拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

ウエルナ-・ビショッフ展を見て

2016年03月06日 | 一撮レポート
 久々に地元ローザンヌの写真美術館『エリゼ』に行ってきた。毎月第一土曜日が無料になるので何をやっているのかも知らずに
 出かけると、なんと『ウエルナー・ビショッフ』の生誕100年を記念しての写真展であった。
 1916年スイスはチューリッヒ生まれの後にマグナムのメンバーになって活躍するが、1954年38才の時、訪れていた南米チリで
 自動車事故で亡くなった。
 
 今回のこのポスターは街中でよく見かけていたが、まさかあのビショッフであるとは思いもしなかった・・・という点で
 彼の写真展の広告としてこの写真を選択したのは疑問がある。

 ビショッフというと  
 これらの写真で有名で、むかしボクが最初に買った写真参考書『世界の写真家』にも彼の載っていて、懐かしい。

 エリゼ館には彼のオリジナル写真200点が展示されていた。
 38才に亡くなるまでの写真家としての時期を4つに区切って紹介されていた。

 かの有名なブレッソンやキャパなど4人で創立した写真集団マグナムが1947年で、1949年ビショッフが31才の時参加しているので
 マグナムのメンバーとしては初期に属していることがわかる。
 ビショッフの写真をこれほど沢山まとめて見れたことは幸運で、彼の才能の豊かさを充分堪能する。だからこそ、38歳という若さで死んでしまった
 ことは実に惜しまれる。
 日本にも来て、かなり気に入ったらしく妻も招き寄せて8ヶ月間滞在していたそうだ。かの土門拳とも親交があったという。
 広島に天皇ご夫婦が来た際に撮られた天皇夫妻の写真、それをお迎えしている子供の写真がいい。
 ヨーロッパ、アジア、南米などそれぞれ取材旅行した際の写真が主で、ヒューマニステックな視点で一環して撮られている。
 
 普段、このエリゼ写真館はコンテンポラリーな作品展示が多いので、1970年代に写真を始めたボク等が目標としうる彼のような写真スタイル
 は実に素直に溶け込めたし、懐かしい気もしたが、同時に彼等の時代と今現在我々が生きている時代とでは隔世の感が拭えないほど写真環境の
 違いが大きいことに改めて気付かされる。
 
 


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