2019/04に中古購入した HONDA 除雪機「雪丸」HS655 J1 その後のメンテナンスとなり、パーツの部品名称は「、とカナ小文字でない」なので読みにくいため以下のように変更。
21111-743-010 ケース、トランスミツシヨン は ケース・トランスミッション
なお、整備はサービスマニュアルが手元に無く自己流となり参考だけにして下さい。
< 簡単な確認 >
・エンジンオイルの確認、オイルレベルケージを抜くと多過ぎた。
・ミッション、オーガミッションのオイルは未確認。
・エンジンは掛かりますが音が少し煩く安定していない。
・エアクリーナエレメントが無く直に外気を吸い込んでいるため安価のものをネット注文。
・クローラを駆動するシャフト部のオイル漏れがありオイルシールの交換必要。
・オーガを止めるシャーボルト部がガタガタになっているため無理して使用したのか。
・丸い回転部のシュータ止めが1ヶ所欠けたため前に倒れた状態なので修理/交換検討。
・各ケーブル類は重くなっており外してグリースアップが必要。
・全体的に錆止めや再塗装が必要なためミッション修理後にホンダ純正赤で塗装予定。
・クローラは交換したようで数年使用可能。
エアクリーナエレメントが無いためGX160用の一番安いものを注文しましたが後で知ったのです小型除雪機にはエアクリーナエレメントは付けないようです。
雪国では空気が汚れていないためか。
クリーナカバーのみですが私の場合は埃などある所で使用するため絶対に必要。
エンジンオイル点検でオイル給油キャップを外すと少し汚れたオイルが溢れてきました。
整備したのは一般の方ならば仕方がありませんがプロの整備とは思えません。
山側の草の上だったので汚れたオイルを下に落としてレベルケージ中間の規定量(0.6L)に合わせました。
シュータ付け根の黒く丸いプラスチックのシュータ回転座の3本のネジで後ろ側が破損しておりシュータが前側に倒れた状態のため回転座を外して180度向きを変えて真後ろ側に当たらないようにボルトで穴を開けて取付けました。
しかし標準の180度回転ができなくボディ側に爪がある所で回転止めになっていました。
回転止め部をカッターで削り取付けてからシュータは全方位360度回転するようになりましたが実際に除雪しないので問題ないと考えます。
オーガやブロワを点検すると錆だらけでガタガタするため原因を見るとオーガシャーボルトとオーガと共に上下の穴が広がりずれていました。
当初オーガの穴はボルト径だったのが楕円形にオーガ側の筒が15mmぐらい破損してボルトがしっかり固定してあってもオーガが左右7~8mmぐらい広がりずれた状態で使用していたようです。
そのまま機械小屋の奥に押し込んだ状態でしばらくお休み…….
