PM15:40 J2鳥栖のDF陣と激しく交錯したJ2横浜FWアレモン。
彼の蹴ったボールが、山なりにゴールマウスに向かった。
そしてそのボールは、目の前の鳥栖のゴール枠内に届く。
その瞬間、アウェィ側横浜ファンの感情の爆発がおきた。
皆が観客席前方へと走り出した時、己の横で風が吹いた。
この風こそが、我らを次の舞台へと届けてくれました(涙)。
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とにかく、己は九州の現場にいました。
まずは時系列で、たかの周りでは何が起きたのかを記していきます。
AM 8:00 福岡天神の定宿で泥酔から目が覚め頭痛腹痛(阿呆)。
AM 9:00 JR博多駅到着、特急に乗って一路鳥栖へと向かう。
当然何も食べる気が起きずにまずはウーロン茶のみ。
AM 9:30 JR鳥栖駅到着、6番ホームなのでかしわうどん(当然)。
しかし食べながら前日の酒臭い汗が既に全身を(馬鹿)。
AM 9:45 鳥栖スタジアムアウェィ側ゲートに到着、待機列に。
とはいえど、この時はやや強い雨だったのでテント内に。
大体20人ぐらいが既に到着していましたので世間話。
AM10:30 今年最終戦のスタジアムパフォーマンスの話が。
詳細はWEBでUPだけど、紙テープとバラの花を。
「後日リンク依頼するから」「了解」と話を終える。
AM11:30 アウェィ側横浜待機列が結構な長蛇の列となる。
この段階では概ね200~300名ぐらいだったかなと。
この時点で「いつもの10倍だわ」と(苦笑しみじみ)。
AM12:10 開場、各自いつものとおりに横断幕の設置に向かう。
AM13:00 何故かスタンド一番上に最近よく見る布の固まりが。
「今日もビッグフラッグ出すことになった」
「えっつ、ないって聞いていたけど?」
「チームが持ってきてくれた、出そう、だって」
「ちょいとまて、人数いる?やれる人間って集まる?」
しばらく議論して、なんとかなりそうとなったので実施へ。
AM13:30 概ねの横浜ファンがスタンドに登場、新幹線組も到着。
神戸戦まではないが、関東近郊アウェィ程度の人員。
「この前の徳島戦は緩んだので大丈夫かな」とやや不安。
AM13:35 ピッチ上にGK菅野と小山が登場。
いつものとおり定番の選手コールから応援が始まる。
「す~げ~の~っ!」と一発発した途端に反射がきた。
「あ、これだけの声の固まりができれば大丈夫」と直感。
AM13:40 バックスタンド側にアウェィ側の様相の写真を取りに。
この段階で全体が500人規模、声出すのが200名規模。
どんどん鳥栖側には人が入っているけどそう不安にならず。
「あれだけ今日は声が出てる、大丈夫」と己に言い聞かす。
AM13:45 ビッグフラッグのメンツが集合、最終の打ち合わせ実施。
各自の配置場所とタイミングだけを確認して声をかける。
前回の徳島戦で「マスゲームだけで満足してた」との反省。
それを避ける意味で皆が拳を併せ気合を入れ持ち場へ。
AM13:50 ピッチ上の選手をまずは皆でコールして一通り終了。
すると今年の我がJ2横浜の功労者がメインスタンド下に。
スタッフとして鳥栖入りしていたので皆でコールを送る。
「おのともーきち!!」と何度も何度も大きな声で皆が。
するとフラッグの準備をしていたら何とありえない応援が。
「えっつ!」と思って目を凝らすとスーツ姿で確かにいる。
一気にゴール裏のテンションが上がってフルバージョン。
「お・の・しんぎ お・の・しんぎ!」「小野信義 やれ!」
・・・ ここまでも燃料投下されるって思わずに(号泣)。
AM14:05 選手入場、きっちりと上から下にビッグフラッグが展開。
展開させた後も全く応援の声量等は変わらずに安心。
皆が皆「どうにかしなきゃ」との意識が高い状況でした。
(試合前半) 鳥栖FW新居の動き抜群、マンマーク気味で彼に対応。
MF内田とヨンデを鳥栖は狙い撃ちにしている感じでした。
あと今日のなかじはいいなかじ、きちんとDFできてました。
逆に右DFのオッパが危ないDF処理など目に付きました。
試合前には実は雨がやむどころか晴れ間も出てました。
ところが試合が進むにつれてまたもや雨足が強くなって。
さらに気温も低下、かなり前半は厳しい状況でしたね。
とはいえども特段危険な瞬間もなく普通に0-0で終了。
PM15:05 後半開始、鳥栖の攻撃も悪くないけど最終形に到らず。
逆に横浜も、どちらかといえば悪くはないけど膠着気味。
「さすがに今日のアレモンはなんかするだろ」と期待感が。
