よろず戯言

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老後の資金がありません!

2021-11-29 21:52:14 | 映画

 

今月はじめに観た映画。

天海祐希主演のコメディ、“老後の資金がありません!”。

原作は垣谷美雨氏の小説、“老後の資金がありません”。

 

予告編で面白そうだと思い、公開前からチェックしていた映画。

老後の生活資金をテーマにしたコメディ。

自分も40半ば、そろそろ・・・

というか、もうこういうことを真剣に考えなきゃいけない歳でもある。

主演の天海祐希さんも好きなので、楽しみにして観に行った。

 

 

都内の戸建で暮らしている平凡な一家、後藤家。

夫の章(松重豊)はサラリーマン。

妻の篤子(天海祐希)は、家電店でパート社員。

二人の子どもはフリーターと大学生。 

 

家計を預かるのは篤子。

なんとか やりくりしながら、コツコツと老後資金を貯める。

長いこと使ってるバッグは穴が開き・・・。

ショーウインドゥ越しに憧れのブランドバッグをながめては ため息をつく。

 

 

ある日、街頭ビジョンで放映されていた専門家の意見に驚愕する。

「老後資金は2,000万円必要!」

焦る篤子。

50歳ちょい過ぎ、現在の貯蓄額は700万円しかない!

年金支給年齢までに、不足分を貯められるのか?

 

しかし、出費の嵐が次々と後藤家を襲う。

かねてより入院していた舅がとうとう他界。

章が長男だということで、葬儀費用をすべて後藤家が見ることに。

姑の芳乃(草笛光子)の強い意向で葬儀は盛大に行うことに。

かかった費用は400万円!

 

 

家電店でパート社員として働いていた篤子。

一年経ち店長に呼び出され、いよいよ正社員登用か!?と期待していたら、

契約満了により退職に・・・。

正社員はおろか、採用継続も叶わず失業。

 

突如娘のまゆみ(新川優愛)が婚約者を連れてくる。

すでにおめでたで、挙式も決めていた。

相手は年収150万円の売れないバンドマン。

だが、両親が宇都宮の人気餃子チェーン店の創業者ということで、

披露宴は都内の高級ホテルで盛大に行うことに。

挙式費用は両家折半ということで、300万!

瞬く間に消えてしまう貯金。

 

 

そして致命傷となったのが、定年間際だった章の失業。

章がずっと努めていた会社が業績悪化に陥り倒産。

夫婦ふたりして失業してしまう。

住宅ローン完済のアテにしていた章の退職金も1円も出ない羽目に。

自家用車を売却し、食費を抑えながら、なんとかやりくりするが、

とうとう後藤家の家計は行き詰まってしまう。

シニアマンションで生活する芳乃の生活費として、

毎月仕送りしている9万円が捻出できなくなってしまう。

 

篤子は、芳乃への仕送りを辞退すべく、

その資金を管理している、義妹(若村志津子)夫妻と話し合いをすることに。

お金に無頓着で危機感のない章は、

失業中なくせに大した意見も言えず、逆に妹夫婦の肩を持つ始末。

派手な身なりで高級外国車を乗り回し、不自由のない生活をしているくせに、

後藤家の家計事情など関せず、篤子の要求を聞き入れない義妹夫妻。

話し合いは決裂。

追い詰められた篤子は、勢いで芳乃を後藤家で預かると宣言してしまう。

 

 

シニアマンションを引き払って、芳乃が後藤家にやってきた。

派手な衣装に身を包んだ芳乃。

タクシーにキャリーケースひとつだけ。

荷物はそれだけ?・・・と思ったら、引越業者のトラック2台がやってくる。

絵画に彫刻,陶磁器,調度品の数々に、巨大まねき猫・・・。

後藤家に次々と搬入される芳乃の荷物。

 

月9万円の仕送りを拒否して迎え入れた芳乃。

だが、浪費家の芳乃がとんでもない事態を巻き起こす。

芳乃がふるまう料理には、グラム数千円の和牛肉。

口にする お茶は最高級の知覧茶のみ。

高級ラウンジでおごりでお茶会・・・。

そのうえ、芳乃が篤子に預けた預金通帳は残高ゼロ!

