「ぼくら党」のブログ

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米産牛肉輸入再開-「国民の命など大した事無い」

2006-06-24 17:43:33 | 狂牛病・共謀罪・年金

■アメリカ産牛肉の輸入再開がついに決定された。小泉首相は― 拙速だとの野党の批判は「全くあたらない」と退けた。― と記事に有るように、この度の日米合意は妥当なものであると考えているようだ。

しかし、拙速という意味は、何も時間がかけられていない、という事ではなく、アメリカ産牛肉の安全性が、確保されていないことを意味している。アメリカの飼料規制が、狂牛病の予防には適さない体制になっていることには現在でも変わりがない。

この合意は、安全性の確保が担保されたために合意されたのではなく、単なる、政治的思惑の産物でしかない。(誰が考えても小泉首相の訪米に合わせた、合意であることは明白である。)

■政府は自国民の生命を守る気がないようだ。小泉首相は― 国民の納得は「得られると思う」 ― と言っているが、本当に納得が得られると思っているのだろうか。早速、消費者団体などからは批判の声が相次いでいる。消費者団体のみならず、国民の大多数も輸入再開には反対ではないのだろうか。

いつものことではあるが、都合の良い時だけ、民意を利用する小泉首相の姿勢には、改めて憤りを感じる。 (もし、この事を国会で質問すれば、「アメリカとの関係に比べれば、国民の命など大した事無い」と強弁するのではないか。)

■アメリカとの関係から、安全性のみ考えられた合意でないことは理解できるが、しかし、だからといって、汚染された牛肉など食べさせられたくは無い。― それぞれの好みもある ― とあるが、食の選択肢を増やすために、この度の合意をしたとでも言いたいのだろうか。

そうであるなら、極論ではあるが、麻薬や毒薬の規制も解禁したらどうか、自己責任によって、個人が、それぞれの好みで、選択するだろうから、問題なしではないのか。

そもそも、実際問題として、好みによって選択などできるわけがない。アメリカ産牛肉は、あらゆる加工食品に使われることになる。これは焼肉や牛丼を食べなければ済むという話ではない。知らぬ間に、見えない形でアメリカ産牛肉が使われていれば、それぞれの好みによる選択など不可能だ。

■もし、アメリカ産牛肉を食べたとしても、狂牛病が発病する可能性は低いと言われている。しかし、狂牛病そのものの解明は未だなされておらず、プリオンが本当の原因かも証明されていない。しかも、狂牛病は、輸血によっても感染するので、薬害エイズやC型肝炎のような状態にもなりかねない危険をはらんでいる。これでは食べなければ安全とも言い切れない。

■プリオン専門調査会の吉川座長はテレビで、「日本が事前の調査することから、日本側も輸入に対して責任を持つことになる」。との趣旨の発言をしていたが、全く白々しい、戯言そのものだ。

もし、狂牛病に発病する国民が出ても、「国に責任なし」と何十年もかけて裁判で争うことは目に見えている。これはドミニカ棄民事件や、その他の公害訴訟を見れば明らかだ。立場の弱い国民は泣き寝入りせざるを得ない状態に追い込まれることになる。結局、責任は政府ではなく、国民が取らされることになるだろう。行政の言う責任とは、「国民に押し付ける」と解釈すべきだ。

■アメリカの姿勢は、異常としか言いようがないが、それほど、食肉業界と政治との癒着が、強固であることをうかがわせる。何も日本の政治だけが、特定の業界と、癒着しているわけではない。グラスリー上院財政委員長が「科学に基づいて」と、言っているが、これは、「食肉業界の意向に基づいて」と置き換えることができるだろう。

よく政治家が言う「日米の価値の共有」など、この程度のものだ。状況によっては如何様にも価値など変わると言うことだろう。もし、アメリカが対日対抗措置を取るというなら、よく言われることだが、その損失分だけ米国債を売り払うことによって補填すればよい。

こういう態度を日本もとらなければ、せっかくの相互依存関係も意味がない。中川農水相も対中ODAより、自らの職責である食品問題について、毅然たる態度をとったらどうだろか。これからは問題があっても、「その施設だけ輸入禁止にします」。と対応の緩和を、ホノめかしている場合ではない。

しかし、アメリカとの関係と日本国民の生命を比べた場合に、アメリカ政府との関係を選択する政府に、その様な行動を期待する事の方が、彼らのよく言う「9条は現実的ではない」と同じぐらい(又はそれ以上)現実的ではないのだろう。

