よろず戯言

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オズランド 笑顔の魔法おしえます。

2019-02-05 17:53:05 | 映画

昨年秋に観た映画。

波瑠主演のドラマ、“オズランド 笑顔の魔法おします。

原作は小森陽一氏の小説、“オズの世界”。

原作にも映画にも登場する主要人物は、実在した方をモデルに描かれているとか。

キャッチコピーは、“目指せ!世界一の遊園地?!”。

 

 

タイトルからは判らなかったが、予告編を観て驚く。

“ド田舎の遊園地、グリーンランド・・・”、そんなナレーションで始まる。

“グリーンランド”って、あのグリーンランド?

九州人ならば知っている、熊本県にある遊園地、三井グリーンランド。

北九州市にあったスペースワールドがなくなって以来、おそらく九州最大の遊園地。

 

田舎の遊園地に赴任となった若い女性スタッフが、

最初は嫌々だったけれど、そこに居たカリスマ上司と出会い、

だんだんと感化され、他の仲間とともに世界一の遊園地を目指す!

そんなふうなストーリーだと汲み取った。

 

グリーンランドがあのグリーンランドならば、熊本が舞台に違いない。

九州が舞台とあらば、そりゃ観に行ってしまう。

東京のひとから観て、ド田舎呼ばわりされてしまう熊本。

どんなふうに描かれているのか興味もある。

主演の波瑠ちゃんも、主要キャラの西島秀俊も好きな俳優だし、これは観に行くべき。

そう思い、公開されて割と早い段階で観に行った。

 

 

 

大学を卒業した久瑠美(波瑠)は、彼氏と同じ、大手ホテルチェーンの会社に就職が決まった。

大好きなトシ君(中村倫也)と同じ職場で働ける!

内定をもらいウキウキしていたが、配属先は系列企業が運営する熊本にある遊園地だった・・・。

東京を離れ、しぶしぶ熊本へと赴く久瑠美。

熊本市内から電車とバスを乗り継いで、着いた場所は周りになんにもない田舎町。

忽然と姿を現す大きな遊園地、グリーンランド。

 

久瑠美を待ちうけていたのは、トンデもない歓迎だった。

赴任初日、爆発物騒ぎからはじまり、果てはヒーローショーに巻き込まれてしまう。

それは、本社にまでその名が知られていたカリスマスタッフ、

小塚(西島秀俊)が企画した新人スタッフお披露目イベントであり、

同じく東京から赴任してきた新人の吉村(岡山天音)とともに、

久瑠美は手荒くも手厚い歓迎を受けるのだった。

 

 

小塚と同じ企画営業部に配属された、久瑠美と吉村。

翌日から言い渡される業務は、ゴミ拾いや動物たちの世話ばかり。

企画営業部に配属されたにも関わらず、

デスクに座ることもできず、いっこう企画の仕事ができない。

「各事業所でもっとも優秀な社員に贈られるMVPを獲れば本社勤務へ戻れる。」

そう、彼氏から教えられていた久瑠美は、自身で考えた企画を成功させてMVPを獲得し、

なんとしてもトシ君の居る東京本社へと戻りたい・・・と、その一心だった。

 

 

ゴミ拾いや動物の世話ばかりしてたんじゃ、MVPなんて叶わない。

そう思った波瑠は、一所懸命にゴミ拾いをやる吉村をしり目に、

ズルして早々に切り上げ、事務所に戻って次々とに企画書をつくる。

そうしてそれを提出するも、上司の小塚はそれに目を通すこともせず、

机の上の書類の山に積み重ねてゆき、新たな掃除を指示するのだった。

 

 

我慢の限界にきた久瑠美は、とうとう小塚に食ってかかる。

だが、小塚はコツコツと掃除をやってきた吉村と久瑠美の違いを知っていた。

お客様にアトラクションの場所を訊ねられても、うまく案内できない久瑠美。

だが、吉村はテキパキと案内できていた。

園内の他のスタッフたちの顔と名前も覚え、打ち解けて親しくしていた吉村。

だが、久瑠美は事務所のスタッフ以外はほとんど知らない。

 

掃除などの雑務をとおして、園内のことをきちんと把握していった吉村。

それを見越して、新人に雑務を与えていた小塚。

そうとは知らずに雑務を軽視し、結果、何ひとつ覚えられていなかった久瑠美。

自分は役立たずなんだと思い知り、肩を落とす。

「こんなことをするために大学を出たんじゃない!」

そう言ってこれまで雑務を軽視していた久瑠美だったが、

文句ひとつ言わずに、コツコツと雑務をこなしていた吉村は東大卒のエリートなんだと知り、

自分の考えが誤っていたことを痛感する。

 

 

考えを改めた久瑠美は、積極的に雑務をこなすようになる。

同時に、他のスタッフたちとも打ち解けはじめ、

小塚の理念や夢に協力しようと、様々なトラブルに対応したり、

いろんなアイデアや企画を考えて、次第にグリーンランドに馴染んでゆく。

赴任当初、田舎の遊園地だとがっかりし、周りを下に見ていた久瑠美の姿はなかった。

東京から来たとか、大卒だとか、そんなプライドのようなものは消えていた。

小塚や吉村、園長さんや仲間たちと一緒に、世界一の遊園地にしたい!