PM15:35 思った以上に引っ張ってFWカズからアレモンに交代。
すると、やはりどんどん相手DFの裏を狙う展開へと。
さらには強引に見事なドリブル展開からのシュートまで。
「こりゃ一発決めてくれれば何とか逃げきれれるな」と。
PM15:40 横浜得点、やっとの得点なので「もう守ろう」と内心では。
PM15:45 MF滝澤の代わりに北村投入、無理に攻撃せずキープ。
城と北村が相手陣内の深いところでひたすら時間稼ぎ。
鳥栖の攻撃も危険な場面があって肝を冷やした瞬間が。
とはいえど全体的には横浜守備陣を攻めあぐねた様相。
コーナーキックの際には誰も前線に上がらずこの二人が。
するとアレモンが何度も何度も両手でファンにアピール。
その様相を見て横浜の皆が再度応援コールを強くする。
PM15:50 試合終了、その瞬間に皆の勝利の雄たけびが。
たかも久しぶりに観客席一番前に行って選手を迎える。
アレモンが喜びのスライディング一発、何度もアピール。
選手達が晴れやかな表情で整列して挨拶、皆の喜び。
城のコールを何度も何度も、メインスタンド側へ彼らは。
残った素弘が、残ったボトルの水を振って観客の方へ。
その表情も「まずは勝ったよ」とのはればれとした様相。
PM15:55 ひとしきり勝利の定番のパフォーマンス、テキーラまで。
皆が握手、抱擁、そして「まずは第一関門だ」との声。
すると、コールリーダーが次のように皆に対して叫ぶ。
「急いでこの場は撤収だ、福岡空港で選手を待とう!」
横断幕や荷物の片付けを、大至急皆であっという間に。
鳥栖の最終戦セレモニーが終わらないうちに一挙退散。
PM16:30 JR鳥栖駅到着、すぐの特急に横浜の皆が大挙して乗車。
車内では今日の試合の感想とひたすら試合速報チェック。
この時は柏先制(相手:札幌)と神戸失点(相手:湘南)。
「これだとうまくいけば神戸と湘南引き分けがあるかな」と。
PM17:15 福岡空港着、第二ターミナル到着のところに皆が続々と。
館内はさすがにまずいので、館外で選手バスを待つことに。
その間にもひたすら携帯とにらめっこ、試合速報を何度も。
PM17:20 携帯速報に動きがあった、そこでたかは周りの人に質問。
「なあ、さすがに今日は他チームの応援していい?」
「何をするのさ一体?」
「うい、あー、さっぽろ! ういあーさっぽろ!!」(爆笑)
・・・ そりゃ柏が2-2だ、叫ぶって(一同激しく納得)。
・・・ 当然、その10分後にも叫びましたよ皆で(当然)。
PM17:30 さすがに、この時点で「やばいな」と思ってビル館内へと。
でも、どこでも「シャンパンは・・・」といわれたので断念を。
泣く泣く、まさかの時のシャンパンを諦め元の場所へと。
PM17:45 200人規模のJ2横浜ファンがひたすら祈り携帯を見る。
すると、スカパー見ている人から電話を受けた人が言う。
「柏戦、ロスタイム突入、4分」との声、もうただ祈るだけ。
「終われ早く!」「このまま札幌3-2で勝て!」との声も。
すると神戸逆転2-1の情報が入り、柏をやはり中心に。
この時点では、誰しも「今日は優勝はないな」と口々に。
PM17:50 まず始めに、携帯で話していた誰かの叫びが聞こえた。
「柏戦、試合終了! 決まった札幌の勝ちだ!!」
その瞬間にまずは皆の喜びが大爆発、号泣者増殖。
でもまだ実は実感ができずに己は携帯を何度も確認。
すると、何だかおかしな叫びがいきなりここで聞こえた。
「ロスタイムで湘南が神戸に追いついた!!」
そこで皆が一気に「えっつ!まってそれ!!」と正気に。
そして携帯の画面を見た、確かに2-2の引分けの表示。
そのわずか数秒後、己の携帯の画面にはっきりと出た。
「柏2-札幌3 試合終了」「神戸2-湘南2 試合終了」
「携帯も確定でた! 俺達が優勝だ!!」で皆に叫んだ。
この瞬間、私の涙腺は一発で破壊されました。
周りにいた、苦労を共にした仲間と嗚咽と共に崩れました。
何度も何度も「ありがとう」と「つらかったよこれまでって」と。
泣きくずれる者、万歳する者、じっと噛み締めて喜ぶ者。
皆が延々と、いつもの横浜の応援コールを叫んでました。
本当に福岡空港で「横浜」コールが鳴り響くって想定外。
「こんなことがあってもいいのか」「だから横浜なんだよ!」
さっぱり訳がわからぬ、でも最高の会話の繰り返しでした。
PM18:00 一通り、皆で泣いて喜んで叫んでまあ一応落ち着いた。
すると「来たぞ来たぞ!」の声、その声の方向を向いた。
紛れもなくそこには、我らJ2横浜の選手達が乗ったバス。
そしてバスが近づいてきた、バスの中を皆が一斉に見る。
そこにあったのは、彼らの最高の最高の笑顔と喜びの姿。
