クボタロータリ専用機となる小型の管理機またはミニ耕運機TR-6を入手しました。
機能的にはその後のTR50、TR60、TR70などに整備も含めてほぼ同じ。
主に家庭菜園として使用している家の前にある畑ですが春先に何もなければ160cmもあるトラクターのローターで一気に耕しますが数ヶ所に野菜が残っておりここ数年使用していません。
現在ある耕運機、管理機の最大馬力等は、
・共栄社 ホーネンス SL-70 8.0馬力 200cc? 耕運幅60cm 160kg?
・イセキ LANDmini33 KC33-PS 2.6馬力 124cc 耕運幅 24cm 41kg
・クボタ TMA25 2.4馬力 91cc 耕運幅52cm 30kg
・ホンダ FF300H 2.0馬力 57.3cc 耕運幅45cm 51kg
新たにミニ耕運機がほしい理由は、
・旋回が安全なもので重量100kg前後(重いホーネンスで旋回時土手から落ちそうになった)
・畝立ての培土器が可能 (LANDminiとFF300Hでは条件が限定されて使用できない)
・耕深目安として15~20cm、硬い土でも耕せる (トラクター、耕運機は余り使用したくない)
・前進作業は低速、中速と2つは必須(TR6x系はTR-6のみ)
・耕運幅は50~55cm
・中古で安いもの(入手後整備代含め5万円以下)
そこで今回検討したのは、
ホンダ FF500 4.5馬力 160cc 耕運幅 55cm 79kg 作業前進2
クボタ TR-6 6.2馬力 169cc 耕運幅50cm 105kg 作業前進2
クボタ TR60 5.5馬力 169cc 耕運幅50cm 100kg 作業前進1
クボタ TR70 6.2馬力 169cc 耕運幅55cm 105kg 作業前進2
旋回が簡単なものとしてTRS60のようにデフ連動ロータリ入切レバーは作業-直進-旋回とクランクになっておりスロットルレバーも操作を含めると面倒 (その後のTRS600は直進-作業-旋回とストレートになり改善)
でも新しいのは旋回時アクセルを戻して旋回モードに切り替え、車体後方を上げて旋回して再び作業、アクセルを開けるようですがこれは面倒。
そのため動画ではほとんど旋回のシーンがありません。
機種決定として、
本命はクボタ TR70でしたが中古でも高くTR60は数多く出ているが前進が1つのみ。
古いTR-6はなぜか前進が2つあり、それ以降のモデルは1速のみでデフロックレバーは他メーカー機のようにストレートでした。
結果として古く安いクボタ TR-6を探すことにしました。
ネットで現在も使用中で動作しているものを落札。
なおクボタ TR-6 ですが正式には TR-6Aとなるようです。
そのため正逆刃などはTR-6Aとして販売しています。
軽トラックで引取り後、翌日から整備作業となりますが田植えの準備などで少し忙しいので合間に行いました。
< 各部の動作確認 >
点検前にケーブルなど重い軽いは別としてまずキチンと動くかどうか確認すると特に壊れて動かない所はなし。
以下は点検、整備が必須な所を見ました。
車体を水平にするためエンジンフレーム前下にジャッキを入れて水平儀で測定しながら上げると先端部約4cmの所でした。
TSR60説明書にあるように2cmぐらいの厚みの板をタイヤの下に入れるのと同じです。
< ケーブル注油 >
各ケーブルと動く所にグリススプレーまたは#80オイルを注油して少し軽くなりました。
< 耕運刃 >
刃のボルト締めのガタの確認。
摩耗として元の長さは約15cmが約14cmとなり角は丸まっておりあえて新しいものと交換する必要ない判断。
もし交換する場合TR-6A正逆刃 ネットで7,000円前後。
< エンジンオイル >
引取り時確認するとオイルは定期的に交換していますと言われ給油プラグを抜くと交換してくれたためキレイな状態で油量上限となっていました。
< ミッションオイル >
古いためミッションオイルはいつ頃交換したか確認すると一度も交換はせずに補注していたようです。
オイル検油プラグを抜いて見るとドロドロとオイルが出てそのため下側とデフロック部がオイルとホコリで汚れていました。
定期的にみていたようですがオイルが落ちるならばウェス等置いてから見るべきでしたね。
TSR60からは検油窓となり見た目で確認可能。
なお給油口よりマイナスドライバーを斜めに指してもオイルが付着しないため上限ではありません。
下限となるオイル検油プラグのレベル位置は多分4.8Lぐらいだと思っており各オイルシールからのオイル漏れはないため1回/年でも良いかな。
でも特に汚れていませんがやはり古い為後で暇な時に5.5Lもある#80オイル交換予定。
< 点火プラグ >
フロントカバーの無いためホコリで汚れて付着していました。
点火プラグを外して見ると先端部全体にカーボンが付着しており真っ黒で混合気が濃いためか、プラグ熱価が違うためか、隙間は約0.7mmと狭いためか、短時間使用のみか 等考えられひとまず隙間は0.9mmに広げました。
また正規プラグはBP6HSなのになぜか比較的新しそうなBP5HSになっていたのが原因かもしれない。
その後落花生のマルチを貼る前に畝立てで使用後、プラグの状態を確認するとある程度キレイに焼けていたので使い方の問題か、隙間が狭いため火花が弱かったのかも知れません。
< エアクリーナ >
キャブレタ左側に固定された黒いエアークリーナケースが2カ所長いボルトでキャブレタも固定しています。
最初手前のボルトを抜くとキャブレタも一緒に手前に倒れましたがカバナーで引っかかる。
次に奥のボルトを抜くと一緒にエンジン後方の黒いパイプ、インシュレータも外れました。
このパイプは多分不完全燃焼時のキャブレタへ戻す役割かと思います。

