外科医(9年目)日記

自分さえ我慢すればいいと思って頑張ってきた。そんな僕には家族が出来た。患者も大切、家族も大切。わがままだろうか?

人が死ぬ時 その2

2008年07月02日 11時35分16秒 | 胃癌
ステロイドがきいたのか?
入院後の看護がよかったのか?

その人はだんだん食欲がでてきて、言葉にも力が入り、
リハビリをしてみたいというようになった。。。

会えばだるいだるいしか言わなかったのに、
前は、、、だの昔話をしてくれるようになった。

「私、先生のこと好きだ。。。」
 80前のばあちゃんに言われてもくすぐったいものだ。。。
入院してから2週間、かなり元気になっていった。。。

しかし、抗がん剤をしているわけではないので、やはり病気は進行していく。

本人もふと真顔で聞く。。。「すすんでいるんだべね。。」

僕も言葉に詰まるのだが、緩和医療は告知を前提としているし、
自分の病状をしらないで治療するのは不幸だと思っているので、
正直に、
「検査してみないとわからないけど、進んでいる可能性がたかいとおもう」
といっていた。
ただ「元気になることが、がんを抑える可能性はある。」とはなしていた。

本人はどこまで理解したかはわからないが、がんばるといっていた。

このとき、自分で立って歩くことは患者さんは無理になっていたが、歩行器を
使って歩ける程度になっていた。

「このままじゃ、家に帰られない。自分で歩けるようにならなきゃ!!」

                               つづく

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