うとき 鳥兎記

うとうと、うろうろの日暮らしを落ち着かない住職の日記

この国は

2011-11-29 20:33:46 | Weblog

きょうと明日でほぼ90戸あまりの門徒さんのおうちに入る。報恩講勤めのあるお在所のことです。

以前はぜんぶの家庭に住職と随行で入ったけれども、いまは二手に分かれてお参り。

お世話方さんが先走りして「まもなく住職が来るよ」と案内して下さる。だから到着したときにはろうそくが、もう点けられている。

明日は今日入らなかったおうちを回って、夜はみんなそろってお勤めして、お座(お話しの会)

食事の準備やお茶菓子の準備やら、お世話方さんは大忙しです。申し訳ないばかりです。

そんなお参りの場所が続く日本で、一方ではそういう日本を競争原理で作り直そうという力がある。

大阪の選挙で勝った人や、東京の問題発言の方や、そんな力の背景になっているのが原発なのかもしれないということを

思わせてくれる本がある。「電力腐敗」三宅勝久著 新人物文庫 714円

原発企業へ天下りした官僚を含めて、すべて実名で出ている。思わず背筋が寒くなります。

平川先生から原発問題に関する資料が送られてきたので、掲載します。

 

NHK放送文化研究所


福島第一原子力発電所は太平洋岸に立地するため、チェルノブイリ以上に深刻な海洋汚染を引き起こした。日本原子力研究開発機構の研究グループの試算によれば、福島第一原発事故で海に放出された放射性物質の総量は、およそ15ペタベクレル(15×10の15乗ベクレル)という天文学的な数値になる。海に流れ出た放射性物質は、どのように広がっているのか。魚介類にどのような影響を及ぼしているのか。番組独自の調査などから海の汚染の実態を検証する。

当初、原発から流出した放射性物質は海で希釈されると考えられた。実際に事故から日数が経過すると、海水中からは放射性物質がほとんど検出されなくなった。ところが、放射線測定の第一人者・岡野眞治博士と行った測定で放射性セシウムが沿岸部の海底に多量に沈殿している実態が明らかとなる。さらに長尾誠也金沢大教授と田中潔東大准教授の共同研究で、こうした海のホットスポット汚染が福島から茨城沿岸部へ移動するメカニズムが見えてきた。親潮や黒潮という日本近海の大きな海流で拡散することなく、岸から近い所を流れる沿岸流や陸地の放射性物質を集めて来る河川の影響が複雑に影響している結果だ。

多くの国民が懸念する魚介類への影響はどうか。測定調査の結果、食物連鎖を通じて放射性物質の濃縮が進んでいることが分かってきた。番組では事故以来、操業自粛に追い込まれている福島の沿岸漁業者に密着しながら、最新の調査結果によって海洋汚染を検証していく。
 

 


