デフレスパイラルについて、 物価の下落→企業収益の悪化→収入の減少→物価の下落、と物価の下落から始める人がいますがこれは間違っています。それを説明するためにデフレから説明したいと思います。分かりやすくするために極端な単純化を行います。日本全体でAという製品を1000個造ったとします。その対価として100000円を人々に払ったとしましょう。100000円は購買力となります。そうするとAという製品1個は 100000/1000で100円となります。ここで企業間に競争が生じてAを造るのに必要な工数の1/10を国内の半分の価格で海外に出したとします。そうすると日本の人々に支払われる対価は90000円、すなわち購買力が90000円に減ってしまったのです。そうするとAの価格は、企業が売らねばならない価格が (90000+5000)/1000 で95円、人々全員が買える価格が 90000/1000で90円となります。この差が何を表しているかというと、買えない人と売れ残り品の両方が生じることを表しているのです。つまり、企業サイドにも人々の中にも勝ち組と負け組みができるということです。そしてマクロで見ると経済が縮小します。これがデフレです。仕事の減少がデフレなのです。物価の下落はデフレの結果生じる一つの現象にすぎません。これが分かっていないと、物価を上げるとデフレが収まるような錯覚をおこしてしまいます。そんな錯覚を基にして対策を立てると、物価は上がるが収入は下がるという最悪な状態に陥ってしまいます。冒頭のデフレスパイラルについての解釈がいかに馬鹿げているかわかるでしょう。デフレを治めるには、国内の、再生産できる仕事を増やすことしかないのです。製品の国産化率を管理してもよいし、政府が再生産できる新規事業を起こしてもよいし、管理貿易を行って、関係する国の貿易収支を±0にしてもよいでしょう。こういうことが真の対策になります。
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