熱帯魚販売スタッフなら知っていて欲しい基礎知識。
水温変化編٩( 'ω' )و
水温変化と言えば変動幅が大きかったり、変動回数が多いと魚を病気や死亡へ向かわせる大切なポイントです。
とは言え、変動にビビリ散らかして
安定しかダメかと言うと、そんなもん人間の都合視線から見てダメなのであって
絶対悪ではありません。
そんな事言い出したら日中夜間の温度変化で
自然界の魚生きていけんでしょ。
雨が降って水温急低下したら全部死ぬのかと言えば、そんなこたーねぇ(*´-`)
よーするに、十分に耐えうる変動幅や変動頻度ってのが有ります。
その内容を記載した飼育本なんてのはこの世には無いと思いますが、正しく多方面からの視点で観察し積み重ねてきた経験ってのが、こーゆー場合には生きてきますね٩( 'ω' )و
超絶にざっくり言えば淡水魚や淡水貝においては、水温の急激な低下が日に1度までなら十分に適応してくれます。
逆に水温の急激な上昇は1度でも大ダメージで死に直結します。
我々熱帯魚業界で言うならば輸入時や仕入れ時がこれに該当しますね。
何があっても急激な水温上昇はダメです。
で、次に知りたいのは低下、上昇幅。
何℃までなら許容されるのか?
ここ知ってなきゃ何も言えんよね。
これまたざっくり言えば熱帯魚か国内野外飼育可能な国産品種なのかで大きく異なりますんで、まずはここで2つに分ける。
熱帯魚なら総じて25℃が安全圏内水温で
実質23℃〜28℃が飼育に向いています。
ここをベースに考えてもらって
急激な水温低下は3℃以内で尚且つ
ベース水温範囲内で完結するならば
低下面では問題はほぼほぼ起きないでしょう。
次に国内野外飼育可能な国産品種について。
ざっくり言えば金魚やメダカ、日本淡水魚全般、貝類、ヤマトヌマエビなどの甲殻類が該当します。
こやつらの生存可能な温度幅は熱帯魚よりも遥かに幅広く、5℃〜30℃が安全圏内。
なんならもっと幅広く生存可能ではあるww
この幅広さは急激な水温低下の適応幅にも繋がってましてね、30℃から15℃への急激な低下でも余裕で耐えます。
ペット流通業内では非現実的ながら
30℃から5℃への急激な低下でも耐えます。
まぁ、この場合は急速な活性低下に伴い一時的な仮死状態になったり浮かんだりと、異常な行動を一時的に見せますが、それでも5℃で安定させておけば数時間で慣れます。
つまり、日に一度の急激な水温低下なら
30℃〜5℃の範囲なら余裕。ペット業内の流通で言えばもっと変動幅は少ないのだから、導入先水槽のPH値だけ低くなく清潔であれば、さっさと生体だけ入れるのが99.99%ぐらいの確率で正しい判断になります。
夏場は国産品種の流通時に水がとっても汚れ生存が難しくなるレベルになりがちです。
ここの根本的な改善を最優先するならば
送料梱包料を潤沢に頂ければ問題解決する話でもありますが、流通価格はアホほど上がる訳で現実的ではないのが実情🥺🥺
であるならば、輸送箱を開封し暗闇から解き放たれた生体の活性が上がってあっという間に酸欠やアンモニア&亜硝酸中毒、貝毒による自爆で届いた生体に更なるトドメを刺すよりも水温の急激な低下は気にせずに導入先水槽へさっさと生体だけ入れるのが最善です。
導入水槽の水温設定アゲアゲしてて
急激な温度上昇をくらわせたら
全てが台無しになるんで、そこんところの設定の確認大事ね٩( 'ω' )و
更なる余談ですが、なぜに水温の急激な低下に強くて、急激な上昇には弱いのか??
考えて想像してみりゃ話は簡単。
自然界においても水温の急激な低下はそこらじゅうで起きてるから、それに対応する進化をしてきたからです。
雨がザーッと降れば水温下がる事の方が圧倒的に多いでしょ?
そゆこと。
自然採集してると、これに関連した発見も多々しますが、そんな事誰も発表しませんから気にならないだけかなーと(*´-`)
例えばワテクシが、セコセコと採集しているミナミヌマエビ さん。
水田横の水路で採集する事が多いのですが
水田って浅く広く水を張るから稲が未成熟な今の時期は日当たりも良く水温がクッソ高いです。
水路の水温が25℃に対して、水田内の表層水温は40℃、表層から5センチ水中で30℃なんて事がザラにあります。
繁殖場所を求めてミナミヌマエビは上流へ上流へと登る習性があり、コヤツラは水路から水田へ壁を登って入り込む訳ですが自らの脚でゆっくりと登り入り込んでる個体ですら
そこそこ水田内の到達地点周辺でお亡くなりになってます_(┐「ε:)_
ワテクシが水路で捕まえた個体をポイっと水田へ入れようものなら、着水後にクルクルと回りだしアボーンする率が激高・・・(*´-`)
自然界の中でもこのような光景は日々起こっており、水温の急激な上昇って怖いなぁーと思う反面、そこで死にゆく個体群を遥かに凌駕する繁殖力もすげ〜な〜と思うのでした。