べんきょうなせん(='ω')

べんきょうは論理で考えるトレーニング
熊本県山鹿市中高大学受験の "あすく" です

朗読(ろうどく)マンガ「花もて語れ」|文学って、なんだろう(3)

2013年12月09日 | 私から保護者へ
 くび気になるよね


 文学はあなたをずっと、待っています

芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)「トロッコ」全文(青空文庫・パソコンむけ

>良平はほとんど泣きそうになった。が、泣いてもしかたがないと思った。泣いている場合ではないとも思った。彼は若い二人の土工(どこう)に、取ってつけたようなおじぎをすると、どんどん線路づたいに走り出した。

>蜜柑(みかん)畑へ来るころには、あたりは暗くなる一方だった。「命さえ助かれば――」良平はそう思いながら、すべってもつまずいても走って行った。
 
>彼の家(うち)の門口(かどぐち)へかけこんだ時、良平はとうとう大声に、わっと泣き出さずにはいられなかった。その泣き声は彼のまわりへ、一時(ひととき)に父や母を集まらせた。殊(こと)に母は何とかいいながら、良平の体をかかえるようにした。が、良平は手足をもがきながら、すすり上げすすり上げ泣き続けた。その声があまり激しかったせいか、近所の女衆も三四人、薄(うす)暗い門口へ集って来た。父母はもちろんその人たちは、くちぐちに彼の泣くわけをたずねた。しかし彼は何といわれても泣き立てるよりほかにしかたがなかった。あの遠い路(みち)をかけ通して来た、今までの心細さをふり返ると、いくら大声に泣き続けても、足りない気もちにせまられながら、…………


花もて語れ 4(片山 ユキヲ・東 百道・著)

>それでも私は自分が迷惑な存在に思えて、他人が怖くて怖くて、声すら出ない………

守られても、消えない不安……

>私は私がわかってないだけで、本当はできることがいっぱいあるかもしれないのに、自分で自分をダメだと決めつけて、いつまでたっても他人をあてにして、声すら出せなくて、私がひとりでもがんばれるようにと応援してくれた、大切な大切な人たちを、ずっとずっと裏切り続けている大バカ者だ。

>泣いていいのは走り切ったあとなんだ………

泣きたかったら走ればいい。

>これが私の『トロッコ』!


 「花もて語(かた)れ」は、"ビックコミックスピリッツ"で連載中の朗読マンガ。「やまなし」「花咲き山」「トロッコ」「皿」がおもしろかった。

 極度の人見知りで口下手、不器用な新社会人の佐倉ハナが主人公。朗読のノウハウに、主人公の状況や感情がうまくのっかっていて楽しい。

 作者の、ハナの、そしてあなたの文学がみつかるかもしれません。


百年文庫を買いました|文学って、なんだろう(2)

>"正解"は、どこにも用意されていません。先生にだって、わからない。あなた自身と外の世界との体験を通して、自分に問いかけ続けるしかないのです。もどかしい。でも、その問いかけから生まれた"わたしの"正解はゆるがない。

>そういった問いかけを作品として残してくれたのが、作者とよばれる"わたし"の先輩たちです。文学には、外の世界と"わたし"の仲立ちするチカラがあります。問いかけを続ける"わたし"って、ひとりじゃない。

 文学はあなたをずっと、待っていますから。(塾長)


芥川龍之介「仙人」
権助が仙人の奉公口を探しているようです|音読を楽しもう


やまなし(宮沢賢治)(1-2巻)
春と修羅(宮沢賢治)(2巻)
ぼろぼろな駝鳥(高村光太郎)(2巻)
花咲き山(斉藤隆介)(2-3巻)
トロッコ(芥川龍之介) (4巻)
ごん狐(新美南吉) (5巻)
麦藁編む子の唄(金子みすゞ) (5巻)
黄金風景(太宰治)(5巻)
野ばら(小川未明) (6巻)
おきなぐさ(宮沢賢治) (6-7巻)
注文の多い料理店(宮沢賢治) (7-8巻)
皿(火野葦平) (9巻)
ぽっぽのお手帳(鈴木三重吉) (10巻)


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