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-以下参考記事-
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060621-00000081-mai-bus_all
 <米産牛肉輸入再開>合意は「時期尚早」 
消費者団体など米国産牛肉の輸入再開合意に対し、消費者団体などからは「時期尚早」との批判が相次いだ。日本消費者連盟の事務局長は「抜き打ち検査の条件付けをしていること自体が安全でないことの証明」と批判。食の安全・監視市民委代表を務める神山美智子弁護士は「もう一度起きた時の重大さを考えているか」と疑問を投げかけた。 (毎日新聞) - 6月21日18時29分更新

http://www.asahi.com/politics/update/0621/010.html
「十分時間かけた」 米産牛肉輸入再開で小泉首相
2006年06月21日20時23分
小泉首相は21日、米国産牛肉輸入再開の日米合意について「これだけ時間をかけ、問題点、疑問点を洗いざらい、互いの意見をぶつけ合って協議し、全国各地でも国民の声を聴きながら、ようやく合意が出来て良かった」と述べ、拙速だとの野党の批判は「全くあたらない」と退けた。首相官邸で記者団に答えた。  

さらに首相は、国民の納得は「得られると思う」とし、「米国産牛肉が良いのか、日本産の牛肉が良いのか、それぞれ好みもある。値段も高い、安いがある。様々な観点から、安全、安心どちらを評価するのか。それは個人の選択の問題だから」と語った。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060622-00000028-jij-int
喜ぶのはまだ早いと米有力議員=米業界、「日本は信頼できぬ貿易相手」  
【ワシントン21日時事】
米貿易政策に大きな影響力を持つグラスリー上院財政委員長(共和)は21日、米国産牛肉の輸入再開をめぐる日米合意について「喜ぶのはまだ早い」とする声明を発表した。同委員長は肉牛生産地であるアイオワ州の選出。 委員長は「事前査察の実施の約束が輸入再開を意味するものではない」と指摘。「引き続き科学に基づいて日本が実際に輸入を再開するまで圧力を掛け続ける」と述べた。 

一方、業界団体の全米肉牛生産者協会(NCBA)のジョン会長も声明を発表。「日本は信頼できない貿易相手国だ」とし、8月末までに輸入が再開されない場合に対日制裁を発動する法案への全面的な支持を表明した。(時事通信) - 6月22日7時1分更新

http://www.asahi.com/life/update/0622/007.html
 米産牛肉、全面輸入停止は前例とせず 中川農水相
2006年06月22日20時50分 
中川農水相は22日の閣議後の記者会見で、米国産牛肉の輸入再開後、牛海綿状脳症(BSE)の原因物質がたまりやすい背骨などの危険部位が再び混入したとしても、全面的な輸入停止には踏み切らない可能性を示した。中川氏は全面停止を決めた1月の判断について「前例ではない」と述べた上で、問題再発時について「その時の状況でいろいろな対応がある」と語った。  

米国産牛肉については1月、背骨混入が見つかったことで、日本政府はすべての輸入を再停止した。日米政府は21日、7月末にも輸入を再開することで合意したが、再び問題が起きた場合に輸入を全面停止するのか、原因となった施設や会社からの輸入に限って停止するのかの判断は先送りされていた。  

政府が6月上旬に全国で開いた消費者らとの意見交換会では、米国から輸入した牛肉に危険部位が混入する問題が再発した場合は全面的な輸入停止を求める意見が出た。だが米政府・議会は、問題の原因となった施設からの輸入だけを停止すべきだと主張。全面停止を決めた日本の1月の判断を「過剰対応だ」と批判している。



2 コメント

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従米の小泉 (法統)
2006-06-25 17:27:34
小泉は日本国民の方を向かずにアメリカ一辺倒ですね

アメリカと審議もせずに輸入再開させてその後で日本の検査官が査察に行くのはおかしいし、順序が逆だと思うのですが・・・

このペテン師はアメリカのためならどんなことでも日本国民を騙し続けるのですね

日本の富をアメリカに奪われるし、アメリカの植民地支配を早めているかもしれないですね

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コメントありがとうございます。 (管理人)
2006-06-25 19:15:10
法統さん、こんにちは



今回は、事前調査とアメリカが行なう抜き打ち検査をするらしいのですが、事前調査で問題点がわかる訳も無く、抜き打ち検査の同行すると言っても、これほどアメリカでは政治と食肉業界が癒着してますから、抜き打ちであるはずがありません。しかも、それ以前に飼料規制が緩いのですから、危ないことには何ら代わりがないでしょう。



>このペテン師はアメリカのためならどんなことでも日本国民を騙し続けるのですね



支持する国民がいるのでどうしようもありません。これからは、どうなるか分かりませんが。



>日本の富をアメリカに奪われるし、アメリカの植民地支配を早めているかもしれないですね



そうですね。中国とは喧嘩できても、アメリカには一言の文句も言えない。これを見れば一目瞭然ですね。
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