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バンドウユミ  Private Blog
  野良ナレーター の 上々↑↑ライフ

『J・エドガー』

2012-03-05 10:14:20 | Go!Go! わたし ~鑑賞編~
映画感謝デー3本目。ほぼ耐久状態。
告白します。タイムテーブルと同じくらいに、内容的な「順番」、もっと考えるべきでした。反省。
ラストにこれかよ。どぉよ自分。

 『 J・エドガー 』

FBIのジョン・エドガー・フーバー長官(レオナルド・ディカプリオ)は、人生の終盤に差し掛かり、部下に命じて回顧録を書き取らせる。
記憶はFBI誕生以前へと遡り、彼の表の経歴が語られていく。
そして同時に、その裏側の野望・企み・葛藤・苦悩が徐々に明らかになっていく・・・。
20世紀の半分を占めるおよそ50年もの間、アメリカで大統領さえも及ばない強大な権力を手にしていた男。
そのたった一人の人間が、アメリカのあらゆる秘密を掌握し、国さえも動かしていたという事実。
50年間に入れ替わった大統領は8人! その誰もが彼を恐れた。
それが、J・エドガー。FBI初代長官である。


やーレオナルド・ディカプリオ!
いーい役者さんになりましたねぇほんっと!
特殊メイクも取り入れながら、20代から77歳までの彼を見事に演じています。
違和感ないんだもん!すごいですよ、これって!
「インセプション」とかでも感じたんですけど、脱皮の成功例ですよね。彼の場合。
「タイタニック」等の青春スターでありつづけることを良しとしなかった。
その貪欲さの勝利だと思います。

それにしてもC・イーストウッド監督の作品は、リアルと過去の映像を矢継ぎ早に繋げてきます。
それをスムーズに編集してくれちゃってるモンだから、かなりの集中力を要求されます。
これが、私がこの作品を3本目にチョイスしたことを後悔した理由。
殆ど「自分との闘い」でした。
よく最後まできちんと観られたなぁ・・・。


エドガーの母を演じるジュディ・デンチ!
すごいですよ!迫真です。
エドガーの母上が「支え」であっただけでなく、「足枷」でもあったことがわかります。
彼もまた、被害者であると言わざるを得ない・・・。
1本目の「麒麟~」、2本目の「ドラゴン・タトゥー~」との奇妙な符丁、ここでもです。


もし、あの時「ああだったのなら」。
もし、あの時「ああじゃなかったのなら」。
果たして彼はどのような人生を歩んでいたのでしょうか。

人生に「もしも」はないのだとわかっていても。




アメリカを守る。
彼のその絶対的な信念は、そのためになら法を曲げてかまわないというほど強く狂信的なものへと形を変えていく。
それゆえ彼は正義にもなり、悪にもなった。
国を守るという大義名分のもと、大統領を始めとする要人たちの秘密を調べ上げ、その極秘ファイルをもとに彼が行った“正義”とは?
映画やコミックを使ってFBIの素晴らしき喧伝させる裏側で、彼が画策したものとは?
ひたすらに高みを目指した男の、深い心の奥底は如何に。


今となっては謎に包まれたエドガーの私生活。
現存する全ての資料を入手したという製作陣は、彼を「母の期待に応えようとして抑制し、権力欲を肥大させていく男」として描いています。


C・イーストウッド監督は、きっと彼の孤独な心の奥底に在る 深いキズ を感じたんじゃないかなと。 


                                2012.3.1(木)16:10鑑賞




子供を、というよりむしろ【一個の人間を育てる】ことは、思うよりずっと難しいのです。
産んだ「だけ」で偉いんじゃない。育て上げて、その子が社会に出て初めて、その長い道程の真価がわかる。
気の遠くなるような、先の長い話・・・。
子供を育む立場というのは、本当に大きな責任が伴う。

今回3本通して映画を観て、痛烈に感じたメッセージは、これ。

この危機感は、もしかしたら世界共通なのかも知れないな、と。