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べんきょうなせん(='ω')

べんきょうは論理で考えるトレーニング
熊本県山鹿市中高大学受験の "あすく" です

朗読(ろうどく)は、私に問いかけを返す|文学って、なんだろう(5)

2013年12月15日 | 私から保護者へ
 文学は、朗読だけでなく映画・音楽・演劇といった表現にもつながっていきます。写真は、映画「トロッコ」(2010)。お話は芥川の小説とはちがいます。昔の日本を思わせる台湾の風景がステキ。

映画「トロッコ」公式サイト


 文学をたのしむのに理屈はいらない。あなたが感じたものが正しい。でも、作品になにかを感じたなら。なにかに引っかかったなら。だれかに伝えたくなったなら。朗読も試してみましょう。

 "視点の変化"を意識すれば、登場人物の感情の変化や作者の問いかけに気がつきます。

朗読(ろうどく)で、作者と対話をする|文学って、なんだろう(4)

A,作者が、作品世界の外から
B,作者が、作品世界の中に入って
C,作者が、登場人物の心に中に入って

D,登場人物が、作品世界の外から
E,登場人物が、作品世界の中に入って
F,登場人物が、自分自身の心に中で

 以下、>の部分は「トロッコ」の原文から、段下げなしの部分は「花もて語れ」から引用です。

>良平は二十六の年、妻子(さいし)と一しょに東京へ出て来た。A/今ではある雑誌社の二階に、校正の朱筆(しゅふで)を握っている。B/が、彼はどうかすると、全然何の理由もないのに、その時の彼を思い出す事がある。C/全然何の理由もないのに?D/

これは………

「全然何の理由もない」、と書いた、作者に対して、「本当にそうなのか?」と、大人の良平がツッコミを入れた……

そう、これこそ登場人物が作品の外に出てくる、Dの視点。

>――塵労(じんろう)に疲れた彼の前には今でもやはりその時のように、薄暗い藪(やぶ)や坂のある路(みち)が、細細と一すじ断続している。C…………


 文学は "立派な作品だから" 、読むものじゃありません。いまも生き残る作品には、作者があなたに、どうしても伝えたかった問いかけがあります。何度も読んで、ずっと後で気づく問いかけもあります。遠い時代の遠い世界の作者と、おなじ問いかけが共有できるのです。

 作者の生み出した良平は大人になり、作者自身に問いかけを返してきました。私の青鬼も、どこかで元気に条例を執行しているのかもしれません。

 文学はあなたをずっと、待っています。(塾長)


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