ケースを外してオイル溜まりも外してからエレメントを真下から引き抜くのですがなかなか手で抜けないためプライヤーで掴み抜きました。
ケース内も含め真っ黒。
上部のケースキャップも外して見るとオイルに付着した土がケース内部全体に付着しておりウェスで拭き取りました。
エレメントは灯油で洗浄後1時間ぐらい乾燥して装着。
次にオイル溜まりも下には泥が沈殿固着しており細いマイナスドライバーで灯油に付けて何度も洗浄。
一連の状況で購入後エアクリーナのエレメント以外は手を付けていなかったのかも。
オイル溜まりの「OIL LEVEL位置」が消えていましたが多分6割レベルの高さと判断しましたが10W-30のオイルをオイラーで入れて各層の高さ調整している内に7割レベルになりましたが捨てるには面倒なためそのまま。
後で良くみると消えかかって薄く「OIL LEVEL位置」がやはり中間より少し高い6割レベルにありましたのでマジックで印を付けました。
< キャブレタ >
なぜか壊れやすい燃料コックは従来のままでした。
燃料コック真下のフィルタポットを開けると予想した通り汚れたゴミが付着していたので小さいマイナスドライバーで削り洗浄。
キャブレタ真下のフロートチャンバーも開けると同じようにゴミが付着していましたので洗浄。
フロートも真横から見てズレていないか、フロートを手で上げて自然に下がるか、その他確認。
フロートバルブ円錐の先端を見て傷などが無いことを確認。
その他はキャブレタクリーナを各穴に吹き付け後エアーコンプレッサーで別の穴から泡が噴き出すのを確認。
事前にエンジンは普通に始動でき、アイドリングも安定しているため特に問題と無いと思っています。
取付けはカバナーが曲がらないよう気を付けてエアークリーナケースの奥側ボルトを入れてキャブレタも奥側を貫通させてインシュレータも通して奥側を仮止め。
次に手前のボルトを貫通して2本のボルトを締めました。
キャブレタ裏側の黒いパイプはマフラー側より差し込みできます。
< 主クラッチ >
このTRシリーズはクラッチケーブルが切れやすいのか交換されていました。
確かに他のものと比べると最初重く引っかかるような感じのためケーブルがこれで負担が掛かるようです。
ベルトカバーを外して状態確認しましたがこれも以前にベルト交換されていたようです。
ハンドル側のクラッチレバーを紐で縛って、ベルト押え(テンショナー)が上がり張り具合を測定。
規定では10~15mmなので約13mmありOK。
< フロントカバー >
気が付きませんでしたが点火プラグ点検時フロントカバーがありませんでした。
最初無くても良いかなと思いましたが点火プラグ付近が汚れておりカバーが無いためと思い急遽何かをカバーすれば良いと判断。
家の廃材置き場でいろいろと見ていると以前セレナの車内ゴミ箱の先端カバーがあり寸法を測ると丁度。
カバーの付け根を切断してフロント部に合わせ6mmボルトが入る箇所があり利用して固定。
色はひとまずとして見た目は結構良いと思います。

< マフラー >
タンクを外してキャブレタ側に持ち上げてマフラーを外しました。
点火プラグがカーボン付着のため排気口の中もカーボンが均一に付着していたため右タイヤを上げて車体を傾けてマイナスドライバーで削ったカーボンが中に入らないように少しずつ削っては手袋した指を差し込み取り出しました。

