写真は、芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)さん。
1892(明治25)年 - 1927(昭和2)年。日本の小説家。「芋粥(いもがゆ)」「藪(やぶ)の中」「地獄変」「歯車」など、『今昔(こんじゃく)物語集』『宇治拾遺(うじしゅうい)物語』といった古典から題材をとったものが多い。「蜘蛛(くも)の糸」「杜子春(とししゅん)」といった児童向けの作品も書いている。
芥川龍之介(ウィキペディア・パソコンむけ)
芥川先生からあなたへ一言「ラクガキ、すんなよ」
文学をたのしむのに理屈(りくつ)はいらない。あなたが感じたものが正しい。でも、作品になにかを感じたなら。なにかが心に引っかかったなら。だれかに伝えたくなったなら。
朗読も試してみましょう。
朗読は、声を出しながら文章を読むこと。「感情をこめて読み上げる」という意味をふくみます。朗読によって、作者からの問いかけに、読み手のほうからも参加することができます。
文学は、作者が自分自身への問いかけを作品にしたものです。感情の変化や問いかけは、"視点(してん)の変化"から読み取ることができます。
「ごんぎつね」を読もう(3)|だれの経験か、登場人物の視点から
以下、>の部分は「トロッコ」の原文から、段下げなしの部分は「花もて語れ」から引用です。
芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)「トロッコ」全文(青空文庫・パソコンむけ)
花もて語れ 4(片山 ユキヲ・東 百道・著)
朗読(ろうどく)マンガ「花もて語れ」|文学って、なんだろう(3)
A,作者が、作品世界の外から
B,作者が、作品世界の中に入って
C,作者が、登場人物の心に中に入って
D,登場人物が、作品世界の外から
E,登場人物が、作品世界の中に入って
F,登場人物が、自分自身の心に中で
>トロッコは三人が乗り移ると同時に、蜜柑畑のにおいを煽(あお)りながら、ひた辷(すべ)りに線路を走り出した。B/「押すよりも乗る方がずっと好い」F/――良平は羽織に風を孕(はら)ませながら、当り前の事を考えた。C
永遠に続くと思っていた幸福は、決して永遠には続かない。
この時の良平は、それを知らない。
でも芥川は、それをわかって書いている。
この物語を回想している、大人の良平もわかっている。
そして私も、それを知っている………
オレたちは、芥川の「破局(はきょく)」を知っている。
だからこの作品に「破局」の予感を感じてしまう。
しかし、それは結果的にそうなっただけで、芥川自身は「破局」を目指していたわけではないはずだ。
「花もて語れ 4」では、六つの視点が描かれます。引用はトロッコが走り始める場面から、楽しいはずなのにどこかに不安を感じる部分です。
芥川は、この「トロッコ」を一日で書き上げたそうです。それぞれの視点が、書く前から映画のように"見えて"いたのかもしれません。
文学は、朗読だけでなく映画・音楽・演劇といった表現にもつながっていきます。心情を表現するはずのカット割りが、音楽を流して「ハイ感動」と置きかわっているどっかの映画監督にも朗読をやってもらいたい。
まずは、たのしむこと。なにかを感じた部分、なにかが心に引っかかった部分、だれかに伝えたくなった部分を、視点の変化を意識して読み返してみてください。
大都郊外ノ煙ニマギレントネガヒ…|音読を楽しもう
文学はあなたをずっと、待っているのです。(塾長)
1892(明治25)年 - 1927(昭和2)年。日本の小説家。「芋粥(いもがゆ)」「藪(やぶ)の中」「地獄変」「歯車」など、『今昔(こんじゃく)物語集』『宇治拾遺(うじしゅうい)物語』といった古典から題材をとったものが多い。「蜘蛛(くも)の糸」「杜子春(とししゅん)」といった児童向けの作品も書いている。
芥川龍之介(ウィキペディア・パソコンむけ)
芥川先生からあなたへ一言「ラクガキ、すんなよ」
文学をたのしむのに理屈(りくつ)はいらない。あなたが感じたものが正しい。でも、作品になにかを感じたなら。なにかが心に引っかかったなら。だれかに伝えたくなったなら。
朗読も試してみましょう。
朗読は、声を出しながら文章を読むこと。「感情をこめて読み上げる」という意味をふくみます。朗読によって、作者からの問いかけに、読み手のほうからも参加することができます。
文学は、作者が自分自身への問いかけを作品にしたものです。感情の変化や問いかけは、"視点(してん)の変化"から読み取ることができます。
「ごんぎつね」を読もう(3)|だれの経験か、登場人物の視点から
以下、>の部分は「トロッコ」の原文から、段下げなしの部分は「花もて語れ」から引用です。
芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)「トロッコ」全文(青空文庫・パソコンむけ)
花もて語れ 4(片山 ユキヲ・東 百道・著)
朗読(ろうどく)マンガ「花もて語れ」|文学って、なんだろう(3)
A,作者が、作品世界の外から
B,作者が、作品世界の中に入って
C,作者が、登場人物の心に中に入って
D,登場人物が、作品世界の外から
E,登場人物が、作品世界の中に入って
F,登場人物が、自分自身の心に中で
>トロッコは三人が乗り移ると同時に、蜜柑畑のにおいを煽(あお)りながら、ひた辷(すべ)りに線路を走り出した。B/「押すよりも乗る方がずっと好い」F/――良平は羽織に風を孕(はら)ませながら、当り前の事を考えた。C
永遠に続くと思っていた幸福は、決して永遠には続かない。
この時の良平は、それを知らない。
でも芥川は、それをわかって書いている。
この物語を回想している、大人の良平もわかっている。
そして私も、それを知っている………
オレたちは、芥川の「破局(はきょく)」を知っている。
だからこの作品に「破局」の予感を感じてしまう。
しかし、それは結果的にそうなっただけで、芥川自身は「破局」を目指していたわけではないはずだ。
「花もて語れ 4」では、六つの視点が描かれます。引用はトロッコが走り始める場面から、楽しいはずなのにどこかに不安を感じる部分です。
芥川は、この「トロッコ」を一日で書き上げたそうです。それぞれの視点が、書く前から映画のように"見えて"いたのかもしれません。
文学は、朗読だけでなく映画・音楽・演劇といった表現にもつながっていきます。心情を表現するはずのカット割りが、音楽を流して「ハイ感動」と置きかわっているどっかの映画監督にも朗読をやってもらいたい。
まずは、たのしむこと。なにかを感じた部分、なにかが心に引っかかった部分、だれかに伝えたくなった部分を、視点の変化を意識して読み返してみてください。
大都郊外ノ煙ニマギレントネガヒ…|音読を楽しもう
文学はあなたをずっと、待っているのです。(塾長)