どんな奇跡かと期待を抱いた方には、ガッカリされる内容となっているので、あらかじめお伝えしておきます。
Duolingoを始めてすでに1年4ヶ月以上が経過した。
「毎日英語学習を続ければ、1年もすれば英語はきっとペラペラになるぞ」と、たかを括っていたのだが、現実はそんなに甘くはなかった。
テレビニュースで聞くネイティブの英語は、ほぼ聞き取ることが出来ないし、大好きなYouTubeのホラーチャンネル、Nuke's Top5のナレーションの理解度も、これまでとさして変わりはない。
英語に向いていない脳みそなのか、学習量が足りないのか、あるいは勉強法が適切じゃ無いのか…。こんな自分に少しガッカリだ。
でも、言語はコミュニケーションのためのツールなのだから、使ってみなければ実際のところ会話の能力は未知数だ。
そう思って、来たるべき日のために頑張ろう。
人手不足の日本、これから外国人が増え続けていくと思うから。
会話の能力はともかく、Duolingoの問題を解くのだけは早くなった。
Duolingoには学習をゲーム感覚で楽しませる工夫がされている。世界の人達と学習量を競うランキングがある事は、大きなモチベーションになるし、クリアーすべきミッションも意欲につながる。
そのミッションで、ただ一つ私が達成していないのは、「ダイヤモンドリーグで1位を取る事」だけだ。
昨年11月に、ダイヤモンドリーグの1位を競ったアフリカ人に敗れてからというもの、細々と継続はしていたが、すっかり気力を失っていた。
Duolingoは、仲間で応援しながら一緒に学習するよう、お互いをフォローするように促している。
私も学習を始めた頃にフォローしてくれた人、数人をフォローしている。
ある日、珍しく日本人男性からフォローされた。ハンドルネームの中に「ゆっくり」という言葉が入っていたので、何だかわけも無く好感を持ってフォローした。
それから間もなくのこと、その”ゆっくり“さんが、ダイヤモンドリーグで1位を取ったのだ。それに触発されて、少しまた学習意欲が湧いたのだった。
リーグ戦は1週間毎に新しくなる。
初日から、つわ者達があっという間にポイントを大量に獲得して追いつけないのが常なのだが、先週の月曜日は様子が違った。みんなの出足が遅い。
これはもしかしたら“ワンチャンいけるかも、
と思い俄然張り切った。
先にリードしておいて、逃げ切る作戦で1位獲得を目指したのだ。
以前、アフリカ人と戦った時もその戦法だったのだが、彼の学習スピードに追いつけなかった。その時に比べたら、問題を解くスピードだけは早くなったので、今回は2位との点差を常に1000ポイントリードする事が出来た。この一週間は朝Duolingoに始まり、夜Duolingoに終わる、そんな毎日だった。無職の暇人だからこそ出来たのだ。
今回戦った相手は、アバターを見ると赤いヒジャブを被った、メガネをかけた白い肌の女の子だった。その他にも、もう一人ヒジャブを身に着けた、肌の浅黒い女の子がいた。
ヒジャブは、すなわちムスリム。イスラム教徒だろう。
白い肌の子は中東の子だろうか。有色の肌の子は、マレーシアかインドネシアの子じゃないだろうか。
ここで、はたと気付いた。
もしかして、キリスト教圏ではクリスマス休暇期間ではないかと。きっと、キリスト教やユダヤ教の人たちは帰郷のため移動する人が多かった。そして地元では、家族に迎えられ、友達とも会って旧交を温め、パーティーにも参加してと色々と忙しかったのではないか。だから、リーグに参加する人が少なかったのではないだろうか。
リーグの最終日はクリスマスイブだった。
24日は日曜日でキリスト教、ユダヤ教の安息日だ。
安息日は本来何もしてはいけない日らしい。電化製品を使ってはいけないというところもあるくらいだから、スマホもご法度らしい。
憶測ではあるけどユダヤ教、キリスト教の人たちが参加出来なかった事が、私が1位になれた最大の理由みたいだ。
Duolingoを始めてから494日目にして得たダイヤモンドリーグ1位は、私にとって正にクリスマスのプレゼントだった。この時期でなければ到達出来なかった。ありがとう、クリスマス。
「少年老い易く学成り難し」を体現して、老いても未だに英語を学ぶ私だが、これからも地道に続けていこう。
1年後の自分が、今より進化していますように。