時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

死んだ子の年を数える。

2021年05月08日 | 時のつれづれ・皐月 

多摩爺の「時のつれづれ(皐月の17)」
死んだ子の年を数える。

この国のメディアは・・・ よほど、死んだ子の年を数えるのが好きなようだ。
あくまでも例えの話だが、表現が適切でないかもしれないので、
事前に他意がないことだけは言っておきたい。

昨夜、総理が記者会見を行い、4都府県に出されていた緊急事態宣言を、
今月末まで延長するとともに、新たに愛知県と福岡県にも発出するとした。

先月25日から、来週11日までの17日に、短期集中で人流を抑制するということで発令した
3度目の伝家の宝刀だったが、新規の感染者は減ることなく、結果が出てないことに対して、
そもそも、短期集中での対策は無理だったのでは・・・ ?
また、対策は失敗したのでは・・・ ?といった、
責任を問うような質問から、緊迫の質疑応答が始まった。

結果だけに注視すれば、確かにそのとおりかもしれない。
とはいえ・・・ この期に及んで「野暮なことは聞くなよ。」ではなかろうか?
お金をばら撒いて、長期間の休業要請をしたら良かったとでも、総理の口から言わせたかったのなら、
この国のメディアの常識は・・・ 国民の感覚から大きく乖離している。

現行の法律で出来得る限りの対策を打ったが、
悲しいかな、聞く耳を持たないバカ者が多かったのである。

だから、結果がともなわなかったのであり、だから、次の対策を打つのである。
記者たちは、自らが繰り出す厳しい質問に対して、
回答に窮する総理を放映して、溜飲を下げたかったのだろうか?
大変申し訳ないが・・・ 死んだ子の年を数えても、生き返ることはない。

朝夕のニュースやワイドショーで「気を付けましょう。」と呼びかける、
アナウンサーやMCは若干名いるが、
積極的に自粛を促し、自らの行動が他人に迷惑をかけることになると、
毎日呼びかけているアナウンサーやMCは、
首都圏で夕方放映されるニュース番組では、一人(N放送局のFアナ)ぐらいしか思い浮かばない。

彼は死んだ子の年を数えることなく、
今日明日の行動が10日後につながると、毎日呼びかけているが、
他局のアナウンサーや、ワイドショーのMCは、結果が出ないことに対して、
責任を問い、あげ足を取り、勝ち誇ったかのように持論の展開に終始している。

最近では、左派系のメディアのみならず、
医療従事者までもが、ロックダウンに近いことを口走るようになっている。

申し訳ないが、あなた方が支持したい政党は、
飲食店への過料(軽い行政罰)
にすら反対したではないか。
どの口で、もっと重たい対策を打てというのだろうか・・・ 開いた口が塞がらない。
この国の法律では、できることと、できないことがあり、
できないことをやれというのは筋が通らない。

ワクチン接種の効果が表れ始め、長期間に渡って行われたロックダウンを、
順次解除し始めてるイギリスでは、約6600万人の人口で、
いまなお日々2000名程度の新規感染者が出ている。

一方で、連休明けからワクチン接種を本格化させた我が国は、約1億2000万人の人口で、
日々の新規感染者は約5000名程度だから、
ワクチン接種が進んだイギリスと比較しても、比率では大差ない。

注目しなきゃならないのは、日々の感染率が変わらないということではなく、
ワクチン接種が進み、結果が出てこの状況のイギリスと、
ワクチン接種がこれから本格化する我が国を並べてみて、
どちらの方が、明るい未来に繋がる、新たな武器を携えているのかということである。

変異種の猛威は、確かに怖いが・・・ 恐れているばかりでは事態は進展しない。
ワクチン接種というゲームチェンジャーが機能すれば、
新規感染者も、重症者数も、医療の逼迫も治まることが、あと1~2ヶ月先には、
ハッキリと見えてきているのに、この期に及んで死んだ子の年を数えて、
政策が失敗だったと詰めることに、さほど意味があるとは思えない。

つい最近、欧州の工場から出荷されるワクチンの40%が日本向けであり、
既に承認したとEUは発表している。

先に述べたイギリスと比較したり、インドやブラジルなど他国の現状を踏まえて物申すには、
いささか気が引けるものの、我が国政府の、交渉力は群を抜いていると思うが間違っているだろうか?