8月になり稲の出穂を待つだけで後は畑、各草刈りと水回りをするだけとなりましたが長い梅雨が開けて猛暑で日中は日陰でも35度の暑さで除雪機の整備に入れませんでしたが何日か続くと慣れてきたのか夕方は少し涼しいと感じるようになり作業を開始。
< 分解作業1 外装脱着 >
最初に簡単に直したシュータを外して、オーガを外そうとしましたが右側は簡単に抜けたが左側のオーガシャーボルトが抜けません。
無理やり小型ハンマーと一番大きいマイナスドライバーで頭を叩いて元の位置に戻して反対から古いプラスドライバーで叩いて押し出しました。
見事に く の字に曲がっておりこんなキケンに状態まで使用したなとネジを見ながら思いました。
オーガのシャフトを抜くと中央にオーガハウジングを固定ネジが6本あり緩めるとそっくり外れました。
一度も外したことはなかったようです。
クローラを駆動する前側の車軸ローラを外して左右のクローラを外しました。
シャフト部のオイルシールより漏れがあるためベットリとオイルが付着していました。
次に裏側のリコイルスタータ側のファンカバーも外して点検しましたが特におかしい所はありません。
軽くなったのでその状態でバイク用のジャッキスタンドに乗せました。
すべてのHS655パーツリストがあれば分解手順が判断できますが無いため20cmぐらいジャッキアップした状態で左右のクローラとテンショナーを外しました。
クローラは交換したようで小さいひび割れも無く購入した条件の一つでした。
その後左右/上下から覗いてケース・ミッションはどのボルトを緩めるべきかじっくりと検討。
何も分からない所からスタートするのは悩みますが楽しいです。
< 分解作業2 オイル排出他 >
オーガに接続されていたフロント側より開始。
オーガ用の湿式多板式クラッチの中央の固定ナットは12mmでしたエンジン側シャフトも連動しているため左廻しても一緒に回ってしまうためエンジンスタータ側に17mmの長いボックスレンチでハンドルの下部で仮固定してフロント側の12mmを回すとなぜか軽く緩みました。
( なお、除雪クラッチレバーを下げて固定すればロックするので簡単です )
ギヤプーラー等を使用しなくてもグラグラするため手に掴んで引き出すとスンナリと出ました。
バイクと同じように各3枚のディスクとプレートで構成されていました。
少し押したり戻したりして状態を見ましたが特に悪い所は無いようで後でエアーブローすれば良いと判断。
本体側を覗くと回転するこの多板クラッチ裏側を左右2ヶ所の爪(フォーク)で押し出してロックする構造でその先のケーブルは除雪クラッチレバーとなっています。
ミッションオイルを抜きましたが汚れた程度で少量0.2Lぐらいしかありません。
規定量2.0Lなのにミッショントラブル原因は駆動シャフトのオイルシールよりオイルが出てしまってほとんど無い状態で使用したためどこかのギヤを舐めてしまったかと。
そのギヤが1つならば良いが数ヶ所あれば問題と考え今回の購入は失敗したかと思った。
仕方がありません。
次に真っ黒なエンジンオイル0.6Lを右のドレンボルトで抜き、その後左のドレンボルトで残っていないか確認。
HONDA GXエンジンはなぜか前後または左右に色違いのオイルキャップとドレンボルトがあります。
このGX160ではドレンボルトの高さの位置は同じのためどちらか一方で良いと思います。
確かGX200の運搬車ではドレンボルトの高さが異なるため低い方から抜いています。
理解できませんでしたが機械により設置する状態が水平でない場合2ヶ所あるのだろうと勝手に思っています。
オイル抜きが終わり再びバイク用ジャッキスタンドに乗せて見ていると前側のケース・トランスミッションとエンジン側のカバー・トランスミッションケースはパッキン止めされています。

< 分解作業3 ケース分解 初回 >
変速レバー、走行クラッチケーブル、除雪クラッチケーブル固定ネジを外してから考えました。
