● 松元剛 「常軌を逸した長期拘留 警察国家の危うさ増す」 (『世界』4月号)を 読んで
須山敦行
《一つは》
毎日新聞元那覇支局長、大賀和男さんから聞いて、「今だから話せる」話。
九〇年少女暴行事件翌日の基地取材の記者逮捕の時
「取調室から出てきたA記者らは憔悴していたが、
刑事課長は『ご苦労さんです』と言い、記者の肩をもみほぐすしぐさをした。危険を冒して演習場内に入った記者魂への敬意が込められていた。」
「〝事件〟が略式起訴で早期決着した後、大賀さんとA記者が石川署へ挨拶に出向くと、署長室のテーブルにオードブルが用意されていた。署長は『東京から遠い沖縄に来て、基地問題を書いてくれ、感謝している。今後も沖縄の現状を報じてほしい』とねぎらった。副署長は別の日にA記者を自宅に招いて酒食でもてなし、『落ち込まず、今後も積極的に取材してほしい』と激励した。 〔p.147〕
「沖縄県警全体に、市民の思想・信条の自由に配慮するバランス感覚があった。」
《今一つは》
現在の状態
反対運動の山城博治議長の四ヶ月を超える拘留
「 二年前から悪性リンパ腫を患い、再発が懸念される
体調悪化が懸念される山城さんには接見禁止が付き、家族との面会さえ許されていない。
警察・検察の意向に唯々諾々と従い、憲法の番人であるはずの裁判所が常軌を逸した長期拘留を認める深刻な構図だ。」
「人権団体の世界的権威『アムネスティ・インターナショナル』が山城さんの早期釈放を求めるキャンペーンを開始し、『良心の囚人』の認定を検討している。」
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