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(07/06/01)

ジャーヘッド

2006年02月13日 | 丁稚 定吉の映画日記
わてが丁稚の定吉だす。

2月11日公開「ジャーヘッド」観て来ました。
ジャーヘッドとは米軍海兵隊員のこと。彼らを主人公に第1次湾岸戦争を舞台にした戦争映画です。
新兵が教官に罵倒されるという、どこかで見飽きたお約束の場面から始まりますが、なかなかの迫力でツカミはOK。
ただ戦争映画とは言っても戦場では誰も死なないという、今までの戦争映画の常識を覆すと言っても過言ではない内容で、そもそも死ぬかどうかとハラハラする場面すらありません。
これはこの作品が特殊だというより、ハイテク戦争だのゲームの戦争と言われたこの第1次湾岸戦争自体の特殊性でしょう。描かれるのは血しぶきの飛び散る戦場の悲惨さではなく、海兵隊員のおバカで退屈な待機の日々、そして命がけで突撃しても自分とは関係ないところでついてしまう勝負のむなしさ。しかし地上戦から空爆へと戦争の戦術は変わっても、おバカにならなければやってらんないような地上をのた打ち回る兵士の捧げる命や奪われた生活の重さは変わらないという矛盾。
観終わった後になんとも後味の悪い空虚感が漂います。凱旋パレードで醒めている一同の表情がなんともやりきれません。
第2次世界大戦から大脱走・戦場にかける橋が、ベトナム戦争からフルメタルジャケットやハンバーガーヒルが出てくるまで15年近い時間がかかっています。
この作品は決して名作や力作ではありませんが、これから現れるであろう15年の時間を置いて熟成させた湾岸戦争モノの名作のアウトラインを示した作品だと言えると思います。

他の方のお勧めのレビューは
http://anotherorphan.com/2006/02/post_182.html
http://d.hatena.ne.jp/baythemoon/20060212

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