
amazonで予約注文により購入。
発売日直後には手元に届いていましたが、おが丸で読むことを想定して取り寄せてたので今回の帰省の際、ようやく読むことが出来ました。
昔から、本は寝しなに読むことに決めています。
ところが、近年、歳のせいか夜更かしが出来なくなってきており、床について本を開くと同時に寝落ちしてしまいます。
なので、買ったものの、未だに読んでない本が寝床付近でどんどん山済みになっています。
なので、この数年は、おが丸での移動中に読むことにしています。
百田さんの本を買うのは二冊目となります。
上のような理由で一冊目はなかなか読めずにいました。
そしたら先に子供たちが読んでしまいました。
長男は、まだ島に居た頃に一日で読破。
次男は読んだり読まなかったりしながら三ヶ月くらい掛けて読破。
決して、強要はしていませんし、もとより、これっぽっちも薦めてはいないのですが、本人たちが自らの意思で「読みたい」というので読ませました。
それは百田さんのどの本なのか?
ちょっとここでは言えません。(^^;
話を『夏の騎士』に戻しますが、表紙買いしたくなるような装丁からしてとても綺麗な本でした。
あらすじを読だ上で、このタイトルも一発で気に入りました。
しかしながら私は、この作品からは期待していた程の満足感を得られませんでした。
我が家に現役の小学生がいるからかも知れませんが、主人公達の言葉の一部がやけに大人びていてリアリティーが感じられない部分が幾つかありました。
「できすぎ君」でもそんな言い回ししないでしょ?と思わせるような・・・。
あと、どうしても気になったのが、淫交シーン。
現実世界に照らし合わせれば、実際にあってもおかしく展開ではあるとは思います。
しかし、どうしても入れなければならなかったのでしょうか?
あの描写が無くても、この物語は十分成立するのではないかと思いました。
私がただ甘っちょろいだけなのでしょうか?
また、最終的にヒロインとして成長する女生徒の、相手の心を折らせる程の言葉の汚さも気になりました。
主人公にとっては良い伴侶となったのかも知れませんが、自分を傷付ける言葉に対し、それよりも傷付ける言葉で応酬するこの女生徒の心根は人としてあまり感心できませんでした。
そして真犯人も自らを社会の脱落者であると言ってるような人物で、救いが無いというか、意外性が無いというか、興ざめな部分ではありました。
こうした不満が出るのは、単に私が求めていた物と違っていただけなのかも知れません。
しかし、それにしても、読了後、大きな清涼感や爽快感に包まれることはなかったし、「ああ、凄く面白かった!」と言うほどの高揚感も得られませんでした。
この作品一つで私の中における百田さんの作家としての魅力が損なわれることは決して有りませんが、私にとって『夏の騎士』は、食い足らない部分があり、その一方で過度に感じた部分もあるという、どうにも掴み切れない物語でした。