もう止まらない、選手バスに向かって一斉に皆が走り出す。
バスが止まった瞬間に、選手達に駆け寄って叫ぶ皆の姿。
そして次から次に選手コールが飛び出す、皆は泣いている。
その中でも一番印象深かった場面:
山口素弘がスーツをばたつかせ何度も大喜びしてみせた。
本当に晴れやかな最高の笑顔を皆に見せてくれた(号泣)。
選手達がバスから降りて空港ターミナルへ入っていく。
もう皆が選手達に声をかける、そして喜びを共有する。
PM18:10 ここからは個人的懺悔録(今は反省中(神妙+苦笑))。
(1) バスが止まった時、近づいてガラスを叩きまくりました。
向こう側には小村選手がニコニコして喜んでいました。
(2) 降りてきた選手達に握手+声かけを。
でもその途中で、何故か人だかりが突然と出現。
小山選手に皆が抱きついて(当然俺も(大馬鹿))。
その他にも内田選手にガッツポーズや吉野選手に声を。
本当に最高のJ2横浜の選手達の笑顔を見れましたね。
まあこれが今日の現場のボーナスと思いましたです(苦笑)。
でもしかし、最後に実は個人的にクライマックスがありました。
一通り選手達がバスから出て、もう最後の状況になった。
最後の方で出てきた彼を見たら、たまらなくなり近づいた。
そして、心の底からの想いを込めて己は彼に握手とともに。
「本当に今までありがとう、来てくれてありがとう」
すると、彼もしっかりと「ありがとう」と握手を返してくれた。
・・・ 「城彰二」選手に直接気持ちを伝えられてよかった(涙)。
・・・ 本当に、晴れやかな一仕事なしとげた男の表情でした。
PM18:30 選手達は搭乗口の方に向かった、もう一通り終わった。
徐々に、横浜の皆も別れてそれぞれの方向に向かった。
どっと疲れが出てきたので、しばらくはあてもない話をば。
それすらも終わると、3階の食事できるところに移動を。
皆で乾杯をして食事してほっと一息、でも興奮はまだ。
PM21:10 少し遅かったけども予約変更できないのでこの時間となる。
予定通りの飛行機に乗って、福岡空港から羽田空港へと。
PM23:00 羽田空港到着、数名の仲間を車にのせて横浜駅西口へ。
3名はそこで降りていつもの店に、皆と握手をしてお別れ。
一人になると今日の出来事や過去を思い出してばかり。
何度も何度も涙が、それを拭いての繰り返しの帰り道。
PM24:30 部屋に到着。
長かった、そして忘れられない最後の旅はこれで終わりました。
大体の時間の流れは、これでお分かりいただけるのではないかと。
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やはり思います。
我が愛するJ2横浜は、本当に「ありえない」ことの連続でした。
これまでも対立や紛争の繰り返し、チームは強くならなかった。
応援しててもつらいことばかり、ファン同士の対立も激しかった。
今年だって1試合での監督解任、併せて方向が見えないフロント。
でも、ついに現場が好きな人だけが皆で団結して空間を作った。
お金だけの問題は残ってた、それ以外は全て経験してしまった。
昨年ブービーだったチームが、気がつけば安定感がある闘いを。
気がつけばきちんと勝ち点を積んで、それに連動して前向きに。
でも、だからこそスタジアムじゃなく空港で昇格優勝決定した。
そういう形で第一章の終りというのもお似合いだと思います。
でもね、それがよりによって「福岡空港」だったという結末。
すなわち、このチームの歴史に永遠に「福岡」という街が残る。
「たか」にとって本当に本当に大切な街、それが九州福岡。
そこで我が愛するJ2横浜の歴史が刻まれた、繋がったんだ。
あまりにも「できすぎだ」というのが今の本当の心境なのです。
それは、あまりにも今までの「ごほうび」としては有り余ります。
だからこそ、本当にうれしい。
ただただ、うれしいんです今の心境は。
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あの吸収合併報道から、己の運命は大きく動きました。
そしてJ2横浜と共に横浜川崎生活が8年になりました。
この8年は公私にわたってうまくいかないことばかりでした。
泣けるならまだいい、本当に感情が消えたこともありました。
でもその中には、いつも横浜の街とJ2横浜がありました。
そして、いつかはこの街に排除されるかなと思ってました。
いろんな出会いや別れ、つらいことも多かったもの事実。
でもこの街、このJ2横浜は己をまだ受け入れてくれた。
そして、とうとう次の舞台へと進む瞬間を享受できたんだ。
