goo blog サービス終了のお知らせ 

オプションマスター“ウィザード”への道

ウィザードとは…魔法のように儲ける一握りのトレーダーにのみ与えられる最強の称号

デルタヘッジ

2006年07月11日 21時15分50秒 | オプション講座・上級編
○○ヘッジと言われる手法はたくさんありますが、まずはデルタヘッジです。デルタヘッジとは、文字通りデルタをヘッジすることです。

デルタとは原資産価格によるポジションの損益の変化率のことなので、デルタが自分で取れるリスク以上に大きくなったり小さくなったりするとリスク管理上問題が出てきます。また、ガンマ効果やポジション調整の結果により、相場に対する見通しとポジションのデルタがずれてしまうこともあります。こういった時にデルタヘッジを使います。ショートストラングルなどのポジションで常にデルタを0に保ちたい場合にも使います。

デルタヘッジには通常先物を使います。オプションを使うと流動性に問題がある上、デルタ以外のギリシャ文字にも影響を与えるため、厳密にはデルタヘッジとは言えません。

デルタが想定以上に小さくなったり大きくなったりした時にデルタヘッジを行うのですが、先物は1枚当たりデルタは+1か-1なので、少ないオプションポジションの場合オーバーヘッジにならないように気を付ける必要があります

具体例を挙げましょう。今日経平均が15500円の時にショートストラングルを仕掛けます。165-Cと145-Pで10枚ずつ売ります。この時はデルタは0です。しかし、翌日日経平均が上昇し、15700円をつけました。デルタはガンマ効果により-2にまで変化しました。これは先物を2枚売っているのと同等のリスクがあります(あくまでも原資産価格に対するリスクです。IVリスクなどは無視しています)。そこで先物を2枚買います。これによりデルタが0になりますよね。こういった手法がデルタヘッジです。

先物はデルタが大きいので、小さいオプションポジションでは使いにくかったのですが、もうすぐ日経225miniがスタートするので幾分使いやすくなります(日経平均先物の10分の1のポジションサイズです)。しかし、僕はデルタヘッジを積極的に使うことはしません。多分これからもすることは無いでしょう。理由を説明します。

僕がデルタヘッジを好まない理由

①あえて使う必要が無い

デルタが想定外に大きくなったり小さくなったりした時は、僕はデルタヘッジするくらいならポジションサイズを小さくするか、オプションポジションを調整して適切なデルタに持って行きます。

②利益が圧縮される

ヘッジというのは利益を追求する手法ではなく、損失を減らす手法です。つまりヘッジが成功したとしても損失が減少するだけで利益が出ません。ヘッジが失敗すると本来出ていたはずの利益が圧縮されます。この効果は損切りと同じです。効果が損切りと同じなら、無駄に手数料をかけてポジションを複雑にするよりも一旦仕切りなおしたほうが賢明だと思います。

③相場観が入る

ヘッジは損切りと同じ性質のものです。損切りには相場観を入れるべきではありません。しかしどうしてもヘッジには相場観が入ってしまいます(何枚ヘッジを入れるか、どこで入れるかなど)。

僕はデルタヘッジに対してベアな立場を取っています。僕なら、よほどのことがない限り、デルタヘッジをするくらいならポジションを調整します


最新の画像もっと見る