Netflixの新作アニメーション『碧眼ブルーアイ・サムライ』を夢中になって一気に観てしまった。
この手のストーリーはこれまで随分観てきた気がする。
物語を肉ずける背景にはいろいろあるが、その芯になるのは『究極のアイデンティティ探し』で、そのベースは『西遊記』である・・・とは、馬骨論
『ドラゴンボール』、『ラストサムライ』、そしてこの『ブルーアイ・サムライ』・・・と、我ながらあまりにも大雑把な分類ながら。
この作品は、アメリカTVシリーズドラマとして、『マイケル・グリーン』と彼の妻で日米ハーフの『アンバー・ノイズミ』によるシナリオ、制作で
特に半分日本人の血が流れている妻のアンバーの、日本に対する強い思いがあった事と、
自身台湾に生まれ育ち、後にアメリカに渡った女性監督『ジェーン・ウー』が、アンバーの要望にうまく答える形で作品を仕上げた事が相乗した。
『ラスト・サムライ』しかり、この『ブルーアイ・サムライ』しかり、西洋人が東洋である日本を描くとき、日本に対して抱く『郷愁』のようなものが
当の日本人以上に色濃く表現しているように思うが、それは人間としての心の『郷里=さとり』への強い『郷愁』の現れであるに違いない。
ところどころ、日本的というより中国的な表現と思わせられるところもあるが、それでも盲目の刀鍛冶の師匠が主人公である弟子を東洋的な仕方で
育成していく様子は、古き良き日本伝統を踏まえた関係性を描き出していて素晴らしい。
この写真場面は、『水』と名乗る主人公が、弟子の『林檎(りんご)』に『般若心経を唱えられるか?』と尋ねる場面であるが、
これは、このドラマを制作した西洋人が、東洋人である日本人に『貴方は般若心経を唱えられますか?』と、尋ねている場面であると私は感じた。
日米ハーフの『水』にとっても、『究極のアイデンティティ』を求める為、『生死を越えた刀剣』を創る為に全身に『般若心経』を書付て『行』を行う・・・。
こういった場面に、西洋人に限らず世界中の人々が、我々日本人に期待する『般若心経』を介した人間像が在るように思うのは、私一人であろうか。
・・・ところで、貴方は『般若心経』を唱えられますか? このアニメ(若干色っぽい場面があって16禁であるようなので要注意?)