東久留米の『世界』を読む会・ZOOM、6月例会の報告
東久留米の『世界』を読む会・ZOOMの、6月例会は、6月11日(水)、午後7時~、4名の参加で行われました。
■ 今月のテーマは
・「学術会議解体法案は、日本の科学の死だ」 山極壽一
・「「多様性」の蹉跌」 宮本ゆき
・「「国民の選択」としてのインフラ老朽化」 杉浦 勉
の3本でした。
◎ 第1テーマ・「学術会議解体法案は、日本の科学の死だ」 山極壽一
折しも、この日、国会で「学術会議法案」が可決成立した。日本の民主主義の大切な柱がまた一つ葬り去られた。戦争の反省は棄てられていく。大学の自治が法人化で壊されて、今や日本の学術の力は目に見えて落ちてきているが、そのとどめを刺そうというのか。真理追究の学問が政治に支配されてはいけないのに。事の重大性に比して、テレビ報道などマスメディアが一貫して取り上げない姿勢を貫いていたのは、犯罪的だ。法案は通ったが、学者も市民も負けていないで反撃の課題を背負っていく覚悟を固めよう。
◎ 第2テーマ・「「多様性」の蹉跌」 宮本ゆき
アメリカはその美点を喪失しようとしている。大学が「人種とジェンダーの多様性」に関して、リードする内容を持っていて、「反大学」という形で攻撃にさらされている。これは、アメリカの衰退の大きな一歩になるだろう。「帝国」がもたらした結果の多様性に、帝国が対応できない状況を示した。産業の空洞化という新自由主義の道が、大きく頓挫したことでもある。
◎ 第3テーマ・「「国民の選択」としてのインフラ老朽化」 杉浦 勉
八潮の陥没事故から、誰の目にもインフラの老朽化の問題が見えるようになっているが、政治家、政府に、その方向での大きな政策提言が見られない。短期の利益に振り回される資本主義の宿命か。温暖化にしろ、インフラの老朽化にしろ、長期的な視野での対応が要求されることは明白なのに。建設業の担い手がなくなっている問題は、農業の担い手の問題と共通で、大きな政策転換が要求されている。公共をやせ細らせる方向に未来はない。 などと、話し合われました。怒りの発言が多い日でした。
■ 6月号のその他のお薦めは
・須山 「自発的優生思想の源流を探る」 横山 尊
でした。
◎ 東久留米の『世界』を読む会、7月例会のお知らせ
●日 時 7月9日(水) 午後7時
●zoomでのオンライン開催
参加希望の方は、メールを下さい。案内を送ります。
●持ち物 雑誌『世界』7月号
○共通テーマ
・「終末ファシズムの勃興」
ナオミ・クライン、アストラ・テイラー
・「SOSを出さない日本人」 石井敬子
・「みんな受験を語りたがる」 中村高康
・「研究不正の蔓延」 田中智之
※ 第2水曜が定例です。ご承知ください。
※ 他に、昼の部として、第3水曜、4時から会場で行なう会もあります。
● 連絡先 須山
suyaman50@gmail.com
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