・トランスミッション部をエンジンより分離して整備するようにネジ止めとなっていましたが内部の確認だけのために前後のケースを外す必要があるのか。
・トランスミッションを外して整備時はケース・トランスミッションが真上した時にケース分離すると組み込んだギヤがバラバラになって落ちてしまうのではないか。
バラバラになった場合パーツリストだけでは元に戻せないためと判断。
そのため本来は行わないカバー・トランスミッションを残して15度ぐらい斜めの状態で前側ケース・トランスミッションのみ分離することにしました。
ケース・トランスミッションのみ固定する10mmと12mmの各ボルトをひとまず緩めて特に固まった所はなかったのでひと安心。
最初はバイク用のジャッキスタンドに乗せたまま作業しようと思いましたが腰を曲げながら疲れるので作業小屋の奥にあったIBMメインコンピュータの処分時マシン室内の各マニュアル棚のテーブルを貰ったのをミッション分解用のテーブルにしました。
目線は低い椅子に座りじっくり検討する時にピッタリです。
翌日涼しい朝から気合を入れて作業開始。
ケース・トランスミッションへのカバー・トランスミッションからの各ネジを外しましたが面倒な中央右側10mm1本と左側10mm2本は最初スパナで緩めましたがその後はラジオペンチで少しずつ回しました。
結局エンジン側に当たってそのまま取れないため取付け時のネジが不一致対策となり好都合。
この工程で確定しましたが本来はエンジンからカバー・トランスミッションより分離するようです。
オイルは抜いて置いたのでそのまま、ゴムハンマーで少しずつ均等に叩いているとパッキン部がほんの少し開きそのまま均等に叩いて1cmぐらい開いた段階で前方を確実に少し上向きになるようにハンドル部をベルトで固定して15度ぐらい傾けてからケースを両手で持ってゆっくりと引き出すとシャフト・インプットも一緒に付けたままでした。
コロン と嫌な音がしました。
幸いなことに内部の各ギヤ全体は斜めのためそのままの状態でした。
多分平行な状態ならば各部のギヤは落ちたと思われたので斜めにしたのは間違いなかった。
でも先程のコロンとした音は何かが落ちたようです。
良く見るとミッション内の奥の下側に残った排出オイルに小さいギヤが落ちて沈んでいました。
パーツリストを確認するとケースを引き抜いた時にシャフト・インプットも一緒に引いたためその先端にあったギヤー・アイドルドライブ(18T)がずれて落ちたようです。
前は大きいギヤー・カウンターシャフト(59T)の裏になっており見えません。
ひとまずギヤー・アイドルドライブ(18T)をシャフト・インプットの先端に入れてギヤー・カウンターシャフト(59T)の裏側に入れて斜めにシャフト・インプットを挿入。
そのままの状態を各角度からカメラで記録。

< 原因調査1 初回 >
・リコイルスタータでエンジン側より少し回しながら破損したと思う各ギヤを確認しましたが異常なし。
・チエン・リバース、スプロケットも確認しても異常なし。
・見えなかった奥にあるシャフト・インプットのギヤー・アイドル(18T)も外して確認して異常なし。
どこかのギヤが刃こぼれ等していると予想しましたが完全に想定ミスでした。
ここでお盆前のためひとまず原因調査作業は保留して埃など入らないようにケース・トランスミッションはゆっくりと元に戻して(挿入初回) 作業エリアは掃除片付けしました。
でもお盆の最中は時々何だっただろうといろいろと考えていましたが分かりません。
< 原因調査2 再開 >
お盆が終わり期間中作業しなかったのでスイカ畑刈取り、その他草刈り後20日過ぎに再開しましたが毎日暑く日陰で作業するにも気温34度が同様に作業は夕方のみ。
再び斜めの状態でケース・トランスミッションを抜きました(分解2回目)
( お勧め分解 )
・ゆっくりと確実に行うのが基本。
・前を15度ぐらい傾けて固定してシャフトCOMP・ギヤーシフトフォークは一番奥に押し込んで置く。