でも、もう先に進んだ時計は後に戻すことはできません。
そしてJ2横浜と同じように、己も旅に出る時なのかなと。
今すぐとは到底いいませんが、冬が過ぎてJ1リーグが始まる。
数試合だけ皆とホームのファンをやらせてもらって、なのかなと。
大丈夫、J2横浜である限りこのチームは福岡の記憶は消えない。
それを胸に秘めて、たかはこれからもJ2横浜ファンであり続ける。
それは己がどこに行っても決して変わらない、と確信しましたもの。
だから、またいつかこの横浜に帰ってくることを、いつまでも夢見て。
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長くなってしまいました、これで最後にします。
昇格・優勝が決まった瞬間に福岡空港で思い浮かんだこと。
それは「これまで関わってくれた人々」に対する感謝の想いでした。
すばらしき彼らがいたから、だから今日の喜びがあったのですから。
J2横浜があったからこそ知り合えた現場、そこで出会った人々。
それはスタジアムだけじゃなく、WEBという空間だって現場です。
それは「観戦記」という名の下に綴っていた「己の全て」なのです。
そういう場で出合えて文字にした様々な人々が己を支えてくれた。
本当に最低だったここ数年、でも次へ進みなさいと導いてくれた。
やはりありがとう、感謝しますという言葉しか浮かんできません。
始まりは「青い翼通信」の実名での観戦記から始まった文字の世界。
WEBでは「TAKA」で始まり「TAKA@九州人」という時期もあった。
そして最低の時期に始めたのが「ごまっつ」による「ごまっつの日記」
3年ほど続いたものの、己と「ごまっつ」の乖離に耐え切れず幕引き。
そして「たか」に戻し、「風をもとめて」でやっとたどり着いたこの結末。
でも、封印した過去の頃に知り合えた人々がいる訳です。
やっと、「ありがとう」と言うことを今だからこそできるのだと思います。
J2横浜の8年間に在籍した様々な選手、監督スタッフ達。
そして競技場で一緒に喜怒哀楽を共にしてきたゴール裏。
統一前からも、統一応援になった後で理解ができた仲間。
J2横浜を応援することに理解を示してくれた会社の人々。
WEB上で一緒にJ2横浜の看板を背負ってきた管理人達。
そしてそれがきっかけで交流ができた様々なサイトの方々。
さらには、敵として己の駄文珍文を読んでいただいた人々。
その一人一人に、今こそ何度も感謝の言葉を伝えたい。
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そして、他チームのWEB管理人やその中で知り合えた方々。
ここには今だからこそ、どうしても個別の話をしておきたい事が。
「ごまっつの日記」の頃、かなりの頻度でJ1新潟の話が登場。
それはおやすみアルビを吊るしたことが当初のきっかけでした。
でも、そのうちに統一応援直後のビッグスワンの試合があった。
その観戦記がきっかけで、ある女の子との出会いがありました。
いつしか、たかとその女の子は深く関わるようになっていました。
でも、現実の中で、己の過去と彼女の将来は交われない、と。
それに気がついた時、己から彼女に別れを切り出したのです。
でもこの1年は、彼女への想いや幻影を消すことに苦悩ばかり。
彼女は多分、同じ新潟ファンの男の子と将来を歩むのでしょう。
そして己はやっと、彼女への想いを残しつつまた旅に出ようと。
いつか一緒にまた時間を過ごせることができたらと胸に秘めて。
そう、おわかりのとおりおやすみ「もと○ろ」の里親を受けた彼女。
初夏に咲くきれいな花の名前で、彼女を普通には呼んでいました。
そして、その子の本名は、己が過去最も傷つけた女性と全く同じ。
本当に運命を感じてしまった、だからこそいい結末にならなかった。
でも今は、心から感謝の言葉を捧げて頃合を見て旅に出よう、と。
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もちろんですが、この彼女だけではありません。
様々な形で己に関わってくれた一人一人に、今こそ伝えたい。
一つの形ができた、だからこそ全ての関わってくれた方々に。
全ての封印をといて、「ごまっつの日記」で知り合えた人々にも。
今日の全てが終わった時、福岡空港で不意に口からでました。
その自然に出た歌を、己の万感の感謝の想いを込めて送ります。
♪ あなたに会えて 本当によかった。
嬉しくて 嬉しくて 言葉にできない。
今 あなたに会えて woo woo woo ♪
# BGM:「
言葉にできない」(小田和正)