ZOOMの『世界』を読む会・4月例会の報告
ZOOMの『世界』を読む会・4月例会は、4月26日(金)、午後7時半から、4名の参加で行われました。
■ 今月のテーマは
・ジュディス・バトラー「トランプのサディズムに臆するな」
・内田 良「学校依存社会」
・権容奭「「民主韓国」と日本」
・斎藤 環「いじめ後遺症 第2回」
の4本でした。
◎ 第1テーマ・ジュディス・バトラー「トランプのサディズムに臆するな」
トランプ就任前の時点での文章で、最新の事態には対応していないが、トランプ政権の及ぼす影響に対する見方として、現在からも意味のある論稿だ。何が壊され、何を守らなければならないかを、確認させられる。それは、「恥」であり、「法」であり、「民主主義の規範」である。トランプ支持者の「彼が道徳を蔑視するさまに戦慄の悦びを覚え」る様は、日本の立花孝志現象に通底するものだ。
◎ 第2テーマ・内田 良「学校依存社会」
「シャドウ・ワーク」と呼ばれるものは、子どもにとっては欠かせないものばかりだ。戦後の民主教育は、放課後も校外のことも、使命感を持って取り組んできて、決して教師にとって苦痛のものではなかった。政府の教育政策によって、生徒や地域と向き合うことが阻害され、意味の無い書類作成など教育をスポイルする雑務での「多忙化」や、教員の人事考課制度の導入などが、学校を蝕んだ歴史こそ、検討すべきだ。「学校依存社会」と把握することは、現状改革の方向にどう資するのだろうか。社会の格差分断状況の進行は、教育政策がもたらしている面が大きい。
◎ 第3テーマ・権容奭「「民主韓国」と日本」
韓国の目で、この間の事態を把握することができた。「民主韓国」と「既得権益」という対立軸で見ると、事態が把握できる。日本が加害者であった韓国の、また軍事政権に対する抵抗の「血」の犠牲の上に勝ち取った「自由」、「民主主義」には熱を感じる。南北問題への対応が、「民主韓国」と「権威主義」の間で、また、韓国と日本の間で、「分断克服」を願うのか、「分断・緊張」を望むのか、という差を生じている。征韓への反省がない日本政府は、民主韓国の高揚を、「意のままにならない」「困った存在」と見ているが、本来日韓は、協力しあって、東アジアの平和、安定のためのリーダーシップを発揮するように動くべきだろう。
などと、話し合いました。
(◎ 第4テーマは時間切れで、来月に回しました。)
■4月号のその他のお薦め
・井内 「私化された怒りのゆくえ」 古波藏 契×福永玄弥
・須山 「自由民主主義と国際秩序」 遠藤誠治
「ファシズムは読書で、レイシズムは旅で治る」前川仁之
◎ ZOOMの『世界』を読む会、5月例会 の予定
●日 時 5月30日(金) 午後7時半~9時半
※ 月末の金曜が定例です。
○共通テーマ
・「「戦後」解体 第2回 コメと原子力」 山内明美
(「「戦後」解体 第1回」【4月号】も合わせて)
・「いじめ後遺症 第3回」 斎藤 環
(「いじめ後遺症 第2回」【4月号】も合わせて)
○参加ご希望の方は連絡下さい。案内を差し上げます。
● 連絡先 須山
suyaman50@gmail.com
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