ある難病(パーキンソン病)患者の叫び

年齢51歳。医師。2004年4月病気のため退職。白衣を着ていた者がパジャマに着替えた時に感じた本音を叫び、訴える。

携帯電話と日本語ワープロ;患者さんには必要なもの(part 1)

2005-04-06 13:47:13 | Weblog
 最近のIT(informational technology)機器の普及は著じるしく、その代表例は携帯電話だと思います。
最新の報告では2004年度末までの累計契約数は86,997,600件であり、人口普及率は前年度末より4.2%増加して68.1%だそうです(電気通信事業者協会の発表による)。一人で複数所持している場合もあるようですが、とにかく、この普及率は大変なもので東京都内ではおそらく10人中8人あるいは9人程度まで普及している可能性もあります。最近では街中の公衆電話そのものの数が減り、連絡を取りたいときは、携帯電話で行わざるをえなくなってしまうのです。確かに量販店などに行くと携帯電話売り場は常に新機種を求めて若者達で溢れています。まさに猫も使い、杓子もこっそりと持っているのではないかと思われるほどです。
 この携帯電話は単に電話の送受信だけでなく、今やデジタルカメラやテレビなどの機能もつき、今後はその他多種多様なことができるようになると言われています。もはや「電話」と言う名前を外しても良いくらいの地位と存在感があるものになっています。
 これほど社会で普及し、社会的地位もほぼ確立し、必要不可欠なものになりつつある物であるにもかかわらず、当然のように使用が制限されあるいは禁止されて、なおかつ一般的にもその禁止、制限に納得させられている場所があります。その代表例は病院なのです。、
「なぜ病院で使用が認められないの?」
などの質問は全くの愚問というような扱いをされてしまいます。「お前、そんなことも知らないの?教えてやるよ。医療機器に影響するんだよ!病院内でそんなことが起きたら大変だろう!だ・か・ら・使えないの!」と言わんばかりです。しかし、本当はどの程度の影響があるのでしょうか。
平成14年7月に総務省の「電波の医用機器等への影響に関する調査結果」では心臓ペースメーカー及び除細動器については「装着部位から22cm程度以上離すこと」が妥当であることが確認されています。輸液ポンプや人口呼吸器などの精密な医療機器では84cmでも影響があることも指摘されていていますが、1m以上距離をとればその機器に干渉しないことも確認されています。
したがって、病院のように様々な機器があり、その電磁波に対する感受性の違いが機器により異なる場合は携帯電話の使用場所を決めれば使用することは充分可能だと思います。
 また、最近では携帯電話の出力が以前より小さくなり、一方心臓ペースメーカー自体の電磁波に対する耐応性が増しており、以前生じたような事故の確立はかなり小さくなってきています。
 このため平成14年7月に厚生労働省医薬局は病院内の全面使用禁止ではなく場所によっては使用を認めてよいと安全情報179号で示しています。
(この続きはpart2で!)