カード会社から口座引落し不能で督促の書状が届く有様。

 

 

家計が火の車で、これまでどおりの生活をすることすら困難な状況に。

こんな状態で老後の資金を工面するなんて、到底不可能。

危機感がなく頼りない夫,自由奔放な娘,

アテにできなくなった実家の両親,非協力的な義妹夫婦、

そして最大最強の姑、芳乃!!

篤子の老後の資金やいかに・・・!

 

 

 

おもしろかった。

ちょっとエフェクトがオーバー過ぎたのが気になった。

コメディに振り切っていても、子ども向けなら これでもいいかもしれないが、

テーマ的におとな向けの映画だから、ちょっとオーバー過ぎた。

コメディだからといって、自分は映像にCGとかでエフェクト付けてるの好きじゃないのよね。

せっかくの映画が すごくチープに感じてしまうので、できればやめていただきたい。

 

終わってみれば気にならなかったけれど、

観ている最中は、その怒涛のキャスティングにも違和感。

柴田理恵や、クリス松村,加藤諒,どんぐり,

副島淳,佐々木健介&北斗晶夫妻,三谷幸喜に毒蝮三太夫・・・

はてはお笑い芸人のピスタチオや友近など、出オチだらけのキャスティング。

いや、柴田理恵や加藤諒はれっきとした俳優なので、こんなこと言うと失礼だろうが・・・。

あ、どんぐりさんも俳優だったか。

 

 

天海祐希さんの演技はすばらしかった。

お金の工面に苦労する主婦の役。

実生活は浮世離れしているであろう、元タカラジェンヌの女優さんに、

そんな庶民的な役が演じられるの?なんて思うけれど、

なぜか天海祐希さんだけは、そんな心配は起こらなかった。

これが大地真央さんや真矢みきさんなんかじゃ厳しかっただろう。

 

頼りない夫、章役の松重豊さん。

こういう、ひょうひょうとした役やらせたら本当に上手い。

テレビドラマ、HEROや、映画、グッドモーニングショーなどの、

冷静で強面な役もすごく似合うけれど、

自分は、ちょっとヌけた感じで、ひょうひょうとした役が好き。

孤独のグルメのイメージがやっぱり強いのかもしれない。

 

 

そして、この映画のキーマン、

もうひとりの主人公、芳乃役の草笛光子さん。

近年では、大河ドラマ 真田丸で、

主人公 信繁の肝の据わった祖母、とり役が記憶に残っている。

歌のシーンが有り、往年はそういった場で活躍されていた人だと判る。

優雅なシーンから男装してのコミカルなシーンまで、

御年米寿の方とは思えない演技で魅了された。

 

終盤のとあるシーンで、天海祐希とデュエットするシーンがあり、

そのなかのセリフから、この方も もしかして元タカラジェンヌ?

・・・と思ったら、宝塚とは違うけれど、

松竹歌劇団なるところに所属していたトップスターだった。

数年前に他界してしまった、淡路恵子さんも同門だったよう。

淡路恵子さん同様、どこか気品を感じられると思ったら、そういうことだったか。

 

その都度、スクリーン内で笑い声が起こっていた

出オチキャスティングに違和感を覚えつつ、

観終わってみれば、なかなかに豪華なキャスティングだったなあと思う。

竜雷太&藤田弓子のチャラいシニアカップル。

佐々木健介&北斗晶のリアル夫婦でのぶっ飛んだ夫婦役。

ネタキャラでそのまんまだと思ったら、意外といい演技していたクリス松村。

ほんのちょい役だけど存在感あった富田望生ちゃん。

この子、大人になったなあ。

まさかカメオ出演?と思ったら、ラストにちょろっと登場してくれた哀川翔。

 

 

柴田理恵と毒蝮三太夫、さらに三谷幸喜を加えてのドタバタシーン、

コントのままのような友近に、貫禄ある六平直政さんの演技。

六平さんはこの貫禄で、むかしニャースと共演したこともあるんだぜ?

ほんのチョイ役なのに、神保悟志の(まさに劇中劇の)迫真の演技、

あと、嫌な役だったけれど、若村麻由美さんは本当にお美しい。

 

 

コメディ好きならば観て間違いない作品。

老後に不安を抱える自分と同世代も必見。

ただしこの映画の結末でもそんなことを言っているが、

専門家のいう必要額はアテにはならない。

地方の田舎に住む者からすると、不安をあおっているとしか思えないのだ。

 

生活環境や価値観によって、老後の必要資金の額は大きく変わるはず。

実際、2,000万円も準備できる世帯がどの程度居るのだろう?