・ケース・トランスミッション中央にあるシャフト・インプットを手前にズレないようするため一緒に少しズレても奥に押し付ける。
・ケース・トランスミッションを両手でゆっくりと少し左右に振りながら引く。
・途中からウォームギヤーに絡んでいるシャフト・ホイールも少し手で回わします。
・スポット抜けますがシャフト・インプット軸は出来れば手前にズレていないこと。
ホンダ部品さんより頂いたトランスミッション図を見ながら少しシャフトCOMP・ギヤーシフトフォークを動かすと前進時エンジン側より
①シャフト・インプットの小さいギヤー・アイドルドライブ(18T)
②右下のカウンターシャフトのギヤー・カウンターシャフトファースト(51T)
③ギヤー・カウンターシャフトセカンド(37T)
④チェーンよりシャフト・ファナルのウォームギヤでクローラを駆動。
( 間違っているかも ? )
ギヤ変速するとの接続は変わり後進時はガラッと変わるようでした。
オーガ側へシャフト・インプットは回転したままで多板クラッチよりオーガシャフトへ。
各ギヤは問題なさそうです。
しばらくこの状態でミッション内を眺めていましたが……
ふと目線をずらすとケース・トランスミッションを外した駆動シャフト・ホイール側を確認していませんでした。
シャフトを回しながら各部を確認すると左側奥のシフター・メインクラッチが何かおかしい。
ギヤー・ファイナル(27T)と噛み合う角の部分が斜めに擦り切れていました。

現象として前進時はカタカタとほとんど進みませんでしたが後進時は多少進みましたのでやはり前進時の方が鋭く角が舐められていてこれでは滑ってしまったのだろう。
原因として勝手に考えると、
・キチンと走行レバーを握らないで半クラッチ状態で負荷を掛けたのでは。
・ミッションオイルが2.0Lにも関わらずほとんど無い状態でクラッチ部の金属疲労。
・走行クラッチケーブルの調整不備 など。
原因不明ですが不良部品は判明しましたので部品入手までにケースを再び元に戻しました。(挿入2回目)
( お勧め挿入 )
・15度ぐらい傾けて固定してシャフトCOMP・ギヤーシフトフォークは一番奥に押し込んで置く。
・ケース・トランスミッション側にシャフト・インプット軸を付けた状態では奥のギヤー・アイドルドライブ(18T)が落ちてしまうためシャフト・インプットをケース・トランスミッションから抜いて先にカバー・トランスミッション側にギヤー・アイドルドライブ(18T)に入れた状態。
・斜めからシャフト・インプットの穴から合わせてゆっくりと左下のシャフトCOMP・ギヤーシフトフォークなど確認しながら入れる。
・スッポリと入れ1cmぐらい開きの状態で軽くシャフト・ホイールをゆっくりと右に回すとウォームギヤと噛みあうとスポッと奥まで入ります。
・その後はリコイルスタータ側でリコイルロープをゆっくり引いて各シャフトを回してガタなど無いか。
< 部品手配 >
事前にミッション関連のパーツリストを頂いてあるので必要なものに〇を付けてまずはネットで確認。
・シフター・メインクラッチのみ送料込みで定額の半額程度のためネットで落札。
・その他部品はネットではなぜか高いため近くのホンダ販売店に行きパッキン・トランスミッションケース、シャフトオイルシール20X47X9.7 2個注文。
< 部品待ち、外した他の部品の修理 >
・オーガハウジングは下側が錆と凸凹のためハンマーで叩いて修理。
・シュータ真下のオーガブロアも斜めに変形した部分がありハンマーで叩いて修理。
・下側と内部は赤い錆止め塗料後にHONDA塗料で上塗り予定。
・ブレード・スクレーパーは地面との摩擦により鉄部分はすり減っておりどうするか。
・左右のソリも同じくすり減りカーブしている所から削り取られており似た金具等で代用。
・オーガ周辺もひどい状態でした。
オーガの羽が少し曲がっておりハンマーで叩いて修正。
左右のオーガを脱着すると左側は何とボルト穴が3つもあり1つ目のボルトでは固定できなくその後中心部に穴を開けたが中途半端なため諦め左端に貫通した6M穴にボルトが入っていましたが強度不足でくの字にすべてが曲がっており、一般市販のニッケルメッキ鉄ボルトでした。
