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べんきょうなせん(='ω')

べんきょうは論理で考えるトレーニング
熊本県山鹿市中高大学受験の "あすく" です

中高一貫校で統計が出題されるわけ(3)|もとめられる表現力とは?

2010年11月27日 | 中学受験までに
 中高一貫校である県立玉名中学の受験対策をやっています。全国の中高一貫校では、"統計"が頻出です。

 "統計"とは、国語や社会や理科の知識を基礎に、グラフや図表から数量的に"分析"し、相手にわかるように"表現"ができるかを問う総合問題です。学校で学習したことを研究や仕事に生かせるかを試しているわけです。就職活動でよく言われる"即戦力"の一つと言えます。

 前回はこちら。今回は生徒たちがつまずく三つ目、表現のルールを確かめておきます。

関連記事;記述問題はどう書き始める?


 実際どういった出題がされ、どうつまずくのかを見てみましょう。

[問題]
この3つの資料をもとに、世界人口の今後の食糧状況はどのようになると考えますか。そう考えた理由を明らかにして書きなさい。(2009年京都府立園部高等学校附属中学校・資料は省略)

>世界全体の今後の食糧状況は、世界の農地面積は1985年から変化がなくて、世界人口の推移は1965年から2050年までにおよそ3倍になって、栄養不足人口の分布はインドや中国で多くて、世界全体の今後の食糧状況は減ります。

 これは実際に解答してもらった答案例です。資料の読みとりそのものはまちがっていません。でも読みにくい。一文が長い。そして主語がわかりにくい。一文におなじ言葉がくり返されている。複数の文を一文にまとめ過ぎている。


 表現力をあげるためには訓練が必要です。どう直せばよいでしょうか。

 まず、結論を"主語+述語"だけで言い切ります。ここでは「世界人口の今後の食糧状況はどのようになると考えますか」という、問いに対する答えです。

>世界全体の今後の食糧状況は減ります。△
>世界全体の今後の食糧状況は悪くなります。○

>世界全体で今後の食糧は足りなくなります。○


 一文30文字を目安に、文を分けます。これは原稿用紙一行半程度です。理由の部分は「なぜなら~」「~だから」「そのため~」を使って答えます。

>世界の農地面積は1985年から変化がありません。世界人口の推移は1965年から2050年までにおよそ3倍になることがわかります。インドや中国など開発途上国の栄養不足人口は8億人います。そのため、世界全体の今後の食糧状況は悪くなります。


 テストでもとめられる表現力は、仕事や研究で必要になる"技術"です。技術ですから個人差はあまりありません。訓練すれば必ず身に付くものなのです。

 続きます。(塾長)


最強ドリル 統計」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)


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