緊急事態宣言を発出したんだから、その結果についてキチンと分析して、報告をすべきである。
そこについては否定しないが・・・ いまは、死んだ子の年を数えるより、
手に入れたワクチンをどうやって、いつまでに接種するのか、
それを託された医師会や看護協会から明快な返答がほしい。

そして、それが・・・ オリンピックのスケジュールとどう絡むのか?
医療逼迫という危機が目前に迫り、ネガティブな情報だけに注目がいってるが、
そこに、ワクチン接種計画という、ポジティブな情報を出さないのは、
医師会や看護協会の怠慢ではなかろうか?

東京都の緊急事態宣言を解除するには、新規感染者が二桁にならなきゃ無理だと、
医師会の幹部は平然と言うが、それを達成するため、アバウトな体制については言及するものの、
いつから、どこどこでは、何名ぐらいずつ接種できるようになるとは、一言も発していない。

緊急事態宣言の解除基準となる、具体的な数値目標を求める声も大きい。
とはいえ・・・ 自分の住んでる町では、いつ頃から、何人ずつぐらいのスピードで接種が進むのか?
それが分かれば、予約がなかなか取れなくても苛立つこともないし、
取れたら取れたで、先のスケジュールが立てられるし、なにより心の平安が保てる。

新規感染者が、なん人になったら、
緊急事態宣言を解除するといった目標値が、必要ないとは言わないが、
併せて、ワクチン接種が、いまどれぐらい進んでるといった情報も提供してくれたら、
我慢のし甲斐もあると思うが・・・ どうだろう?

ワクチンの供給量が見えて来たんだから、
今度は医師会サイドがそれを云わないと不安は解消できない。

医師会が、言質を取られるのが嫌なのはわかるが・・・ ちょっと、ズルいんじゃなかろうか。
メディアは、死んだ子の年を数えるより、これを問題にすべきだと思うが、間違っているだろうか?
そうならないと・・・ ホントに、夢も希望もなくなってしまうんじゃなかろうか?

批判は、いくらあっても良いと思うが・・・ 為政者が、なにもしなかったわけではない。
そう捉えれば、ニヒルな笑いを浮かべ、失敗を皮肉るだけの、悪趣味な人間にはなりたくはない。
もがきながら、脂汗を掻きながら、
一歩でも、半歩でも前に進めることに期待したいと願ってやまない。


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2 コメント

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お初です(^^)/ (ダム)
2021-05-08 11:31:22
多摩のご隠居さま。初めてコメントさせていただきます。
僕も個人としては、菅さんは尽力されているものと考えています。
マスコミの姿勢は仰る通りです。僕は普段、コロナ関連の報道は、大河ドラマを放映している局がもっぱらとなっています。
ウイルスを排除とするというよりも、ウイルスと共存していくことを考える方が、より建設的かなぁとも思ってマス。
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Unknown (多摩爺)
2021-05-08 11:55:28
ダムさん
コメントを頂戴しありがとうございました。
結果はともあれ、私は政策の一つひとつに100点を求めすぎていると思っています。
できることをやる。
それでもダメだったら次をやる。
それで良いと思っています。
思惑通り、計画通りに物事が進んだら、世界でこれだけ蔓延してません。
私も、ダムさんがおっしゃるとおり、ワクチンが進み、集団免疫ができるまではウイズコロナだと思います。
いまのところ「正しく恐れよ。危うきに近寄るな。」が回答だと思っています。
今後とも宜しくお願いします。
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