キレイになってからライトで奥を見て削った分が少し落ちたかなと思いましたがエンジン始動で吹き飛ぶと判断。
前所有者が錆び止めで塗装したようですが耐熱ではないと判断したためバイク用の黒い耐熱塗料で再塗装。
< タイヤ >
3.50-7のタイヤはそのまま使用するつもりで空気圧を見ると左右タイヤには入っていません。
マズいと思いコンプレッサより空気を既定の1.4kg/cm2 を入れましたが翌日確認すると左タイヤの空気圧が少し下がっていました。
自然に洩れるため1度/年は空気圧が必要ですが耕運機のタイヤは指で押して不足しているか分かりづらいため良く忘れるようなので最低でも1回/年の定期点検は必須。
タイヤを外してどこで洩れているか確認。
稲の育苗箱の消毒に使用している樽の中に水を入れて小さなタイヤを入れて良く見ましたが空気が漏れていません。
水の中に入れてしばらく見ているとバルブ付近から本当に小さい気泡が出ているのに気付きました。
プラグキャップを外してみるとゆっくりと気泡が膨れて行きポコッと浮き上がっていました。
ほんの少し洩れているため空気圧が1.2kg/cm2まで下がった原因判明。
バルブ部のみダメで良かったです。
もしチューブが劣化して穴が空いていれば面倒な硬いタイヤを外してパンク貼りしなくてすみました。
その後バルブコアのみ交換した結果、空気漏れが無くなりました。
< リコイルスタータ >
カバーも含め点検しましたが問題なくロープもまだ十分に使用できるレベルで中心部にスプレーグリスを注入。
でもこのロープ長は他の機械と比べると50cmぐらい長いため最初リコイルを引いた時にこんなに引くのは少し大変と思ったためこのモデルで電動スタータがある理由がここで分かりました。
高齢女性では少しキツイだろうと感じます。
< スロットル >
ネジを緩めてスプレーグリス注入後、動きを確認。
しばらく見ているとどうしてこんな下側の位置にあるのか疑問でした。
作業中のことを考慮すると離れ過ぎです。
このモデル後TR60はデフロックレバーの所、さらにその後はエンジンスイッチの所へ移動しています。
スロットルワイヤーを引いてデフロックレバーの隙間まで移動しました。
それでもハンドルを持ち左側を歩行した場合はやはり遠いため、バイク用の適当なワイヤーがあればエンジンスイッチ横に移動予定。
< SWハーネスチューブ >
変速レバー左下側で破れていたため黒いビニールテープで補修。
当時にスロットルワイヤーと一緒に本来止める所に変更。
< ラベル補修 >
何ケ所か部分的に剥がれたラベルが見っともないため両面テープで貼って見た目良くする。
< 培土器取付け部改造 >
イエローのホンダFF300Hとイセキ LANDminiの培土器が未使用のためTR-6に使用できるように改造。
ホンダFF300Hは中古で入手時付いていたものですがメーカーのビデオ撮影のため条件の良い時のようで実際は使用できるレベルで無かった。
イセキ LANDminiは駆動輪が狭くハンドルが振られてクネクネの畝のためこれも実際は使用できませんでした。
知り合いの方も同じように使用していないと言っていました。
TR-6は四角い接続部なので 約32mmx10mmのため同じように四角いイセキ LANDmini用は32mmx12mmと厚みがあるため約2mmグラインダで研磨して挿入。
でも純正培土器でないため高いため水平にしてもロータリ刃は7cmぐらい浮いてしまうのでロータリカバー後方中央部とフラップカバー上部中央部を削り培土器が上がりロータリ刃との差は3cmとなり、実際にテストすると何とか畝立てが可能となりそうです。

以下のように耕していない所でもイキナリ畝立てのテストしてOK。(但し2週間前に草取りで耕しています)

< フラップカバー改造 >
実際に耕してみると跡がフラップカバーの△▽の凸凹で平坦でありません。
昔の耕運機のカバーも同じようにありますがなぜ△▽にしているか私には理解不能。
耕作後の整地したつもりが凸凹なので個人的に好きになれません。
ホンダ FF300Hで行うとタイヤ跡はありますが平坦でキレイに仕上がります。
そのためフラップカバー下部に余っているプラスチックの稲育苗箱を切断して平らな板を付けました。
ボルト3本で止めて、丁度△▽が無くなるようにしました
実際のテストの様子。

今度は平坦になりました。
< 変速機カバー >
他のネットで見ても理由は分かりませんがこの変速機カバーは割れが多いです。
右側は欠けて削られていました。
ヒビ割れも3ヶ所あり大きく割れた所はボンドで修復してありましたがプラスチック用でなく普通の透明ボンドのためキレイでないためボンドを剥がして割れた所をキレイしてプラスチック用ボンドで接着。
凹んだ部分は少し山盛りにしてボンド固着後カッターで平坦に切り取り、サンドぺーパー(荒と細)平らにしてから塗装しましたが失敗。
ボンド部が凸凹になり汚い。
再度、プラフサよりキチンとやり直して赤色を塗装して割れ部は少し分からないようになりました。
< その他塗装 >
経年劣化のため傷、色あせ、変色しているためオレンジに近い赤色はベルトカバー、スタータカバー、ロータリカバー上部はクボタ赤色1号、ロータリサイドカバーとフロントカバーは余っている白色で再塗装予定。
さらに白色は擦りキズのあるハンドル、タイヤホイールの再塗装予定。
< 塗装開始1 >
まずはロータリサイドカバーの取り外しました。

< 移動尾輪 >
田植も終了して水回りとなり、塗装も終わり少しのんびりとなりましたが一つ気にかかることがありました。
TR600からだったと思いますが抵抗棒に移動尾輪が付けられるようになっていたのを真似しました。
過去にクボタの管理機と思われる尾輪があり付け根の部分のみ外して抵抗棒の下側8mm穴にボルトで固定するようにしました。
外す時は正規のように固定ピンではなく蝶ネジでは外すぐらいです。
