拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

 義父と小島

2012年09月22日 | オレ的アングル
 昨夜 島でのバカンスを終えて無事我が街ローザンヌに帰ってきた。

 島についた日から 帰宅する日を指折り数えるくらい ボクの日常から あらゆる面でかけ離れている スペイン領小島で
 での休暇は 休暇であるのか なんなのか やたら暑い日差しのなかで 頭は朦々とし 身体は気だるさが抜けない状態の
 うちにも やはり時は進んでいたようで 帰宅する日を迎えることができた。

 そもそも相方の父、つまりボクの義父が40年にわたりこの島でバカンスを過ごすというのが慣習となり義父母などは
 30年前に自らの小さな家を持つにいたってからは 年の内4~5ヶ月は この島ですごしている。

 義父の事はよく知らない。むかしは著名なオペラ歌手だったが、油の乗り切った50歳の時に突然引退したという。
 昨年、80歳を迎えるにあたり 彼の功績を本にしようと取材を始めた地元の女性記者のおかげでその本が出来上がったが
 その女性は本が出版される直前に病死してしまった。
 ボクもその本を一冊持っているが フランス語なので 未だ読んでいない。
 
 オペラ歌手として活躍していた40代の時に 親戚の人に誘われてこの島に 来たことが きっかけとなり 以来毎年
 一見華やかなオペラという世界から 疲れた心身を癒すために この島に訪れていたようだ。

 ボクは密かに ”クジラ”とあだ名している義父は 足ヒレとシュノーケルのついたマスクがあれば 水の得たクジラそのままに
 いつまでもどこまでも泳いでいる。 あの灼熱の太陽のもとでも 日焼け止めクリームなど一切つけず、島にいる時はいつも裸足
 で歩く・・・何故なのだろう?
          
       

 滞在中、義父母には世話になったが、今年 特にボクを何回も笑わせてくれたのは
 義父による (地中海クラブの夜のステージの様子が 風の向きによってよく聞こえる事がある) ステージ司会者のイタリア語での
 物まねで 年配の司会者と子供の声色を 絶妙に使い分ける演技は 流石!!と聞き入っていると 横で義母が「あなた、ヤメてくださいよ」
 と、真顔で諭すので 渋々やめるのであるが 彼女が姿を消すと ボクは「ボナセーラ、トッツイ・・・今晩は、皆さん」をやってくれ!
 と何度もせがっては 相方と笑いぐずれるのであった。
 
 


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