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Walk for a cure

自己満足系我儘日記

イマチニブ(グリベック)関連topic 5/23~26

2005-07-29 | ASCO2005グリベック関連
2005.5.23 未治療の慢性骨髄性白血病(CML)を高用量イマチニブで治療開始することの有用性と安全性

CML(慢性骨髄性白血病)に対するイマチニブ第1相試験は、インターフェロン(IFN)不応ないしは不耐容の149例を対象として、1000mg/日(分1または分2)の上限投与量で検討された。その結果1000mg/日群に、重度の嘔気・嘔吐、浮腫、または発疹、といった用量規定毒性を認めたが、最大耐用量とすべき有害事象は認められなかった。一方、有効性には、用量依存性が認められ、現在の常用量(400mg/日)よりも高用量で、有効なケースがありうることを示唆した。



2005.5.26 GISTに効果が得られている間はイマチニブ治療を終了すべきでない
フランスの第3相臨床試験「BFR14」から報告


イマチニブを用いたGISTの治療では、「効果が得られているなら、投与を継続せよ」との報告が多い。では、効果が得られている間に治療を終了したらどうなるのだろう。進行までの期間が短くなるのか。どれくらい短かいのか。進行後のイマチニブ再開は効果を持つのか。仏Gustave Roussy研究所のA. Le Cesne氏が、5月15日のポスターセッションで疑問に答えた。



2005.5.26 小児にみられる各種Sarcomaにイマチニブは奏効するのか

GIST以外の肉腫にも、KITやPDGFRの発現を認めることがあるという。「イマチニブで、効果が得られるかもしれない」、そう考えたBCCHのM. Bond氏らは、その他6種の肉腫にイマチニブの投与を試行した結果について、5月16日のポスターセッションで発表した。



2005.5.26 複数のチロシンキナーゼに阻害活性を有する
新規の経口分子標的薬剤PKC412の臨床的基礎検討


PKC412は、3型RTKファミリーと称される受容体型チロシンキナーゼ群などに広い阻害活性を有する新規の分子標的薬剤(経口投与)である。既にいくつかの疾病を対象に、前臨床試験が開始されている。Buch大学のP.Reichardt氏らは、GIST患者やAML患者を対象に、薬物動態の検討を行った。本演題は、5月16日のポスターセッションにて報告されたものである。



2005.5.26 GIST患者におけるc-kit変異とp53変異の同時発現は、予後を不良にする

p53は「癌抑制遺伝子」として広く知られており、この遺伝子変異もしくは欠失が、細胞の癌化と密接に関連し、患者の予後をも左右するといわれる。GISTにおける腫瘍増殖のトリガーはc-kit変異だが、そこにp53変異も介在する可能性が考えられ、予後と結びつくのかもしれない。そこで、韓国Asan医療総合センターのM.H.Ryu氏らは、イマチニブ既治療のGIST患者を対象に、p53変異を調査し、5月16日のポスターセッションで発表した。



2005.5.26 白血病の分子遺伝学的効果簡便に評価できる新たな測定法が登場

白血病の治療では、血液学的効果だけでなく、分子遺伝学的効果を測定することが大切。寛解の達成度を詳細に把握でき、再発リスクの推定にも役立つからだ。しかし、従来のFISH法では、操作が極めて煩雑だった。そこで、Quest Diagnostics社のAlbitar氏らは、ワンステップで簡単に測定できる方法を考案し、5月16日のポスターセッションで発表した。



2005.5.26 イマチニブで治療し、造影CTで観察を続けた転移性GISTの症例が報告される

Christie病院のKM Linton氏らは、GISTに対する自らの経験において、「イマチニブ投与を継続することには意義がある」との確信を持っている。対照的な症例を提示し、その理由を語った。本演題は、5月16日のポスターセッションで発表された。