本来のオーガシャーボルトに交換すべきですが除雪作業には使わないため、また凹み部の補強のため標準では短いため6mmx35mmステンレスボルトで代用しますがダメならばシャフトと共に左右のオーガも交換必要かも。
・多板クラッチ部のスプリングまで分解しようとしましたが良く見ると黒い摩耗クズが付着しているだけのようなので強いエアーで吹き飛ばし。
・シャフトCOMP・ギヤーシフトフォーク外部側のブーツ・シフトフォークシャフトの黒い細長いゴムがひび割れていましたが内部のオイルシールよりここからオイル漏れはしていないと判断。
3日後ホンダ販売店へ行き部品の引取りして、ネット分も夕方に届きましたが前日の納涼会の片付けなどで午後より整備再開。
< 不良状況の再確認 >
仮に付けておいたケース・トランスミッションを抜いて(分解3回目)から走行クラッチケーブルをケース上側に取付け。
走行クラッチレバーを握り駆動クラッチの状況確認。
レバーを下まで一杯に下げるとギヤー・ファイナル(27T)と今回交換したシフター・メインクラッチはキチンと噛み合っています。
この状態で使用したのならばメインクラッチ・シフターの角は絶対に擦れません。
丁度擦れている5mm位の噛み合わせに走行レバーを下げるとレバーにグッと負荷が掛かる直前の半クラッチ状態でした。
恐らく新品時は半クラッチでもある程度走行可能なためオーガ共にレバーを半分程度に握った状態で使用したのかな。
でもその状態では左手でグリップがキチンと届かないためハンドル操作に力が入りません。
ケーブル等の調整ミスではないと判断したためシフター・メインクラッチ交換作業開始。
< クラッチ部品交換 >
最初にシフター・メインクラッチを嚙合わせるために右に移動させる2つピンのあるフォーク・ギヤーシフトを外しました。
ピンを確認しましたが摩耗してなく問題なし。
次にシャフト左右のオイルシール抜きでしたが左のシフター・メインクラッチ側が3mmドリルで突き抜けないように穴をゆっくりと2ヶ所開けで引っ張りだそうとしましたがピクリともしません。
仕方がないのでシール反対側にさらに2ヶ所穴を開けてそれぞれ左右に針金を掛けて無理やり引っ張りだしました。
一度も交換していなかったようです。
反対側の右のオイルシールは2ヶ所穴を開けて引っ張ると簡単に開きました。
ベアリング・ラジアルボールを固定しているサークリップ47mm・インターナルは先端の2穴部を指で抑えながら引き抜き。
左右のベアリングはシャフト・ホイールをゴムハンマーで弱くトントンと叩くと少しずつ外側へ。
ベアリングをさらに引き出すとすぐにシャフト外周の錆に当たって引き出せません。
オイルシールを入れる前にシャフトの表面を研磨予定でしたがここで水を付けながら600番ペーパーで両方のシャフトの錆取りしてツルツル状態で左のベアリング取り出し。
シャフトを手で少し押し出すとダメになったシフター・メインクラッチが取り出せました。
ネットで購入した物とじっくり比較すると流石に角を舐めた部分はNGです。
削って再利用も考えましたが中止。
シフター・メインクラッチを入れるとシャフト・ホイール溝になかなか合いませんので右手でシャフト・ホイールをゆっくり回してチョンと少し溝に入ったままの状態でシャフト・ホイールを上下にしてベアリングを入れてサークリップ47mm・インターナルも一緒に止めました。
反対側の右の方も今度は逆にしてベアリングを入れましたがシャフト・ホイール内のスプリング・クラッチリターンの反動でサークリップの溝が見えません。
仕方が無いのでベアリングを少し強く5mmぐらい押し下げるとサークリップの溝が見えたのでそのまま急ぎサークリップ47mm・インターナルを挿入。
その状態でシフター・メインクラッチがシャフト溝に入っているか大きいマイナスドライバーをケースとの隙間に入れて確認。