野蛮な読書 続き

2011-11-28 21:49:49 | Weblog

平松洋子著 「野蛮な読書」に、新川洋治さんの「ラブシ-ンの言葉」から宇納鴻一郎を読みほどく文章にであってもういちど読み直す。

う~ん と呻りたくなるような書評です。

平松洋子さん自身の文章が、とても感情表現が愉快でおもしろいから、ついつい閉じた本をまた開けてしまいます。

きょうはご命日で、そのあとも西任田町の報恩講もあるし、あいまを縫って肛門科へ行かなくてはと考えていて、

その分早く寝ないと、と焦りながらもついつい読み進んでしまい、少々寝不足です。

おかげさまで肛門の方は大丈夫でした。やれやれ。


野蛮な読書

2011-11-27 21:57:32 | Weblog

本を買うときには新聞の書評とか参考にするんだけれども、自分の読んだ本が書評されているのを読むのもなかなかおもしろい。

でも 平松洋子著 野蛮な読書 集英社 1600円 を読んで

こんな風に読めるのかと驚くばかり。

まず手にとって読んで欲しいですね。ありきたりの言葉でこれほど豊かに情感を表現できることに驚きます。


愚者になりて

2011-11-20 21:26:20 | Weblog

蒲郡のTさんから宮城先生の「愚者になりて」という本を送っていただいた。 小賢しい生き方を離れることの意味を学ぶことができる。

悪人ということも、真宗では悪人正機という言葉で言われるが、私たちの日常からは遠く離れているように思う。

それほど私たちは善人として日常を生きている。だから真宗がわからくなってしまったようにおもう。

善人が愚者となって「悪人」に気づく。そのことがいつもわからずにいる。

それでも、きょうも一日中「報恩講勤め」に走り回る。

真宗であること。報恩講を勤め、お座に連なる(お話を聞くということ)。しんどいけれども、ここを離れて真宗にはならないと踏ん張っていこうと思う。


発祥の地にて

2011-11-15 22:36:37 | Weblog

称名寺発祥の地、赤井町の報恩講勤め。今日一日で60戸余りをお参りします。

昔は住職と随行と二人一緒に回っていたそうですが、いまは二手に分かれてお参りします。

町の方が何人もついてくれて、先に行ってろうそくをともす人(先触れですね)、消す人がいて4.5人で回ります。

私が住職になったころはみな着物を着ていましたが、さすがにこのごろはみな洋服です。

夜はお座。しかし私の話はどうも堅くて、夜わざわざ出てきて下さる人には申し訳ないです。

もうちょっと話術というものを習わなくてはと、そういう点では永六輔さんという人に直にお目にかかりたいですね。

 


老いの才覚

2011-11-12 23:18:27 | Weblog

報恩講勤めの毎日です。昨日は夜に教務所のUさんの歓迎会、三ヶ月もたって申し訳ないのですが、歓迎会ということで、六時半から「かまど」というお店で開催。

若手僧侶が中心で、私はいつの間にか年配者のグル-プになっておりました。疲れがとれないと愚痴るのも当然の年代でした。

きょうは葬儀から始まってご法事・報恩講勤めで9時過ぎにご帰還です。

本屋で立ち読みする時間もとれなくなってきて、曾野綾子さんの「老いの才覚」購入しました。100満部も売れているのでブックオフで買えばいいものを、たまたま立ち寄ったときにあったので

これもご縁かと購入です。

今ひとつのこの方の老いるについての考え方に異論を感じていて、立ち読みでだいたいを読み取ろうとしたのですが、老眼の悲しみで、行を飛ばしてしまうのですね、書店の明るさでは。

で、ぼちぼち読み始めています。

寝床では先日秋浜のAさんからもらった本で楽しんでます。

いつ聖典を読むのかしらね。


言葉遣い

2011-11-08 23:24:17 | Weblog

きょう国分寺さんの報恩講が勤まって、連日続いていたお寺方の報恩講がほぼ終わった。あとは二ヶ寺にお参りして終わりです。

代わっていよいよ御門徒さんの報恩講勤めが本格的に始まり。

今日の午後から岩内の報恩講勤めです。1軒1軒勤めて、夜にお宿のおうちに在所中の方が集まってお勤めします。

お話しの前に新聞を読んでいたら、「米、規制緩和に圧力」とあって、これについてお話しさせていただいた。

規制緩和と聞いていいことのように思ったのは小泉総理のとき。

自民党をぶっ壊すと聞いて、なんとすごいことを言う人が出てきyたもんやと思い、つい「規制緩和」という言葉に乗ってしまった。

なんとことはない。アメリカの資本に日本の市場を開放するための「規制緩和」で、要するに競争を煽っただけだった。

こういう痛い目に遭っても、なお「規制緩和」と書く新聞って、一体何やろうということを題材にしてお話しさせてもらった。


放射能

2011-11-06 21:22:26 | Weblog

原発事故と放射能健康障害についての講演会が

11月13日(日)午後2時から加賀市文化会館101会議室で、つるが診療所、光陽生協病院院長平野治和さんを講師に迎えて

開催されます。ご参加いただきたいです。

人間が作ってしまった放射能は、自然界の放射能とまったく違うものであり、体内に蓄積され、そしてその放射能を使う原発は制御できないものとわかったのに、ベトナムにまで売り出そうというのが野田総理。

にもかかわらずメディアの反応の低調さはどういうものでしょうかね。

川上未映子さんの「ぜんぶの後に残るもの」新潮社1200円。

東日本大震災に関わる本を手に入れました。夜の楽しみが増えてます。


宗教者連盟

2011-11-02 23:20:51 | Weblog

31日に金沢で「石川県宗教者連盟」の記念式典が開催されて、小松の議長も出席しなさいということで、いって参りました

記念講演は東京大学の島薗進教授の「3.11以降」というもの。

東日本大震災についていろいろな方がお話し下さるけれど、こんな風に考えることはできないかなぁと思う。

阪神大震災の折には「オ-ム真理教」の逮捕劇もあって、様々な不安に対して一致団結して管理化することで乗り切ろうとしてきた。

これは見事に功を奏して、たとえばうちの近くでも監視カメラの取り付けにいっぺんに賛成するようになったものです。

しかし今度の東日本大震災では引き続く福島原発の異常な状況に対して、いままでの管理に対する不審がぬぐいきれないほど深くおきた。

だから3.11以降なにかが変わったように言えば言うほど、自分の周りが変わっていないことのギャップが

よりふかい不審を増幅しているように思うのですがね。