イマチニブ(グリベック)関連topic 5/19

2005-07-29 | ASCO2005グリベック関連
白血病分子標的治療薬AMN107の用量設定試験結果が明らかに
イマチニブ耐性白血病にも効果示す


Goethe大学のOttmann氏らが、新規の白血病分子標的治療薬AMN107に関する用量設定試験の結果を報告した。AMN107は、イマチニブと同様の創薬コンセプトで合成された選択的Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬(経口投与)であり、イマチニブ耐性白血病などを対象に試験された結果、優れた効果と安全性が示された。本演題は、5月16日のポスターセッションで発表された。




イマチニブ(グリベック)関連topic 5/18 3件

2005-07-29 | ASCO2005グリベック関連
イマチニブで効果得られた場合、残存病変の手術で予後改善が期待できる
ただし、術後のイマチニブ継続が必要


イマチニブ治療下で残存病変を認めた場合、手術の可否についてのエビデンスは得られていない。そこでイタリアNazionale腫瘍研究所のAlessandro Gronchi氏らは、少数例ながらレトロスペクティブな検討を行い、「イマチニブで効果が得られている症例ならば手術をして、術後にイマチニブ投与を継続することが予後の改善につながる」として5月15日のポスターセッションで報告を行った。



c-kit遺伝子エクソン11変異がGISTにおけるイマチニブの臨床効果を左右する
CALGB 15105/SWOG S0033試験のサブ解析で確認


消化管間葉系腫瘍(GIST)に特徴的な遺伝子変異は、c-kitとplatelet-derived growth factor a(PDGFRa)であるが、c-kit遺伝子変異を伴うものが大半を占め、PDGFRa遺伝子変異を伴うものは極めて少数とされている。c-kit遺伝子の変異部位にはエクソン9、11、13、17などが知られている。これらが機能獲得型変異として働き、恒常的増殖シグナルを発することで腫瘍化を引き起こす。イマチニブはこうした変異を分子標的としているのだが、なかでも、臨床効果を左右する最も重要な因子がエクソン11変異であることが豊富な症例で確かめられた。5月15日のプレナリーセッションでOHSU癌研究所のMichael C. Heinrich氏らが報告した。



GISTに対する内科的+外科的治療実施の3パターン26症例が報告

切除不能GISTにイマチニブ投与を行って効果が得られたものの、残存病変の予後が懸念された場合に手術を行うべきか? 手術後にイマチニブの投与を終了してもよいのか、それとも継続すべきなのか? イマチニブ投与で耐性・進行を呈したGISTを手術によって延命できるのか? こうした現実的な疑問に答えを見つけるためには、実際の症例を積み上げるほかはない。ワルシャワ癌研究所病院のPiotr Rutkowski氏が、参考となる貴重な症例経験を5月15日のポスターセッションで発表した。



イマチニブ(グリベック)関連topic 5/17 4件

2005-07-29 | ASCO2005グリベック関連
進行GISTに対するイマチニブ治療の治療抵抗性因子に関する検討
仏Sarcoma Group BFR14試験の詳細解析結果が報告される



進行GISTにイマチニブを投与する際の治療抵抗性因子(予後規定因子)としては、KIT(CD117)陰性が広く知られている。しかし、その他の治療抵抗性因子に関しては、試験対象の背景などにも左右されることから、様々な報告がなされている。今回、仏Sarcoma Groupでレオンベラード中央病院のIsabelle Ray-Coquard氏らは、BFR14試験のデータを多変量解析し、KIT陰性以外の治療抵抗性因子について5月15日のポスターセッションで報告した。



イマチニブ耐性GISTに対するイマチニブ+エベロリムスの併用
第1相・用量設定試験で約4割に4カ月以上の増悪抑制見られる



GIST治療におけるイマチニブの初期耐性(投与開始後の比較的早期からみられる進行)や、二次耐性(長期投与において生じる進行)が、治療戦略上の新たな課題となりつつある。耐性を生じた場合には、イマチニブの増量で対処する考え方と、他剤併用にて対処する考え方の2つが議論されているが、5月15日のポスターセッションで発表された本演題は後者の立場からの報告である。ベルギーのA. Van Oosterom氏らは、新しい増殖阻害剤であり免疫抑制薬であるエベロリムスをイマチニブに併用することで、耐性GISTへの対応を試み、その安全性と有効性を報告した。