次にシャフトCOMP・ギヤーシフト、フォーク・ギヤーシフトもピンをキチンと溝に合わせボルト締め。

オイルシールを付ける前に再びケース・トランスミッションに走行クラッチケーブルを付けて走行クラッチレバーを下げて駆動クラッチがキチンと噛み合わせが正しいか確認。
オイルシールはシャフト・ホイールを600番で研磨したのでツルツル状態でグリスを付けて廻しながら挿入して軽く叩いてピッタリと入れましたが今度は隙間がほとんど無いため当然ですがシャフト・ホイールを手で回すと少し重くなりました。
おかしい所は多分他には無いと思われ組み直しとなりますがケースを分解した時にパッキンがボロボロなので購入したパッキンを付ける前に表面にグリスを付けて湿った状態でカッターナイフで傷が付かないようにゆっくり、ゆっくりと削りました。
それでも表面に残っている部分は再びグリスを付けて角が丸まった小さいマイナスドライバーで舐めるように擦れました。
ひとまずケース・トランスミッションとカバー側もキレイにしてから中に落ちた削りカスをエアーで吹き飛ばしてウエスでカバーして保管。
気密性が必須の2サイクルエンジンのクランクケースでも無いので購入したパッキンはそのまま使用しようと思いましたが安全を見て止めました。
夕方10km先のバイク量販店でキタコの「液状ガスケット(クランクケース合わせ面用)」 5g 300円 で購入、当たり前ですが店長もやはりガスケットを塗っておいた方が良いと言っていました。
< 組み立て作業 最終 >
トランスミッションケースの組み立ては涼しい翌日朝から行いました。
最後に、
・ギヤ、ベアリングなどガタが本当に無いか。
・リコイルロープをゆっくり引き各ギヤのズレなど問題無いか。
・パッキン部をペイントうすめ液をウエスに付けて油、埃、削り残をキレイ。
・間違いが発生した時に組直しがあること考えパッキン用の液状ガスケットはケース・トランスミッション側のみ塗り、カバー側は避けました。
液状なのでドロドロのものを指で均等に伸ばして0.5mm厚のパッキンを張り付け。
ゆっくり確実に挿入最後の3回目。
・ピタリと入った後に仮に左右の12mmボルトのみ締めてリコイルロープをゆっくり引いてシャフト・インプットが回るか、走行クラッチケーブルを付けてシャフト・ホイールを手で回転するか、走行クラッチレバーを下げた時にロックするか確認、変速レバーを取付けて1速~後進まで動作するか確認。
・各10mm、12mmボルトの締め付けを左右、上下均等に締め付け。
・高い作業テーブルは必要無くなりバイク用ジャッキスタンドに変更してオイル注入へ。
作業し易いようにスタンドは足踏みして少し30cmぐらい上げて車体は水平にしました。
GX160エンジンオイルはHA7軽トラックのデフオイル交換時使用したAZオイラーで計測しながら注入して丁度で注入口で溢れ出る寸前で終了(10W-30 0.6L)
規定では5W-30ですが寒冷地でないため問題がないと思われレベルゲージはHLの中心となっています。
・ミッションオイルは左側中央に黒いゴムのキャップ・トランスミッションオイルを外すと18mmの注入口があり既定量を入れましたが注入口からオイルは見えませんでした。
(#80ミッションオイルでなく普通の10W-30 2.0L)
この時点でパッキンに付けた液体ガスケット硬度が約60分なのでエンジンを掛けてミッションのテストは問題無いと判断。
変速N中立の状態でエンジンは一発で始動、低速回転の段階で変速前進1でシャフト・ホイールがゆっくりと回りだしました。
次にN中立に切替てシャフト・ホイールが止まり、前進2にするとシャフト・ホイールは先程より回転が速まりました。
再びレバーを下げてN中立に切替てシャフト・ホイールが止まり、最後の後進へ切り替えるとシャフト・ホイールは逆回りしてそこまで異音など無く問題が無いことを確認。
前進2の状態でエンジン回転を中レベルまで上げて各部、異音、パッキン周辺からオイル漏れ確認。
