風立ちぬ

大切な人と、今この時を大切に過ごしたい。ただ、一生懸命生きていたい。
夢を叶えたい。


当たり前の事だけど、分かりきっていることだけど、日常に紛れて忘れてしまう事。分からなくなってしまうこと。

この映画に心打たれるかどうかは、どこまで自分自身にストーリーを引き付けられるかだと思う。

細部まで語られない映像の行間に、自分の思いを重ねてしまう。
共感しつつも、自分はこうは生きてこなかったという後悔とか、憧れとか。
あんまりにもストーリーと映像が美しいので、それに対する自分の心がよく見えてくる。
この映画はそんな風にあれこれ考えて雑念で泣きそうになった私に寄り添って、優しくすくい上げてくれる。映画が、助けてくれる。




あと、庵野さんの声は良かったと思う。棒読みのキャラなんて、今までのジブリ作品にもいっぱいいたし、違和感はあんまりない。

『タバコすいたい、手はなしていい?』（多分こうだったと思うけど）っていうセリフ言うときの声が特に、ああいいなあと思った。