古社を訪ねて


大阪・奈良の『古き神々との出会い』

26 剣主神社

2007-05-04 | 大和国

奈良県宇陀市大宇陀区宮奥に鎮座する「剣主神社」
淀川水系宇陀川上流域に位置する。
鎮座地の宮奥は鎌倉期から見える地名で剣主神社は白石明神とも称された。


式内社 剣主神社

剣主神社
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由緒

『当社は、宇陀郡大宇陀町中宮奥の宮奥川の左岸、白石に鎮座の社で、「延喜式」神名帳剣主神社にあてられている。「大和志」に、宮奥村に在り、石段有りて社屋なし、土人伝えて故実となす、とあるが、俗に白石名神とも称し、本殿の周囲に白色の硅石が数個ある。後方の山頂にも白石群があり、当社の奥の院といっていた。江戸の末期に本殿が造営されたが、それまで社殿なく、白石群を神体とし、例祭などにはここで參籠したと伝え、今の社殿のある付近は、かっての遥拝所であったというから古代日本の祭祀形態が、近世末まで残存していたことになる。背後に宝林山瑞谷院という神宮寺があったと伝える。
祭神について「神社明細帳」や「宗教法人法による届出書」には「祭神不詳」とある。伴信友の「神名帳考証」では、「新撰姓氏録」大和国神別の条に「葛木忌寸、高御霊命五世孫剣根命の後也」とある剣根命を祭るとある。
例祭は9月9日で、5日に本年、明年、明後年に祭主を勤める当屋は、吉野郡河原屋の大汝宮社前の吉野川で斎戒沐浴、川石1個を拾って帰り、清浄な竹、杉皮でお仮屋を作って神前で使用した雲かわらけを御神体として納める。9日の祭典に当る当屋は毎月1日、16日、28日の3回、吉野川から持帰った小石を宮奥川上流に沈めて、その下流で禊する。当屋役が終わると、その小石を剣主神社の背後山頂にある白石の磐座で通称白石さんの神前に供える例である。なお一説に、大宇陀町下宮奥鎮座の天照大神を祭神とする神社と、同町半坂に鎮座の祈雨・止雨神で、祭神素戔鳴命・経津主命・葺原醜男命とする同名の神社を、式内社とする説もある。』

全国神社祭祀祭礼総合調査 神社本庁



御祭神 不詳
後方の山には白石群があるようで、地元では奥乃院と呼んでいたらしく昔は、社殿がなく、白石群を御神体としていた。
画像付近は、遥拝所だったようだ。


「因みに、鎮座地は宮奥字白石、画像は、本殿背後の白石」

ひとこと
いつか、「明神の尾」を歩いてみたいものだ。

「郷土探訪」