うとき 鳥兎記

うとうと、うろうろの日暮らしを落ち着かない住職の日記

日本はどっち向く?

2012-09-30 21:23:33 | Weblog
以前に孫崎享さんの『戦後史の正体』という本のことを書きましたが、状況はいよいよアメリカ従属を強めている様相です。
 
尖閣諸島について言い出しっぺの東京都知事ははや知らぬ顔を決め込んでいます。
 
以前自民党のなかで「青嵐会」とかいう右翼系の会派を立ち上げたものの、思い通りにならないと「政界引退」を言い出した人ですから、
 
今回も、やはりと思うものの、こういう人を出してしまうような選挙制度は問題だと思いますね。
 
 
(今日の『中日新聞』と『東京新聞』が、「原発再稼働、集団的自衛権行使の容認。野田内閣や自民党が米国の知日家グループによる「対日要求」報告書に沿うように政策づくりを始めています」という指摘で始まる社説を出しました。従来も指摘されてきたところですが、有力新聞が社説で論評したのは重要かと思います。下に主要部分を貼り付けておきます。全文は、下のHPにあります。)
 
 
------(以下、転送)---------------------------------------------
 
【社説】
 
週のはじめに考える 米報告書は道標なのか
 
2012年9月30日
 
 原発再稼働、集団的自衛権行使の容認。野田内閣や自民党が米国の知日家グループによる「対日要求」報告書に沿うように政策づくりを始めています。

 アーミテージ元国務副長官やナイ元国防次官補ら超党派の知日家グループが八月、対日要求報告書を発表しました。二〇〇〇年、〇七年に続く第三次の「アーミテージリポート」です。第一次は大統領選挙の前月に発表され、対日政策の方向性を示す文書になりました。今回の発表は十一月の大統領選挙前にあたり、同様の役割を果たすとみられています。

◇「原発の研究開発を」

 報告書をひと言で要約すれば、中国の台頭を踏まえ、日本が果たすべき役割を列挙し、米国との連携強化を打ち出しています。驚くのは、日本の政治が報告書に沿うように動き始めていることです。

 その一つが原発問題。報告書は野田内閣が原発二基の再稼働に踏み切ったことを評価し、共通の政治的、商業的利益を持つ米国とともに原発の研究開発を進めるべきだと強調しています。

 野田内閣は「二〇三〇年代に原発稼働ゼロ」を目指す戦略を閣議決定しなかったのですから、米国の狙い通りといえるでしょう。閣議決定のない戦略は単なる努力目標にすぎません。これまで米国の要求に応え、原発を推進してきた自民党が政権に返り咲いた場合、原発ゼロ戦略は跡形もなく吹き飛ばされるのではないでしょうか。

 安全保障面での要求はてんこ盛りです。注目されるのは、一次、二次に続いて集団的自衛権行使を認めるよう求めている点です。

 政府見解では、日本有事で来援した米軍を守るための武力行使は個別的自衛権の発動とみなされ、今の憲法解釈でも可能です。集団的自衛権は主に海外有事で発動されると考えてよいでしょう。

◇「集団的自衛権行使を」

 9・11米中枢同時テロの後、アフガニスタン攻撃を始めた米国を支援するため、集団的自衛権行使を国連に報告し、参戦した英国の例が思い起こされます。

 集団的自衛権行使は、海外における武力行使に道を開き、戦後日本のあり方を根底から変えるものです。一次、二次のときには冷ややかだった自民党は一転、総裁選に立候補した五人全員が「集団的自衛権行使に踏み切るべきだ」と主張しました。尖閣諸島の問題で、米国の力を借りるには相応のお返しが必要だと考えたのか、それともナショナリズムに燃えているのでしょうか。

 米国は新国防戦略で「アジア太平洋重視」を打ち出しました。国防予算を十年間で四千八百七十億ドル(四十兆円)も削減するのですから、米国だけで中国包囲網を敷けるはずがありません。

 報告書は、米軍と自衛隊のさらなる相互運用性が必要としています。具体的には、海兵隊と同じような水陸両用作戦能力を持たせることや、南シナ海の監視を米軍とともに行うよう求めています。

 報告書に従うように陸上自衛隊はグアムで米海兵隊による強襲上陸訓練の手ほどきを受け、海上自衛隊艦艇によるフィリピン訪問が始まりました。集団的自衛権行使に踏み切りさえすれば、アジア太平洋で米軍の肩代わりができる下地づくりは始まっています。

 報告書が求める法整備も進みます。安全保障や外交など重要な情報が漏れた場合、市民も罰する秘密保全法案と国連平和維持活動(PKO)で武力行使を伴う「駆けつけ警護」を可能にするPKO協力法改正案が国会上程を控えています。

 日本は報告書が示した道標(みちしるべ)通りに進みつつあります。開かれた議論の結果、こだまが返るように米国の要求通りになったのなら、まだ分かります。実態は骨太の国家戦略を立てることができず、場当たり的な対応しかできないから米国の言いなりになっている。政治の劣化はここに極まれり、と嘆かずにはおれません。

(以下、略)

 


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