雀の手箱

折々の記録と墨彩画

近代日本画 美の系譜

2011年10月14日 | 雀の足跡



 この企画展は長野県の水野美術館の所蔵品の中から、近代日本画を代表する作家たちの作品が紹介されています。
「大観、春草から加山又造まで」とサブタイトルがついています。
 大観が好きな夫は、3枚の「無我」のうち見ていない最後の1枚に会えると楽しみにしていたようです。

 最初の部屋に入ってすぐの正面にそれは待っていました。私はだぶだぶの着物と、大人の草履をつっかけた足元のすみれや、袖から覗いた手の表情に目がいきました。高名な作品の表装の無造作が気になりました。若い日の作品(1897年31歳)だからでしょう。

「霊峰富士」は勿論ですが「雙龍争球」(1929年)の墨画淡彩の月を球に、松の枝を龍に見立てた作品や「松嶋」を珍しいものとしてみました。
 明治の日本画壇をリードした人々の作品群です。観山の「帰去来」「三猿」に“線の観山”の本領を知りました。
 春草の作品では「渓間之秋」で、線描なしの色の面だけで水の流れを感じさせる力量に驚きました。
 そのほかには、松園、清方,深水、明治や、蓬春、そして、戦後の日本画壇をリードした杉山寧の大作や、加山又造の作品が5点、「猫と牡丹」、「千羽鶴」などが人気のようでした。
 60点余りの作品ガ展示されていました。珍しく私のほうが待つことになった展覧会でした。



 







 チラシの中から拝借の画像です。