何をしてもいろいろな可能性があって、それを自身でも分かっているから後悔というものを感じるわけで。
今、僕は介護の仕事をして、毎日あくせく働いてるけど、もしもあの高校に行ってなければこの仕事はしてなかったと思うし、存在すらよく知らずにいたかもしれない。
高校3年になって、人並みに「進路」というものを考える立場になったとき、僕は大学にいこうと思っていた。福祉系の大学に進み、介護の職業に就こうと。
そのために僕は選択授業でも英語や国語という大学にいっても使うものを選んでいた。もともと専門高校だったから、普通科の授業はほとんどやってなかったから、大学に行ってから苦労するだろうなって思って、選んだ。
でも、いざ進路を決めるときになって急に「専門がいい」と思ってしまった。大学は遠くて、家から電車とバスを乗り継いで2時間もかかる。そして4年通うんだ。介護の知識なんて専門でも変わらないし、専門で2年やって就職して、大学だったらあと二年あるから、その二年で実務経験積んだ方がぜったいいい介護をできると思ったからだった。
無事、専門学校に受かったけど、どうも胸中はすっきりしない。
仲のいい友達は大学に行った。私立とか東京とかそういうのはバラバラだけど、みんな大学に行くって張り切ってた。僕はなぜだかその輪に入れず、すごく後悔してた。
大学に行きたい。
そう思ったときには後の祭りで、入試の手続きも終わってしまっていた。そのころ聞いていたバンドの曲を聞くたびに、そのことをいまだに後悔している。
担任の先生に
「あそこは就職率100%だけど、それは卒業してすぐに関連の施設に入れて2・3年したら他のところを自分で探すように言われて、辞めさせる」
という話を聞いたのも、大学に行かなかった理由の一つだし。
そのほかにもいろいろ人に話を聞けば聞くほどに、大学が遠く感じてしまっていた。
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心残りになることならば
うわさ無視して 進めよ彼方
遠くへ 大切なもののとこへ
自信持って行くしかない
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これがその頃聞いていた「RIZE」というバンドの歌詞。ちょうど自分のことと重なって、もう少しこれを早く聞いていたら、僕の人生は変わっていたかもしれない。
今の就職先だって、最高じゃないし、他にももっともっといいところがあると思う。どうしたらいいのか、自分でもわからずにいる。
後悔ばかりが重なって、いつしか自分の足かせになっていることに気づいた。自分の可能性を過大評価するわけじゃないけど、今からならまだまだいろんなことができるはずなんだ。でも、何をしたらいいのかもわからないし、きっと何をしてもまた後悔するんだと思う。何をしても、何をしなくても後悔してしまう。
時間があるとこんなことばかり考えてしまう。
無ければ無いで、ほしいほしいと望むのに。