夕方に残り分としてオーガ用の多板クラッチを挿入する前に除雪クラッチケーブルが太いバネのため苦労。
ケーブル止めまで1cmぐらいの高さですがバネが強く引き上げられません。
試しにバネの下に針金でスタンドジャッキに取り付けてジャッキアップして下側10mmボルトは仮止め出来ましたが上側10mmボルトは太いバネに当たって止められません。
といろいろ考えましたが夕食の時間になりひとまず中止。
翌日は10時頃から再開。
再考して今度はブラケット・オーガークラッチケーブルの12mmボルトを緩めたまま10mmボルトは外して右に傾斜してから除雪クラッチケーブルを12mmナットで正規状態に固定。
そのままブラケット左側を手で強く押すと10mmボルト穴が見えたので10mmTレンチ先端に10mmボルトを付けて押し込み完了。
< 組み立て作業 多板クラッチ >
丸いオーガ用の乾式多板式クラッチは前回エアーで埃を取りましたが少し気になり分解。
4本の8mmボルトは前回同様にモンキーレンチでクラッチ前側の35mmに合わせると無理なく開けられます。
上部クラッチカバーを取り多板クラッチの周りのカバーを取りむき出し状態にしてから4本の10mmボルトを開けようとしましたが強く締まっており諦めました。
クラッチアウターを外してディスク、プレートを良く観察すると多板クラッチの3枚の各部分が少しずつずれるようにハンダのように盛り上がっており逆にクラッチアウター内側は最初削られたかなと思いましたが各所シッカリその形に合わせて窪みがありました。
いろいろと考えましたが私の頭では理解できませんでしたが理由はあるはずです。

ディスクの厚み、スプリングの厚みなど確認するつもりでしたがひとまず諦めエアーで汚れなどとりキレイにして組み直し。
多板クラッチ中心部の軸内にグリスを吹き付けてケース・トランスミッションに挿入。
その時に何もしないと固定する12mmボルトは空回りしてしまうため除雪クラッチレバーを押し下げたままレバーはベルトで固定。
そのことによりケース・トランスミッション内の2つのフォークは多板クラッチ後部を強く固定して多板クラッチ全体が固定されます。
後は同様にモンキーレンチでクラッチ前側の35mmに合わせて12mmボルトがしっかり固定。
< 動作確認作業1 テスト >
ここまでのテストとして変速N中立でエンジン始動して各動作の異音など確認しながら、
・左ハンドルの各レバーは握らないで多板クラッチが回転していないかどうか…回転せずOK
・変速N中立で除雪クラッチレバーを握り多板クラッチのみ回転するか…回転OK。
・変速1速で走行クラッチレバーのみ駆動シャフトが回転するか…回転OK
・変速1速で除雪クラッチレバーを握り多板クラッチと駆動シャフトが回転するか…共に回転OK
・変速2速で走行クラッチレバーのみ駆動シャフトが回転するか…回転OK
・変速2速で除雪クラッチレバーを握り多板クラッチと駆動シャフトが回転するか…共に回転OK
・変速後進で走行クラッチレバーのみ駆動シャフトが回転するか…逆回転OK
・変速後進で除雪クラッチレバーを握り多板クラッチと駆動シャフトが回転するか…共に回転OK
この後に左右のクローラを取付けて調整ナットでテンション部を約5mm後方へ張りクローラのたるみは中央上部で規定25~30mmですがひとまず30mmとしました。
この状態でテスト走行。
以前のようにカタカタと金属音が無くなりスムースに走行、2速、後進しても全く問題無くなり今までまともに走行できなかったのがウソのようです。
その後、オーガハウジング等の塗装となりホンダ用の赤い塗料の注文。
ネットなどでは正規で1,500円ぐらい+送料で高いため調べるとコメリドットネットでホンダ除雪機補修塗料赤 998円で販売していたため2本注文して物は近くのコメリ店頭で送料なし。
でも納品予定日は在庫がなく約1週間後になり急がないため問題なし。
長文なのでこの後は2019/09 HONDA除雪機雪丸HS655その3 へ続きます。