そんな一心で、やりがいのある仕事を一所懸命にやっていた。

 

ある日、ひょんなことから小塚の重大な秘密を知ってしまう。

ショックを受ける久瑠美だったが、新人お披露目イベントのお返しとばかりに、

恩返しの意も込めて、小塚にサプライズを仕掛けようとする久瑠美。

同期の吉村はじめ、他のスタッフ達の協力も得て、それを実行に移そうとするのだったが・・・。

 

 

 

まあまあだったかな。

よくあるっちゃあるような、都会のひとが田舎に馴染んでいくっていう物語。

最初はカルチャーショックというか、いろんなことに驚きつつ、

田舎の人の良さや温かさ、ゆったりとした雰囲気に感化され、

しまいには都会の喧騒や人の冷たさがダメになってしまっているというような、そんなお話。

 

物語終盤、東京から中村倫也演じる彼氏が訊ねてきて、

遠距離恋愛は辛いから、辞めて帰って来いよと諭すシーンがある。

しかし、このとき既に久瑠美はすっかりグリーンランドでの仕事が好きになっていてた。

そうとも知らずに、彼氏がグリーンランドをバカにしてしまう。

そりゃ東京ディズニーランドなんかと比較されちゃ、そうだろう。

しかし、その言葉が決定的になって、久瑠美は彼氏を拒んでしまう。

最初は彼氏の元へ戻らんがため、一所懸命だったのに、いつしかそう変わっていたのだ。

 

グリーンランドは、やっぱりあのグリーンランドだった。

熊本県荒尾市にある、三井グリーンランド。

・・・と思ったら、“三井”ってのは消えて、今は単に“グリーンランド”らしい。

原作の舞台でもあるらしく、ロケも全てここで行われており、

撮影に使われた制服からアトラクションまで、すべて実際のもの。

お客さんも、地元のエキストラだったようだ。

 

 

波瑠ちゃん、良かった。

やっぱり数年前の連続ドラマ、“あさが来た”の印象が強いのだろう。

これまで観た彼女の役は、どれも気が強くアクティブな女性ばっかりだ。

赴任直後からだんだんと心理が移ろってゆく過程も面白い。

動きや言動のみならず、格好や小物にもそれがきちんと反映されていく。

最初はやっぱりエリート意識が高いって設定だったんだろう。

ちなみに劇中の彼女の役名、“波平久瑠美”なのだが、

波瑠の、「波」と「瑠」の二文字が含まれているのは偶然なのか?意図的なのか?

 

 

西島秀俊はひょうひょうとしていた。

実在した人物ってのが、この人の役だったんだけど、

掴みどころのないような、なんとも言えない役だった。

テーマパークなんかで企画を成功させる人って、実際こういう人なのかもしれないな。

ウォルト・ディズニーもそうだったし、

長崎のハウステンボスを復活させたジイさんも、なんか掴みどころのない変人だったもんな。

 

 

その他 脇役陣も良かった。

園長役の柄本明、相変わらずのひょうひょうとした演技。

懐が深くて愛情も深い園長さんを、いつもの調子で演じておられた。

停電騒ぎのシーンで、電気コードと焦げたヘビを見間違えるシーンは笑った。

 

濱田マリも、いつものごとく、世話焼きおばちゃん役。

彼氏と破局?した久瑠美に、すかさずお見合い写真を持ってくるシーンは笑った。

「遠くのイケメンより近くの若ハゲ!」って・・・。

 

橋本愛は、ずいぶん変わったなあ。

俺はまだ本気出してないだけのときは、すっごい透明感があったのに・・・。

いや、じゅうぶん可愛かったけれど。

彼女は熊本出身ってことでキャスティングされたのかな?

 

 

久瑠美の同期で新人役の岡山天音

気が弱く人が良く、コツコツ真面目な新人役。

その風貌も手伝って、こういうオドオドした役が良く似合うひとだ。

チェリーボーイズでは、ヤンキーというかチーマーというか、凄い役だったけれど・・・。

濱田岳や矢本悠馬に次ぐ、個性的なルックスの俳優さんだと思っている。

そういえばドラゴンクエストのドラマで、メイン役に抜擢されていたな。

ああいうラブコメ漫画はまるっきり興味がないが、

彼が出ているというので、ドラマはちょっと観てみたいと思ったり。

西島秀俊とは、ダイハツのCMでも共演してたっけ。

 

 

久瑠美の先輩役だった、深水元基

快活で明るい、ムードメーカー的存在の役。

数年前のNHK大河ドラマ、真田丸で福島正則を演じていた。

波瑠とは、コーヒーが冷めないうちにでも共演していた。

あのときは、有村架純演じる主人公の従兄として、

また、理解ある優しい喫茶店のマスター役で好演だった。

これまでヤンキー役や豪傑な役が多かったようだが、

こういった好青年役もハマっていると思う。

 

 

中村倫也・・・東京のイケメン彼氏役。

なのに、途中で突然三枚目扱いされるという、かわいそうな役。

あんなウォータースライダーの水をモロにかぶる場所で話し込むかね?

昨年、急激に人気が出たので、びっくりした。

数年前に彼が主演した映画、星ガ丘ワンダーランド

興行成績イマイチだったけれど、今また公開すれば、評価されるんじゃなかろうか?

・・・と思っていたけれど、兄役だった新井浩文がトラブル起こしたから無理か・・・。

 

 

まあまあだったけれど、観て良かった映画。

復興途中の熊本城なんかもちらっと映るし、くまモンだって登場。

熊本市~荒尾市~グリーンランドと、だんだん田舎になってゆく景色も、知ってるひとならニヤッとしてしまう。

グリーンランド、けっしてつまらない遊園地ではないと思う。

確か円谷プロダクションが運営に関わっていて、

ウルトラマンなんかのショーやアトラクションが充実してたんじゃなかったかな?

自分は小学校六年のとき、一度行ったきり。

敷地がやたら広くて閑散としたイメージだったが、さすがに30年経って今は変わってるんだろうな。

 

 

 



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