夫婦合わせて、月10万円にも満たない年金でやりくりするうちの両親。

そのうえクソ親父は数百万の借金を抱えているときた。

 

年収300万円に満たない自分。

子どもの養育費からあと数年で解放されるが、

その子たちの結婚費用、近い将来訪れるであろう両親の介護。

そんなことを考えると、今現在の貯金もすぐに飛んでしまうだろう。

 

お母んがますます歩行困難になってきて、いよいよ介護が現実味を帯びてきた。

クソ親父は自身の借金もに気にすることなく、相変わらず酒浸り。

長男だから、このふたりの面倒もゆくゆくは見なければならない。

幸いなのは兄弟が多いこと。

妹も弟も、皆 自分よりしっかりとした職業に就いているので、

自分ひとりで抱え込む心配はないが、それぞれまだ幼い子どもたちが居るし、

弟うちふたりは未だ独身だし、そうそう頼りにするわけにもいかない。

 

そんな自身の老後を憂いつつ・・・。

いや、自分の老後よりも、親の介護のことがまず来る憂慮すべきことかな。

そんなことを考えると、この先の自分の人生に夢も希望も持てないのだ。

しっかり勉強して ちゃんと大学も出て、まっとうな企業に就職して、

人なみの収入を得られていれば・・・なんて思っても あとの祭り。

社会の負け組は、つつましく身の丈に合った生活をするしかない。

世間と比べて将来のことなんて考えても、悲観的になってしまうだけだから。

 

リアルでこんだけ貯金があれば、老後も何の心配もないのだけど・・・。

 

 

 



2 コメント

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Unknown (れいな)
2021-11-30 08:59:38
こんにちは。
これは面白そうな脚本ですね。
機会あれば観に行こうと思いました。
CGを混ぜるのは私も興醒めします。
昨日久しぶりに三谷幸喜の1990年代のドラマなど動画で観ていたのですがやっぱり今のと全然違って引き込まれるものがあります。
CGなどで誤魔化さず、演技力で勝負して欲しいです。コメディであっても。
老後の資金2000万円必要。その言葉が独り歩きして、ますますみんなお金を使わなくなって経済が回らなくなる悪影響しか無いだろうとバカな事を言うな~と思っていました。
給付金とかもただ現金を配るのではなく期限付きのクーポンとかにすれば「使わなきゃ損だ」の感情が生まれてWin-Winなのになと思います。
アストルティアの預金、ずいぶんと貯まってますね!
廉価版のミニマイタウン(1億かな?)も実装するらしいのでそれも視野に入れても良さそう。
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クーポンはクーポンで事務費用がかさむって問題が起きてますね・・・ ()
2021-11-30 17:13:48
れいなさんこんにちは、コメントありがとうございます。
 
なかなか面白い映画でしたよ。
三谷監督作品が好きならば、観てもOKだと思います。
三谷監督も出演なさってて、ああ・・ご本人の映画やドラマでも、
俳優さんにコミカルな演技の指示する際、
こんなふうにご自分で演技して見せたりしてるのかな?
なんて想像したら、さらに可笑しくなりました。
 
ここ10年くらい前から目立ちはじめたのですが、
妄想シーンとか誇張シーンとかで
安易にCGエフェクト入れられるのが気になりますね。
ああいうのは冷めるので本当にやめていただきたいです。
 
「老後資金は2,000万必要!」と言い放つ、
劇中に登場する専門家が、本当の経済アナリストの方で、
パンフレットでも言及しておりましたが、
あくまでも劇中のセリフで、
老後の時期の貨幣価値だってあるし、
居住地区や生活水準、交友関係等により大きく異なり、
鵜吞みにしないでくださいとのメッセージを寄せていました。
 
マイタウンネタは2億たまった時点で記事にしようとしていましたが、
ずっとやれないままで、こういう形で披露してしまいました。
 
リアルでもコツコツと貯められたらいいのに・・・。
アストルティアは税金や社会保険料がないからいい。
・・・毎月リアルマネーで購入している利用券がそれにあたるか?
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