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人生を楽しく生きるための試行錯誤

言語能力を司る遺伝子FOXP2

2009-11-15 22:41:51 | 遺伝

FOXP2という遺伝子は言語中枢の発達に関与する重要な遺伝子である。この遺伝子が突然変異を起こすと言語障害が発現する。人とチンパンジーのFOXP2で作られるたんぱく質はアミノ酸2個分しか違わないらしい。カリフォルニア大はこの違いによって、人とチンパンジーの言語能力に大きな差がもたらされていると発表した。人の培養細胞に、人のFOXP2とチンパンジーのFOXP2を働かせて見たところ、人のFOXP2はチンパンジーのFOXP2に比べて61個の遺伝子を活発化させ、55個の遺伝子を抑制することが分かったというのである。つまり、FOXP2は言語中枢を作るプロセスをコントロールしているわけである。このことから推測して、FOXP2はプロセスのプログラムとデータを持っているということは明白である。

蛇足かもしれないが遺伝子について私の考えを述べてみたい。人とチンパンジーのゲノムの違いは1.2%と言われている。この表現がチンパンジーと人が非常に近いものだという誤解を生んでいる。ソフトウエアを例にとって説明すると、同じ言語で書かれた2つのプログラムを比較すると、使われているコマンドは同じでも実現している機能はまったく違う。ソフトウエアの違いは実現している内容にある。人とチンパンジーも良く似た遺伝子を使っていても実現している機能や性能は違うのである。


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