CSL

K氏のお誘いで六本木ヒルズのBMWアートカー展に行ってきた。

お目当てはなんといってもフランクステラの３．２CSLターボGｒ５だ。

BMWを好きになった原点は、幼少の頃遊んでいたおもちゃで、ウォータースライダーみたいな小さなコースを何台かのスーパーカーを走らせるもので、ゴールするとベルトコンベヤーで上まで運ばれて、またグルグルと走らせる単純なものだった（なんていうおもちゃか判りません）。エントリー車両は、赤のBB512、黄のカウンタック、青のポルシェ９３５、緑の３．５CSL、あとは白のストラトス、マセラティボーラやパンテーラなども含まれていたかもしれない。

兄弟や従兄弟がBBやランボルギーニ・ポルシェを取り合うなか、自分は、ペッタンコの車の中で唯一角ばったCSLが走るのが痛快で、好んでCSLを選んでいたものだ。

フランクステラの７６CSLは、３，２リッター２４バルブにターボを装備して７５０馬力に達しており、当時のF-1よりも速かったようだ。しかし大パワーに駆動系がついていけず、シルバーストーン・ディジョン・ルマンに登場したが、いずれも完走は果たせなかった。故ロニーペテルソン（ロニーピーターソン）がドライブしたことでも有名だ。ちなみに７６年のGｒ５は、主力のノンターボCSLがポルシェ相手に善戦し、７戦中３戦に勝利したものの、残り４戦をポルシェに勝ち取られてタイトルを逃している。

今回、思いがけなく生でみることができて、感慨もひとしおで、やはり自分にとって、CSLは究極に永遠にかっこいい存在であると思えた。”透明なスピード”というアートな演出で、CSLの凄みが、時空を越えてなおさら際立っていてよかったと思う。写真撮影禁止だったので、同行したK氏・フォッカー氏と３人でかなり長い時間、目を皿にして、あちこちなめるように見て、瞼に焼き付けた。思わず線の中に入ってしまったり、手が伸びたりしてしまって、係りの人に注意されてしまった。係りの人も「こいつらしょーもないマニアだな」と思っていたことでしょう。できればステラCSLも中身を整備して、もう一度サーキットを走る姿もみてみたいと思った。自分が板金屋さんだったら間違いなくレプリカ作って走らせるだろう。

六本木を後にして、ついでに丸の内のカルダーのCSLもみてきた。

カルダーのCSLはGr2仕様だと思うが、バブルアーチ風フェンダーにモロにEARLY70'の原色系カラーリングがかっこいい。ドイツから直で運んできたそうだが、よい物をみせてもらってBMWJAPANありがとう。

その後は中央区のデニーズ勝どき店で、cooL5氏、ネッツボン氏と合流して、近況報告をする。よもやま話に花が咲き日暮れ近くになってしまった。おのぼり組を歓迎してもらって、オミヤゲもいただいてありがたいことです。

道中はK氏のディータークエスター仕様M3に同乗させてもらうという贅沢な旅で、途中高速でステアリングを握る機会をいただいた。初期型の、程度がとても良い車両で、中身もしっかりとメンテナンスされており、乾いたM3サウンドとハンドリングを堪能することができた。”たかだか”２，３リッターの自然吸気エンジンなのに、秘められたパワーはすばらしく、やっぱり速かった。高速でとても安定していて、これからM５３５を仕上げていく上でよい指標となりました。道中、運転とスムーズなナビゲーションありがとうございました。ホント楽しい一日でしたよ。

K氏と別れてM535で家に帰宅するまでは順調だったのだが、運転席ドアのキーシリンダーに不具合が出て、ドアが開かなくなってしまった。残りの休みは３．０のエンジン探求でもしようと思っていたのだが、どうやらそうもいかなくなってしまったようだ。