# BGM:「ONCE AGAIN」(RHYMESTER)
大分戦から約3年が経っていました。
その間は九州福岡で毎日を過ごし、時にはアウェー戦の現場にお邪魔させて戴きました。
しかしながら。
フットボールはあくまでも「日常」の延長にしか存在しえず、私の選んだ「現在」の街の
近くにある別のフットボールチームを生活の一部として追いかけていたのも一つの事実。
併せて、少しだけ仕事的にもそのチームとは関わりがあり、日々の生活としてはこのチーム
の話題が職場や自宅、はたまた夜の街の空間で出てくる。これがある意味「街の中で生きて
いく」ことであり、「他の街の過去はあまり口にしないのが街のルール」と出来るだけ思って
きました。
併せて、横浜の街にはもう一度全てが終わってから最後のワンピースを埋めに行くから、
とのあの時の想い。
だからこそ、どうしても三ツ沢にだけは「現在」の否定に繋がりそうで、今まで足を
向けることはできませんでした。
ところが…
現実とはある意味残酷な面もあり、「現在」の我が街の近くのチームが監督を始めとした
大規模な移籍離脱。それも「大量に引き抜かれた」と言っても過言ではない事態が発生。
普通なら「そりゃないだろやり過ぎだろ」と憤慨するのは当然。舞台裏を知るはずがない
一個人としてはあまりのえげつなさとしか感じませんですから。
しかしながら。
何故にあえて横浜と併せて地元のチームも見続けていたのか。
それは、その移籍した監督やスタッフ、選手のピッチや仕事の際にに見せてくれた「魂」
に共感したからこそ。
その「魂」は、全てのフットボールの現場に普遍共通して大切にすべき。逆にそうでなきゃ
決して許されない、と強く思って何度も己に言い聞かせていましたから。
そして驚くことに、その彼らが選んだ行き先こそ、よりにもよって己が長きに渡って最も
人生の喜怒哀楽を捧げた約束の場所。
であれば、自ずから自分自身の進む道は決まった、躊躇いはない。
今更ながら、全ての「現実」を捨ててまで元に戻ることなど決してできない。
でも、この3年の自分自身を支えてくれた彼らを支えるために、再びあの三ツ沢の丘に
行こう。彼らを待っていてあげよう。
やっと少しずつだけど「もう一度、動き始めよう」と。
こういう想いを抱えて、もう一つの約束の場所でもある「福岡空港」から飛行機に乗って
一路三ツ沢の丘を目指しました。
多分これが「物語の『その後』なんだろうな」ともぼんやりと感じながら…
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しかしながら、久しぶりの横浜はとかく冷たい雨でまるで罰ゲーム、それはさておき
無事に到着して羽田空港からリムジンバスに乗ってまずは横浜駅に。
実は忘れてました、九州にいる時にはさほど感じないのですが、みなとみらいのランプ
降りて直ぐに目にした建物をみた瞬間に「燃やせ!」と叫んだのはお約束(笑)。
…更に追い打ちで横浜駅でマ○公のポスターや案内を見たら即座に【検閲】したく
なったのはまさにデフォかと(苦笑)。
ということで存分に街の洗練を浴びてバスにて三ツ沢公園へと。
…3年前とさほど変わってない光景と人々がそこには。沢山の方々にご挨拶していぢって
戴きまして(笑)お互いの近況を話しての定番の時間を過ごして。
とはいえ、スタンドに入ってゴール裏を見渡してみると、定番の方々だけではなく思って
いた以上に人が増えている。これが確認できただけでも十分収穫がありました。
そして新曲チャントの披露、併せて選手コールを。「じゅんのすけ」コールには「これかぃ」
とつい笑ってしまいましたが、曰く付きの大黒コールした際の彼の振る舞いをみた瞬間に
「これでいい、蟠りなく応援できる」と。
試合内容については、箇条書きにてお約束の個人の主観偏見にて。
・全体的にはお互いに開幕戦独特の固さからでしょうか、ボールがばたつく光景が頻繁。
一番怖かった「ばたついてぽろっと速攻失点はいそのまま」だけは避けられたのが今日の
最大のポイント。
・北九州はやっぱりこれからチームとしてリーグに慣れていく段階かな、と。
・逆に横浜。DFについては全く不安がなかったものの、GKのキック精度には疑問符。
・攻撃については、選手間の連携を向上させていく、まだまだ発展途上という印象でしたが
個人スキルの高さは随所に感じました。
・とはいえ寺田と智吉については「もっとガンばれぃ」と。とりわけ寺田が突き抜けたら
最強になると思っているだけに。
・驚いたのはシルビ、ほぼ全盛期の仙台新潟時期のプレーに戻ってましたので「当たりだよ
これ」と。だんだんとこれからサーレスへの指導説教強化連携が出来れば、間違いなく
恐怖になるかと。
・高地については、得点の際にあの位置にいたことが全て。すなわち「狙いを定めて常に
相手からフリーの場所に動き続けた」のはお見事。こういう泥臭く動ける選手が横浜に
来たのが今年の一番の収穫。
・しかしながら3人目の交替の瞬間に「リーグ戦から演芸になりましたね」と呟いた瞬間
に、周りからの笑いと冷たい視線を戴きましたのは、横浜ゴール裏の定番芸風お約束
かと(苦笑)。
・ひとまず次のためにも課題が具体に見えたけどギリギリで勝つぐらいが、とは思って
いたのでこの2-0の結果は現時点でのベストかな、と試合終了前に考えられたのが守備
の安定が一定して最後まで見えていた証拠かと。
ひとまず「現在の課題」と「勝利という結果」の両方が具体に見えたので、ほっと一安心
した瞬間に急激に寒さと雨がとかく身に染みた今回の三ツ沢の現場でした。
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多分、一番心配していたのは、断片的な聞こえる話とはいえ、もしかするとあの三ツ沢の
現場が誤った方向に進んでいるのかもしれない、と。
個人個人の見方感覚があるからこそ、この横浜の現在の現場は受け入れられるのだろうか、
と。己の直感に判断をゆだねることとしました。
でも、その答えは今日のピッチ上を見ればすぐにわかりました。
「まだまだ発展途上、でも夢は続いている」
大丈夫、やたら不用意に心配しなくてもいい。
これが実感できただけで十分でした。
昨日の現場だけではなく、私がいなかった3年間を支え続けた人々の想いが三ツ沢の丘の
上には間違いなくありましたから。
本当に、よかった。
そして「現在の自分を受け入れてくれてありがとう」と。
一番大切なことでした。
変わること、逆に変わらないことを両方見据えつつ、我が愛する横浜としてきちんと
未来に進んでいる。
遠く離れた時間は、決して悪いことではなかったと心から思いました。
もう一度、少しづつでも現在の街から青と白の横浜を支えよう。
ゆっくりと新しい自分自身の歩調で見守っていこう、と。
その「決意」こそ、己がこれから未来に向かって生きていく為の力になるのかな、と。
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離れた人もいる。
でも、待っていてくれた人もいる。
だからこそ。
もう一度、これからも福岡の街から可能な限りあの三ツ沢の丘の上に向かおう。
横浜の仲間が捧げてくれた大切な想いを、同じように己の胸の中にも秘めながら。
この場所で
待っているから。
いつまでも
待っているから。