女を巧みに使って報酬を得ていた、
表舞台には、けっして名前がでてこない人々の仕業なんじゃないかと思っている。

とはいえ、これで団体のメダルが認められ、個人競技に出場できたら、
ドーピング検査ってなんなのとなってしまうことから、
可哀想だと思うが・・・ 団体メダルと、個人資格での出場は剥奪しなきゃ、
IOCとドーピング検査を管轄する国際検査機関(ITA)の存続すら危うくなってしまうだろう。

そもそも、ROC(ロシア・オリンピック委員会)って・・・ なんなんだ?
いまとなってはドーピング騒動で、その名を下げてしまったRUS(ロシア連邦)にとって、
都合の良い隠れ蓑になっていると思うが・・・ 間違っているだろうか?

国家ぐるみでドーピングをやっていた国であって、制裁を受けていた国であって、
例えは適切でないかもしれないが、勝つためには、なんでもありの国であることが判明した以上、
少なくとも団体競技や、サッカーワールドカップなどのチーム競技への出場を不可にするなど、
やりすぎとの批判があるぐらい、厳しい措置を執らなければ・・・ なにも変わることはないだろう。

追伸
競技が行われる前日の午後、国際スポーツ仲裁裁判所(CAS)は、同選手の出場について
「彼女は16歳未満であり、世界反ドーピング機関の保護対象者であり、
 出場を阻めば、取り返しのつかない損害を及ぼす。」として出場を認めたものの、
出場を認めただけであって、団体競技のメダルについての判断は、我々にはないとの見解を示した。


権威のある機関の見解に、素人がどうのこうのと言うつもりはないが、
もし、北京大会でなく、他国で有観客で行われていても・・・ 同じ判断を下していただろうか?
ひょっとしたら大ブーイングのなかで、15歳の少女が演技をせねばならなかったかもしれず、
それはそれで取り返しがつかないダメージを負っていたかもしれない。

競技前日であり、限られた時間で下された判断だったことから、出場は致し方ないとしても、
ドーピングで陽性だったという事実を、いまさらなかったことにはできないことから、
採点は参考記録として、メダルの対象外として順位はつけないことが、
落としどころかな・・・・ なんて思ったりしてるが、どんなもんだろうか?


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10 コメント

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オリンピックなんだろうか? (yamaguti2520)
2022-02-12 06:53:31
そのとうりです!ここまで行くとオリンピックってなんだろうか?スポーツ祭典平和の祭典なんだか白けてくるのですが!一生懸命やっている選手には申し訳ないのですが、特に今回の北京オリンピックは嫌なムード漂っていますね!もうそろそろオリンピックなんかやめた方が良いのかもしれませんね!
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Unknown (多摩爺)
2022-02-12 09:42:17
yamaguti2520さん、おはようございます。

スポーツにお金がかかることは理解してますので、商業主義が批判されてますが、
スポンサーがつかなきゃ、テレビ放映もありませんから、こればっかりは容認せざる得ません。
いくら、きれい事言っても、改革は無理なぐらい政治都合で動かざる得なく、肥大化しすぎています。
とはいえ・・・ ドーピングは別問題だと思いますので、厳しくすべきだと思いますし、
競技のたびに審議が入り、失格者が出てくる競技などは見直すタイミングにあるのかもしれないと思っています。
平和の祭典と言いつつも、人権侵害があったり、他国に侵攻したりしてるわけですから、
IOCがしっかりしなきゃだめなんですが、接待漬けでご満悦の顔が放映されてるわけですから、改革なんて無理でしょう。
残念ですが、大きくなりすぎた組織は、新たな組織に取って代わられないと、改革するのは無理だと思います。
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そうです。 (アリス)
2022-02-12 12:51:43
初めてコメントをお許しください。
いつも興味深い内容ですから沈黙で拝読しております。

話題が豊富で実に興味深いと思っております。
このIOCだかオリンピックだかはインチキ集団です。

カネの亡者(白人至上主義)が権力を行使して
世界の国をバカにしてるんですから意味がない。

毎年、世界大会はあるんですから4年に一度は廃止
しても全く問題がないと思います。
そろそろ商業イベントはなくした方が良いと思います。
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Unknown (多摩爺)
2022-02-12 13:45:23
アリスさん、コメントを頂戴しありがとうございました。
思いは人それぞれですから、そういったご意見があることも承知していますし、否定するつもりはありません。
ただ、個人的には4年に一度のスポーツイベントは面白いし、楽しみだし、
テレビ画面の前で、歓びを分かち合うことは、心を豊かにしてくれると思っています。

