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[マンガ] 凍りの掌

2015-08-15 | マンガ
本日は第70回目を迎える終戦の日です

70年前の8月15日、昭和天皇による玉音放送が実施され日本の降伏が国民に知らされましたが、この日を境にキレイにあの戦争のゴタゴタが終わったわけでは決してありません

むしろ、ここから ”地獄” が始まったという日本人の方々が大勢いたという歴史が存在します

「凍りの掌」はそんな ”地獄” の一つである、シベリア抑留について漫画家のおざわゆきが、実の父の体験記としてマンガ化した作品です

ソ連の騙し討ちのような参戦の結果、満州や朝鮮半島や北方領土からいきなり捕虜として連行された100万もの日本人の内、50万人以上が10年以上にも及ぶ過酷な強制労働の元で死亡したと言われています

柔らかいタッチで可愛らしい絵柄が非常に読みやすいんですが、内容はやはり壮絶です……興味を持たれた方は ”覚悟” を持って、お読み下さい



この時期、あの戦争については南方戦線、特攻隊、沖縄、内地の被害(大空襲や原爆など)といった題材ばかりがテレビ等のメディアで取り上げられている印象なので、”戦後” の抑留者の惨劇についてクローズアップされるような機会は貴重なのでオレとしてもなるべく注意を向けるようにしています

それというのも、個人的な話になりますがオレの祖父一家は戦中から満州に渡っており、終戦のドサクサの中で祖父はシベリアへ連行され、幼き父を含む家族は命からがら内地へと引き揚げてきた~といった経緯がありまして、シベリア抑留についてはそれなりに身近な問題としてこれまで生きてきた気がします

1948年6月26日に舞鶴港への帰還を果たした祖父でしたが、”シベリアの話を書くとノート3冊にもなるよ” と言いつつも、その3年近くにも及ぶ抑留体験についてはほとんど一切周りの誰にも(家族にも)語らなかったんだそうです…

住んでる地が鹿児島の離島という事もあって、オレとはほとんど面識のないままに亡くなった祖父ですが、2年ほど前に、厚生労働省を通じてソ連時代の機密書類を取り寄せる機会がありまして、事務的に記載された祖父の抑留に至る経緯や、収容所を転々とさせられた上での帰還への流れを読むだけでも、何とも言えない複雑な思いが胸中に渦巻くのを感じました

この国に生きる日本人として誰もが、あの戦争に連なる ”思い” をそれぞれに抱えているかと思いますが、謝罪だの賠償だのを言い募る国外勢力及びそれに阿ねるばかりの言説に振り回されることなく、”先人” の労苦に少しでも真摯に思いを馳せながら ”終戦の日” を静かに迎えるのがオレらの責務なのではないでしょうか


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