++おさんぽ日和+++

都内在住の栄養士。
2歳・ノンとの毎日を綴ります。
育児photo川柳、離乳食、日々思うコトetc

「木」が放つもの

2011-05-12 | 思うこと
先月の話ですが、両親の箱根旅行にノンと二人で乱入してきました。
産後初の温泉を堪能したまでは良かったのですが、枕が変わったせいかノンの夜泣きがすさまじく、
朝6時まで泣き続けるという有り様。大人は皆ヘロヘロで、何をしに行ったのやら・・。

それはさておき、、、
泊った箱根離宮のエントランスに不思議な巨大オブジェが飾ってありました。

最初目に入った瞬間から、昔見たことがあるかのような、どこか懐かしい感覚を覚えたオブジェ。

作品の説明カードを見て納得!
なんとこのオブジェ、インドネシアの「チーク」で作られたもの。

wikipediaによると、チーク(teak)は、クマツヅラ科の落葉高木の総称。
アジアの熱帯モンスーン気候地方に分布する。材質は堅く、伸縮率が小さく、水に強いので、船舶・家具などの用材や建築材として広く使用される。「チーク」という名前はインド南部ケーララ州の言葉マラヤーラム語の「thekku」に由来する。

13世紀に船の材料として使われていたチークを、日本人アーティストがオブジェに作り替えたそうです。
ちょうど同じ頃、箱根に温泉が湧き出たとの縁で、このホテルで飾っているそうな。
木が踊っているような、生きているような躍動感に溢れています。

どっしりとしたチークの重々しさ。
ツヤのある明るい色。
遠くインドネシアから運ばれたこの木を、懐かしさいっぱいの気持ちで撫でました・・。

そういえば、先日お邪魔したジャカルタフレンドMちゃんの東京宅でも、同じような懐かしさを感じました。

家に帰って来て「はて、どうしてだろう?」と考えてみると、彼女の家にもやはり
インドネシアの木材で作られた家具がいくつかあったことを思い出しました。

Mちゃんも私もお気に入りだったジャカルタのカフェレストランで購入されたもので、
色もニスも塗ってない自然な作り。
「木」そのものって感じ。

やっぱり「木」というのは、その土地そのものなんだなぁと思うのです。

我が家にはカゴなどのインドネシア雑貨はあるものの、持ち帰った家具はありません。
カゴは確かにアジアっぽい雰囲気は醸し出しますが、「木」が放つものに比べると小さい。

インドネシアの「木」が配された空間だったから、Mちゃん邸にいるとまるでインドネシアに居るような気持ちに
なれたのだと気付きました。

その土地に何十年、何百年も根を張った木。
たとえ伐採されて家具やオブジェとして姿を変えたとしても、その土地の息づかいを忘れないのですね。

アジアの木材というと安価なイメージがありますが、ずいぶん値上がっているみたい。
我が家には東南アジア産の木枠を使った照明があり、もう一つ買い足したいとメーカーに問い合わせたところ
「自然素材のものは、製造中止してます」とのこと。

インドネシアの小さな島々では、パーム油を作るべく森林伐採してヤシの畑に変える動きが止まりません。
丸裸になって行くインドネシアの森・・。
住みかを奪われたオラウータンたちが、森を追われています。
「エネルギー戦争」という言葉は、インドネシアも無縁ではないのです。

貴重なインドネシアの木材、日本の木材、世界の木材。
「木」の放つものが泣き声にならないように、大切にしなければと思います。