さらに、オリンピックを目標にしているアスリートたちのためにも、そのアスリートを目標にする若者のためにも、
オリンピックは、あったほうが良いというのが私の思いです。
スポーツだろうと、エンターテインメントだろうと、イベントにお金はかかるし、スポンサーなしでできるものでもないし、
メリットがなければ、スポンサーも付かないので、どこで線引きすれば良いのかは、とっても難しい問題で、
開催した場合の損益分岐点と、国民の満足度が、どこに設定されていて、実態はどうだったのか?できれば知りたいとも思っています。

アリスさんの思いに同調できなくて、申し訳ございませんが・・・ ご容赦ください。
なお、返信は不要ですので、宜しくお願いします。
ありがとうございました。
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Unknown (力丸ママ)
2022-02-12 16:20:32
ロシアってドーピングまみれって言われても仕方ないでしょう。
出場に関して緩すぎます。
これではいつまでたっても変わらないでしょう。
そのたびにいやな思いになります。
もっときびしくするって当然だと思います。
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Unknown (多摩爺)
2022-02-12 16:52:17
力丸ママさん、こんにちは

仰るとおりで、国旗と国歌以外はなんでもOKだったら、制裁にもなんにもなりません。
国威発揚を掲げてオリンピックを招致した中国も、審議と失格を繰り返してメダルを得てますから、似たようなものです。
もはや残念どころの話じゃなく、情けないにも程がありますね。
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Unknown (桂蓮)
2022-02-14 16:23:05
私のロシア人のバレエ先生曰く、
フィギュアスケート世界ではいかなるドラッグも効き目が無い、と言っていました。
中国での不祥事をみていると、背景に何があったのか
分からないですね。
よって、私は記事やトッピング問題を読まないようにしてます。
第一、薬が瞬間的に心臓機能を助けたとして
それが実力となんの関係が無いですからね。

私はトッピング問題にその問題があると思っています。
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Unknown (多摩爺)
2022-02-14 19:21:16
桂蓮さん、コメントを頂戴しありがとうございました。

結果的にCASの判断は、15歳の少女にとって取り返しがつかないことになるとして、オリンピックの出場は認められましたが、
北京じゃなく、観衆が入っていたら、大ブーイングになっているでしょうし、15歳の少女にはそちらのほうが辛いと思います。
個人的に出場は可能であっても、参考記録としてメダルの対象から除外しないと、なんでもありになってしまいます。
思いは人それぞれなので、むずかして問題ですが、ドーピングで陽性だったという事実は返ることができません。
この件は、ジャンプのスーツ問題より深刻なので、しばらくは揉めるでしょう。
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Unknown (桂蓮アップルバウム)
2022-02-23 08:54:45
そう、おっしゃるとおりに展開しましたね。
話題に挙がった時にコメントしましたが、
オリンピックが終わってからも
未だに揉めていますね。

個人的には、私のバレエ先生がロシア人であることと
先生からロシア事情を聞かせてもらっているから
どうしてもかたを持つようになりますね。

特にビャリエビャValievaは
基本技にバレエが定着しているので、
つい、感動してしまいますしね。

私の経験からですが、
フィギュアスケート世界では、薬で好転することはまずないと思います。
だけど、コーチが飲ませた可能性もあるし、
そうでなかったとしても
200倍以上の数値が出たのに、
オリンピック出場を許可した委員会に問題があったと思います。
いくら12月の結果といえ、反応が出たのに
出場させたことに問題があるでしょうね。

無礼なコメントにも関わらず
丁寧にお返事頂き、恐縮です。
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Unknown (多摩爺)
2022-02-23 09:36:31
桂蓮さま、こんにちは

思いは人それぞれですから、私はいろんな考えがあることを否定するつもりはありません。
私こそ、深入りしすぎたかなと心配してました。
今後とも宜しくお願いします。
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