ACT-5:グアニンの解析と再現
さて以前、ルアーカラー解析編でグアニンの基礎知識について、アングラーの視点から幾つか触れました...
今回はその続編です
今回何故、この事項に再度触れたかったかと言うと、このカラーが普遍的にルアーカラーに於ける重要なファクターの一つと考えているからです
グアニンの基礎知識については、繰り返しになるので前編のコチラをご参照下さい
ルアーカラーを解析する:グアニン編 >>
この項目のみならず、ベイトフィッシュのシグナルである「グアニンカラー」が、重要なファクターの一つである事は多く語られている事実だと思います
ここでちょっと魚の「グアニン」をおさらいしておくと...
魚に限らず、生物は生き延びる為に効率よく保護色を利用しています
そこで魚は、主に背中は底の色や水面の色に、腹は水中から水面を見ると明るく白く見えるので、白っぽい色が多いですよね
上下のカモフラージュは完璧です
しかし、側面から見ると様々に変わる背景から、一色では無理
そこで魚は「グアニン」を利用しています
「グアニン」の「鏡効果」を利用して側面に於いても様々な背景に溶け込んでいるワケですね
しかしここには落とし穴があります
ひとたび、光源からの入射角と反射角が合うと、ギラッと光ってベイトフィッシュのシグナルとなってしまう点です
ギラッ、ガボッ、を体験した方は少なくないと思いますし、アングラーはこの「究極の保護色」の「盲点」をつかない手は無いと言うワケですね...
この「グアニン」は粒子レベルで均一に表面に並んでいないとあの「鏡効果」は発揮しません
因みにあの綺麗な鏡の様な太刀魚のグアニンは、昔人口真珠の原料として使用されていたそうですね
しかし、グアニンは太刀魚の表皮で均一に並んでいる状態で「鏡効果」を発揮するので、このグアニンを付着しただけでは単なるパールやメタリック塗装のような状態になり、「鏡効果」は出ません
それはこのグアニンの劣化もありますが、パール粒子がバラバラに配列されているからです
そして塗料のメタリックカラーもクリアー層内にアルミ粒子がランダムに配置しているので普通の銀色になってしまうワケです...
つまり、鏡効果を出す為には表面に均一に粒子を並べる必要があるんですね
更にコレを分かりやすく例えると、スプレーカラーのメッキタイプでの説明に置き換えると分かりやすい...
これらのカラーは、塗料のクリア層の表面にアルミ粒子を浮かせてメッキのような「鏡効果」を得ています
この原理は方法こそ違えども、蒸着等と同じ状態です
このカラーにクリアーをたっぷり吹いて、アルミ粒子の配列を乱せば普通のグレーっぽいシルバーになります
つまり、同じアルミ粒子を持ったシルバーカラーがシルバーにしかなれない理由は、アルミ粒子がクリアー塗料内にランダムに配置されている為なのですね...
そしてその原理は、太刀魚や同じグアニン粒子を持っている魚も同じなのです
表面に均一に粒子が並んでいる時は、メッキのような「鏡効果」がありますが、塗料として物に付着させると粒子配列がランダムになって、普通のパールやメタリック塗装のようになってしまうのですね
以上の点からグアニン再生に最適な仕上げを考えると...
メッキ、蒸着系、アルミ(金属)箔(テープ含む)等となります
アルミ箔系のみソリッドですが、表面が鏡面化され均一化されているので鏡効果があります
さて、今回は魚のグアニンの仕組みと効果について、ちょっと離れた視点からも見て具体的に解析してみました
次回のこのコーナーでは何故このグアニンカラーがルアーに於いて、最も重要なファクターの一つと考えるようになったかを、また少し書きたいと思います...
多分...纏まれば(汗)(笑)...
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