検査のお仕事

今、建設業界を震撼させている耐震偽装問題。

度を超えたコストダウンの為に、強度計算まで

偽装し、多くの違法マンションを建設し続けてきた。


安くて良い物を提供するべきところを、欲の皮が

つっぱりすぎて「安かろう悪かろう」になってしまった。


検査機関がありながらこんなに事態が大きくなるまで

全く不正を見抜けなかったという情けない結果。



今回の件で建設業界そのものが疑わしく思えてくる。


建築士免許の更新制度導入、建築基準法の罰則強化、

検査機関への立入調査など、大ナタが振るわれはじめて

いる。

検査機関そのものを考え直す必要がある。



まだまだ、影響は広がりそうだ。


恐らく他の業界にも飛び火するに違いない。





ただ、「検査」という仕事を経験してみるとわかるが

とても重要な割に非常に退屈な業務ではある。


更に人間は基本的に、なまけ者であるという性悪説に

立たなくてはならない因果な商売。


マンションくらいになると恐らく１物件と言えども膨大な

枚数の書類に目を通すことになるだろう。


詳しくはわからないが確認検査機関の主な業務とは、

それを来る日も来る日も同ように繰り返すだけ

なのだろうか。


これといって創造的でも、エキサイティングでもない

変化に乏しい仕事。

キチンとチェックするのが当たり前で、あまり誰かに

喜ばれたり感謝されるわけでもない。


人にもよるかもしれないが、初めはキチンとチェック

していても、次第に飽きてきて手を抜くようになる。


手を抜いて速く終わらせれば、逆に喜ばれたりする。


相手を信じて検査の手を抜いたところで、とりあえずは

何事もなく建物ができあがっていく。


本来、工業製品などならば生産ラインの途中に

ポカ避けのシステムを組み込んでしまえば良いのだが、

こういった書類になるとそうもいかないのだろう。