イマチニブ投与に対するGIST病変部位の生体内変化が明らかに早期から腫瘍細胞のアポトーシスと腫瘍内微小血管の減少が見られる


GIST患者にイマチニブ投与を開始した直後から、PETによる観察で腫瘍への18F-fluorodeoxyglucose(FDG)の取り込み低下を認めることがある。FDGの取り込み低下は、細胞の糖代謝抑制を反映する所見であり、一般的には腫瘍の悪性度や細胞活性と相関するとされている。MD Anderson Cancer CenterのJohnathan C. Trent氏らは、イマチニブ投与によってFDG取り込み低下を来たしたGISTの腫瘍部位に、早期から血流パラメータの低下と微小血管密度の減少があることを発見、5月14日の総合教育セッションで報告した。



切除不能ないし進行GISTへのイマチニブ投与は常用量から増量が有益か
用量調節方法を示唆するS0033試験の補足解析結果が明らかに



GIST治療にイマチニブを使用する場合、最初から高用量を用いるべきか、あるいは常用量から開始して不応時に増量すべきかについての議論があった。その答えを導くために実施されたのがS0033試験である。S0033試験では、イマチニブ投与を高用量群(800mg/日)と増量群(400mg/日で開始後800mg/日に増量)に無作為化した結果、全生存期間と無増悪生存期間について、両群間で有意な差は認められなかった。このことは、用量が制限される日本において重要な示唆となっているが、より具体的な用量調節などの実際を知りたいという医療現場の声も聞かれていた。ボストンDana-Farber癌研究所のPalma Dileo氏が5月15日のポスターセッションで発表した本演題は、その要望に十分応える内容であった。



イマチニブ(グリベック)関連topic 5/16 3件

2005-07-28 | ASCO2005グリベック関連
GISTの術後補助療法にイマチニブを用いた際の安全性に関する検討
ACOSOG Z9000試験の中間解析より



切除不能、または転移を認めるGIST症例に対するイマチニブの臨床効果は、国内外において様々に検討されており、多くの知見が蓄積されている。それに対して、GISTの術後補助療法にイマチニブを用いた検討は少なく、現在のところACOSOGで2つ、EORTCで1つの臨床試験を数えるのみである。本演題は、その一つであるACOSOG Z9000試験(現在進行中)における副作用などの報告である。400mg/日という日本と同等の投与量において、術後補助療法1年間の良好な安全性が示された。5月14日の一般口演でRonald P. Dematteo氏が発表した。


KIT陰性GIST例でもc-kit遺伝子変異は高頻度イマチニブ治療に
反応する可能性が示唆される



KITはGIST患者の9割以上で陽性所見を呈し、そのほとんどにc-kit遺伝子の異常を認めるとされる。イマチニブの分子標的がc-kit遺伝子産物(KIT)であることから、KIT陽性が適応の条件となっている。しかし、KIT染色には不確実性も知られており、組織固定の問題などによって弱染色となる場合があることから、必ずしも染色強度とイマチニブ効果は相関しないというのが現状である。そこで、カナダToronto大学のMartin E. Blackstein氏らは、S0033試験から得られた治療前の腫瘍組織を病理学的に再検討して、KIT陰性例にイマチニブ効果が得られていたかどうかを解析、5月14日の一般口演で報告した。


グリオーマに対するイマチニブとハイドレアの併用療法の検討
有効性と安全性を評価した米国第2相試験結果が報告される



神経膠腫(グリオーマ)は、その発生部位や腫瘍浸潤性などの面から、治療が極めて困難とされてきた。しかし、最近の画像診断を駆使した手術摘出率の向上や、集学的治療などの工夫によって、徐々に治療成績の向上が見えてきた。一方、イマチニブはBcr-AblやKITのほかにも、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)に対する選択的な阻害作用を発揮することから、PDGFRとの関連性が示唆されるグリオーマなどへの応用が検討され始めている。イマチニブの併用療法がグリオーマの治療成績を向上させるか否かに関して、5月14日のポスターセッションで治験結果(第2相臨床試験)が報告された。