やる気を上げる環境づくりへ、心理学上の基本知識をご家庭とも共有したいと思います。
毎月サポーツ生に配布している「サポーツ通信」に掲載した、コラムを転載します。
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「ほめて伸ばす」とは、今さら言うまでもない正論ですが、その”ほめ方”で驚くほど大きな違いが現れます。
「とても賢いのね」と能力を褒めるグループと、「よくがんばったね」と努力を褒めるグループと、何も付け加えないグループ(統制群)に分けます。
能力を褒められたグループは、「課題をもっとやりたい」「課題がおもしろい」という質問への評価が低く、図のように、失敗をはさむと、成績は前よりも悪くなるという傾向が認められました。
これは、能力を褒められることによって、「成績は能力で決まる」という考え方を強め、能力は
もともと人に備わったもので変える事ができないという能力感を強めたことを示しています。
一方、努力を褒められたときに、「成績は努力すれば良くなる」という考え方を強め、能力は自分の力で伸ばし、変えるのだという能力の増長感を強めました。
このような、能力に関する考え方の違いを生み出すことが、やる気の違いをもたらす原因になります。
参考:絶対役立つ教育心理学 ミネルヴァ書房