昨夕、野党第一党・立憲民主党の代表が記者会見を行い、
国会終盤の風物詩だった、野党による内閣不信任案の提出が、
今国会では見送られると発表した。
その主たる理由は、日米がつばぜり合いを続け、大詰めに来ている関税交渉と、
すでに空爆が本格化し、戦火の渦中にある中東危機を捉え、
政治空白を作ることは国益に反し、あってはならないと判断し、
政府の足を引っ張るより、尻を叩くとの思いから決断をしたとのことだった。
この決断は・・・ 苦渋の決断だったのか、それとも賢明な決断だったのか、
法案が提出される衆議院では、与野党の議席が逆転しているだけに、
全野党の賛同があれば、内閣不信任案が可決される可能性があっただけに、
弱腰だと責める古参議員もいるようだが・・・ 賢明な決断だったんじゃなかろうか?
裏、裏、裏と連呼し、
裏金のことを喋っていれば勝つことが出来た昨秋の総選挙から、すでに8ヶ月が経ち、
飛ぶ鳥を落とす勢いだった絶好調の野党が、参院選の候補者で墓穴を掘ってしまい、
なんとなくだが・・・ 風向きが変わってきている。
とはいえ・・・ 政権与党の支持率は、相も変わらず低空飛行が続くなか、
起死回生とまではいかないものの、先月末に任命された農水大臣のアイデアと行動力で、
備蓄米の放出が評価され、支持率がちょっぴり上向いたこともあり、
不信任案が提出されれば採決を待たず、衆参のダブル総選挙にまっしぐらだったらしい。
だからといって・・・ ダブル選挙をやったとしても、そんなに勝てるとは思えないし、
現有議席よりは、少しだけ伸ばせそうなぐらいだと思うものの、
ただ・・・ それは即、少数与党が過半数の議席を取り戻すことであって、
いまある国会内の景色が、一変することを意味している。
よって、内閣不信任案を提出すると、政治空白を作り国益に反すると述べたことは、
極めて常識的な判断基準であり、賢明な決断だったと思うが、
一方で・・・ 昨秋、与党の敵失で得た議席数が、目減りすることを踏まえれば、
状況を俯瞰した極めて現実的な判断基準であり、苦渋の決断であったと思う。
昨秋の総選挙では、裏、裏、裏と連呼するだけで・・・ 与党を過半数割れに追い込み、
直後に召集された国会の初っぱなでは、首班指名で野党政権の誕生を目論んで、
野党各党を説得して回ったにも拘らず、随分とお利口さんになったようで、
変われば変わるものだと・・・ 驚きを隠せない。
おそらくここまでは、与野党ともに筋書き通りなのかもしれないが、
来月予定されている参院選挙において、仮に野党が議席を伸ばしたとしても、
与党を過半数割れにしない限り、目玉公約の消費税減税が一気に尻すぼみとなり、
今度は政権与党が主導で、解散総選挙があるかもと思ったりしている。
まっ、それはそれとして・・・ 今回の内閣不信任案の見送りが、
参院選挙を含めて、野党にとって吉と出るかどうかはわからないにも拘らず、
党利党略よりも、国益を判断基準として、政権の尻を叩こうという姿勢は、
評価に値すると思うが・・・ 如何なものだろうか?
追伸
gooブログの終了に当たって、すでに新たなブログを立ち上げリスタートしているが、
終了までは、gooブログと新ブログの双方にダブルで投稿しようと思っており、
勝手で申し訳ないが・・・ 応援していただければありがたい。
リスタートした新ブログ → 「時のつれづれ(北多摩のじいさん)」
解散権は総理の専権事項なのに、野党が握っているような雰囲気になっていましたが、
それに気づいて、さすがに拙いと思ったのでしょう。
いまは風向きが少し変わったような気がしています。
都議選がどうなるのか、それによって参院選も見えてくるでしょう。